NIKI Hillsヴィレッジ バッカス2016を堪能

 

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さっぽろライラックまつり2018に出店していた、新進気鋭で勢いのあるNIKI Hillsヴィレッジのワインです。写真が見切れてしまいましたが、一番右にあるバッカスの文字、実はこのワイン「バッカス2016」は、まだエチケットすら出来ていないという秘蔵のワインを味わう事が出来ました。

 

NIKI Hillsは「Japan Wine Competition 2017」で銀賞・銅賞をそれぞれ受賞した

「HATSUYUKI 2015」

「HATSUYUKI Late Harvest 2015」

が注目され、農林水産省の補助事業「平成29年度6次産業化ネットワーク活動全国推進事業」の推進協議会が実施する「平成29年度6次産業化アワード」において奨励賞、グローカルチャレンジ賞を受賞するという、新進気鋭で勢いのあるワイナリーの1つです。

 

まだまだ本格的な生産には至っておらず現地での販売購入が主な入手手段ではありますが、こういったイベントであれば味わう事が出来るというのは貴重な機会ですね。ちなみに初体験は昨年のワインシンポジウムです。


HATSUYUKIの使用品種はケルナー。柑橘系のフルーティーな香りと豊かな酸味が特徴のワインですが、今回のニューリリース品であるバッカス2016はその名の通りバッカスを使用。たまたまその場にいたNIKIHillsの方にも色々とお話もお伺いできました。なんでもワイン用ブドウを買入れする際は重量ではなく、糖度(20度以上)で購入するのだとか。

 

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ほんのりと黄色を帯び、中程度の粘性を持ったワインでボリューム感があり北海道の白ワインの特徴ともいえる酸味は豊富。カマンベールチーズの様な発酵の香りや吟醸香に始まり、青草、スイカズラ、レモン、ライムなどの柑橘系の香り。少しブーケガルニの様な印象もあり、余韻は少し長め。飲みごたえがあって、本当に美味しいワインだと思いました。




 
バッカス、というブドウとは

 

ナイアガラやミュラートゥルガウなどと並び、北海道ではワイン用ブドウとして多く生産されている「バッカス」はバッフス、バッフースなどとも呼ばれるドイツ系品種です。

(シルヴァーナー×リースリング)×ミュラートゥルガウという交配から誕生したブドウは、2015年の北海道におけるワイン用ブドウ品種では白ブドウで5番目に多く生産されており85.9t(全生産量の2.3%)が作られています。本場のドイツでは7番目の生産量(2014年資料)で主にフランケンなどで使用されています。

果実味がワインに表れやすい事やリースリング系の白い花や爽やかな果物系の香り、豊かな酸味が特徴となりやすい品種です。香りに関しては、もちろん醸造手法によりけりですが、とてもアロマティックな印象になりやすいブドウ品種でありバッカスのワインは冷やし過ぎずに飲むと、より印象を強く感じられると思います。寒冷地品種であり、酸が多くなりやすいデメリットはあるそうです。

北海道の白ワインに至ってはドイツ系品種はまだまだ欠かせない存在であり、その豊富な酸を活かしたスパークリングワインを作る生産者も多く、可能性は十分に持っているブドウです。些かシャルドネや甲州といった品種特徴が出にくいワインの方に人気が集中しがちですが、逆にこういった品種特徴の出やすい品種、それこそゲヴェルツトラミネールやヴィオニエ、トロンテスといったブラインドティスティングでのイージー問題になりやすい品種はそれを弱点ではなく、魅力として利用できるのはメリットだと言う生産者も居ます。


バッカスもまた、魅力と可能性を秘めたワイン用ブドウ品種の1つではないでしょうか。


 

 

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