誰でも分かるテニス肘!症状・原因・診断・治療を解説!
最近、テニス肘の患者さんに「私はテニスをしていないのに何でテニス肘になったんですか?」と言われました。今日はテニス肘(外側上顆炎)について症状、病態・原因、診断、治療などをまとめようと思います。
テニス肘の症状
テニス肘の代表的な症状としては、テニスでバックハンドの際に肘の外側に痛みが出現します。
また、日常生活動作としては雑巾を絞ったり、物を持ち上げる時に同様の痛みが出現します。
テニスをやっていないのにどうしてこの様な症状が出現するのでしょうか?
テニス肘の病態・原因
テニス肘の病態としては、加齢に伴い肘の筋肉の腱が痛むことが原因で発症します。
特に短橈側手根伸筋の腱が肘の外側で障害され、発症することが多いと言われています。この短橈側手根伸筋は肘の外側に起始し、中指の骨に付着しています。作用としては手首を反らせる役割があります。
テニスをやっていないのにテニス肘になるのは、手首を反らせて物を持ち上げたり、手首を反らせた状態でパソコンでのキーボード作業が続いたりと、短橈側手根伸筋の腱に過剰な負荷がかかり、腱が痛むことが原因だと考えられます。
テニス肘の診断
テニス肘の診断では3つの代表的な検査があります。それぞれのテストで疼痛を誘発し、テニス肘の診断を行います。本来は2人で行うテストですが、1人でも簡単にできるのでセルフでやってみましょう!
トムゼンテスト(Thomsen test)
反らせた手首を真っすぐに戻す様に力を加えます。この力に抵抗して手首を反らせた状態を維持しようとします。肘の外側に痛みが出た場合、陽性と判断します。
チェアテスト(Chair test)
肘を伸ばした状態で椅子を持ち上げます。肘の外側に痛みが出た場合、陽性と判断します。実際には椅子は重すぎるのでバッグで代用して行うと負荷をかけすぎずに行うことができます。
中指伸展テスト
中指を上から押さえるのに対して抵抗する様に中指を伸ばします。肘の外側に痛みが出た場合、陽性と判断します。
テニス肘の治療
第一選択は保存療法となります。代表的な治療法は以下の通りです。
手首の使い過ぎに注意し、湿布や外用薬を使用する
まずは日常生活で手首を使いすぎない様に「安静」を意識しましょう!過剰な負荷によって痛みが原因なので患部の安静はまず行うべき治療です。
湿布や外用薬で痛みの軽減を図るのも重要ですね。
前腕の筋のストレッチ
リハビリでも良く指導するのが前腕の筋のストレッチです。この治療方法に関しては今後細かくまとめたいですね。
テニス肘用サポーターの利用
スポーツをする時はもちろん、日常生活でもサポーターをすることで痛みを軽減することができます。しかし、患者さんの反応を見ていると「まぁ、しないよりは痛み引いたかな?」ってことが多いです。
ステロイドと局所麻酔薬の注射
肘の外側に注射を行い、痛みを緩和させます。
保存療法が無効な場合には手術を行うこともある
手術を行うこともあるようですが、私が担当した患者さんで手術を行った方はいません。
まとめ
テニス肘の症状、病態・原因、診断、治療 についてまとめました。テニスをやっていないのにテニス肘になってしまう原因は理解していただけたでしょうか?
担当させていただいた患者さんにも分かりやすい説明ができるように日々精進していきたいと思います!