よく、漫画やゲームで
「ドクロマーク」の付いた瓶
= 毒
というイメージが定着しているのですが、この日本酒を見た時にも只ならぬ雰囲気を感じました。
新潟県佐渡市 北雪酒造
「鬼夜叉 遠心分離 純米吟醸」
獺祭がウン千万円を投じて遠心分離機を導入した事で話題になった遠心分離機は、酒を絞る工程(上槽)で用います。
よく見かけるのは吊るした袋を絞る「吊袋式」と「藪田式」というアコーディオン型のフィルターを通して漉す方法ですが、その際の圧力で微妙な味わいの変化が生まれたり、フィルターを通す事で味わいに変化が生まれるといったデメリットがありました。
遠心分離という方法を用いると無駄に圧力をかける事は無くなりストレスフリーで酒を絞る事が出来る事や、フィルターの雑味を気にしなくて良い、密閉されたステンレスタンク内で行う事で無駄な酸化をしない、といったメリットたっぷりの上槽方法です。欠点は莫大な初期投資、歩留まりが悪くなる事、効率が悪いといった部分です。どうしても高価なお酒になってしまいます・・・。
自分よりも圧倒的に日本酒に詳しい先輩たちの話を聞くと、フィルターを通してコントロールした方が味わいに幅があって楽しい、という人が何人も居て、いやぁ、日本酒好きな人ってやっぱり凄い感性してるなーと尊敬してしまいます。
遠心分離のお酒が話題になった頃に、獺祭の遠心分離を飲んで、うわぁーぜんぜん味わいが違うなぁーと感動しましたが、北雪酒造の「鬼夜叉」はそれ以上ではないでしょうか。
獺祭は天下の山田錦を使っていますが、こちらの鬼夜叉は五百万石を使用。
今回試したのは純米吟醸なので、比較対象としてはズレがあるかもしれませんが・・・華やかで爽やか、キレがしっかりしており、黄色いリンゴの香りが特徴的。
鬼夜叉の方が飲みやすさは一枚上だと思いました。
価格で見ても、獺祭の遠心分離(3割9分)より鬼夜叉の純米大吟醸がネット上では1000円以上安く購入できる場所が多いみたいです。
鬼夜叉に睨まれたのを機会に、今後は遠心分離のお酒をもっと色々と調べて飲んでみようと思いました。