リオ五輪逃した悔しさバネに 平野美宇、研鑽の1年 | 【卓球】裏面打法のコツを伝授!ペンホルダー上達教室

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卓球女子の16歳、平野美宇(エリートアカデミー)が国際卓球連盟(ITTF)による2016年の最も躍進した選手「ブレークスルー・スター」に選ばれた。10月に米フィラデルフィアで開かれた女子ワールドカップ(W杯)で日本人初、史上最年少で優勝を果たすなどの成績が高く評価された。8月のリオデジャネイロ五輪出場を逃した悔しさをバネに、卓球王国・中国のスーパーリーグに参戦するなど研鑽を続けた1年を「すごく良かった1年」と振り返る。

 

15年9月、平野は世界ランキングで石川佳純(全農)、福原愛(ANA)、伊藤美誠(スターツ)に及ばず、日本人4番手でリオ五輪出場を逃した。周囲からは「美誠ちゃんに置いていかれたね」と言われ、「もうどうでもいいや」と自暴自棄になりかけた時期もあった。 転機はその直後に訪れた。中沢鋭コーチを新たな担当コーチに迎え、「今までにないくらい(スタイルを)変えた」。これまでは守備に重きを置き、相手のミスを待つスタイルだったが、「それだけでは格上の選手に勝てない」と、自ら積極的に仕掛ける攻撃的な卓球へチェンジ。フォアハンドの威力を増すため、スクワットなど筋力トレーニングも積極的に取り入れた。 成果はすぐに出た。

 

16年1月の全日本選手権女子シングルスで中学生として初の準優勝。準決勝では伊藤を強打で押しまくって4-0で圧倒し、「中国人選手みたいだった」と脱帽させた。8月、平野はリオにいた。リザーブメンバーとして日本代表チームに帯同し、石川らの練習相手を務めた。女子は団体で銅メダルを獲得。裏方として「ほっとした」思いの一方で、再び悔しさが湧き上がった。「次は絶対に自分が出るぞ」。4年後の東京五輪へ、決意を新たにした。

 

10月のW杯。平野はさらに成長した姿を見せた。中国選手の欠場が判明した時点で目標を「優勝」に定め、見事に有言実行を果たした。準々決勝で敗れた伊藤は「(1月の)全日本の時はすごく攻める選手になっていたが、今はどっちもできるというか。どっちもできないと戦えないと思った」。改めて刺激を受けた様子だった。 「東京五輪で金メダルを取るためには中国選手に勝たないといけない」と、平野は常々言う。

 

W杯から帰国し1週間後、向かった先はその中国だった。中国スーパーリーグに初挑戦。内モンゴル自治区を本拠地とする「オルドス」に加入し、約1カ月、中国国内を転戦した。 リオ五輪金メダリストの丁寧らトップ選手との試合はなかなか勝たせてもらえなかったが、すべて血肉となった。最終的には3勝を挙げ「結構ラリーは対等に戦えた。前よりも通用する部分が増えて、自信になった」と手応えをつかんだ。 意識の面でも変化があった。ともに生活し、練習することで「今までは中国人選手といえば雲の上の存在みたいな感じだったが、身近に感じることができた。もっと技術的に成長すれば、勝つチャンスはなくはない」。日本選手に少なくない“中国コンプレックス”の払拭こそ、最大の収穫だろう。

 

11月末からの世界ジュニア選手権(南アフリカ)では、伊藤、早田ひな(希望が丘高)らとともに臨んだ団体戦決勝で中国を破り、優勝。「(五輪で中国に勝つ)第一歩を踏み出せた」と胸を張った。翌週のワールドツアー・グランドファイナルでも格上の選手を破るなどし、シングルスで4強入りを果たした。

 

「新しいプレーに変えて成績も上がったし、今年の目標だった世界ランクひと桁(現在は11位)に入ることもできた。すごい良かった1年だったかな」。充実感あふれる表情が、この1年の成長を雄弁に物語る。  東京五輪へ向けた争いはすでに始まっている。

 

エース石川を筆頭に候補は目じろ押し。中でも、2000年生まれの平野、伊藤、早田らは日本卓球女子の「黄金世代」といわれる。同世代ではリオ五輪に出場した伊藤が実績で一歩前を行く格好だが、平野は「最終的に金メダルを取れればいいので、あまり気にしていない」と力強い。 「同い年でこんなライバルがいる世代はあまりない。切磋琢磨できる、すごくいい環境だと思う」。リオではスタンドから拍手を送るしかなかった16歳は、東京で“主役”となるべく、前進を続ける。

引用元:産経ニュース