痔瘻になる⑦〈ドレーン除去〉
肛門周囲膿瘍切開手術後、排出しきれなかった膿を徐々に排出するための
輪ゴム(ドレーン)をおケツに装着し続ける事2週間・・・
私の肛門に常に微妙なテンションをかけ続け、
排便後拭く時や薬を塗るたび過剰な気遣いをさせられ続けた
この煩わしい異物(ドレーン)をようやっと取り払うことに。
先生:はい、ドレーン取れました。これからは塗り薬は塗らなくていいですよ。
私:本当ですか!?
先:はい。そのかわり今日注入軟膏出しときますから、1日2回入れてくださいね。
私:・・・・
バーン!
これから当面の間、
毎日2回自分で肛門に軟膏を注入させるミッションが発動したのです・・・・・。
先:で、毒嫁さん、この痔瘻という病気、女性がなるの珍しいんですよ。
私:はぁそうなんですか・・・。
先:で、ですね、クローン病という病気がこの痔瘻を誘発させる症例があるので、
念のため検査しましょう!
私:クローン・・・・
先:若い人がよくなる病気なんですけど、クローン病は腸に原因があるので
大腸に内視鏡を入れて・・・
突如、矢継ぎ早に検査の説明が始まる。
私:あ~~~~~~!いやいやいや・・・
先:どうしました?
私:いやもう私40ですし全く若くないし、毎日快便ですし、
あの、その、違うんじゃないですか?(動揺)
先:いや、少ないとはいえ40代でも症例ありますから検査はした方がいいですよ。
私:あの、いや、検査っておケツの穴からカメラを入れるやつですよね!?
先:そうですよ。
私:・・・・・・絶句
この大腸内視鏡検査、旦那(アスペ)が数年前受けてあまりの苦痛に
全身麻酔をかけてもらい、入院してまで行った検査なのだ。
私:てんてー・・・
先:ハイ?
私:うちの主人がこの検査全身麻酔でやったんですけど、痛いんですか?
先:はぁ!?旦那さん腸に穴空いたとかですか?
私:いや、そんな事はないです。主人が検査自体に耐えられず、
病院変えてまで全麻でやりました。入院までして・・・。
先:えぇ・・・聞いたことないなぁ。鎮痛剤は使いますけど、全身麻酔なんて・・・
私:そうなんですか?
旦那が検査後、二度とやりたくないと大騒ぎしていたのを見ているため、
実に疑心暗鬼になる私・・・。
先:安心してください。検査の痛みはほとんどないのでね。
じゃあ、検査の予約を取って帰って下さいね。
・・・
とにもかくにも予約を1か月後に取り、
当日服用する下剤の説明を受け家路に着いたのでした・・・・。
次回に続く・・・
痔瘻になる⑤〈術後と料金〉
肛門周囲膿瘍の切開排膿手術を終え、
痛いのと情けないのと、何か人間としての尊厳を一つ失ってしまったかのような
脱力感で手術時の体勢のままおケツ丸出しでぐったりしていると、
看護師さんが抗生剤の点滴をしに来てくれた。
看護師:じゃあ点滴の針さしますね~。
私:はい・・・・・
看:グーパーグーパーしてくださ~い・・・う~ん・・・・
私:あ~・・・見えませんか?
看:ちょっと刺しますね・・・あー、ごめんなさ~い。
私:いいんです。いつもやりづらいって言われるんですよ・・・。
私は血管が見えづらいらしく、
いつも採血や点滴する時に看護師さんに迷惑をかけてしまいます。
何度も針を刺し直す事もしばしば。
看:いつもどっちの腕でやってます?
私:右です・・・(今打たれたのは左)
看:じゃあ、向き逆さまに寝てもらっていいですか~?
私:えっ?今ですか?今起き上がるんですか!?
看:はい。おねがいします!
非情な事に、おケツ丸出し切り立てホヤホヤの手負いの私に、
立ち上がって180度回転せよと仰るのです!
「何回刺し直してもいいから左にしてくれぇ!!!!」
・・・とは言えず、おケツ丸出しのまま立ち上がると、
もう痛くて情けなくてワシは一体何やってるんだろうと笑えてきた・・・っていうか、本当に笑ってしまった。
アハハハハハハ・・・・
怪訝な顔で私を見る看護師さん・・・・・
こいつはヤベー奴だ。と思った事だろう・・・。本当にごめんなさい・・・・。
看:じゃ、じゃあ刺しますねーグーパーしてくださいね~。
私:ハイ・・・
看:ハイッ!入りました!何度もごめんなさいね。
私:いえ、もうどうでもいいんです・・・点滴の痛みなんてどうでも・・(なげやり)
看:毒嫁さん、ほんと痛み強いですね~。すごいです!
この切開排膿手術は一日に何件もあるらしく、
あまりの痛さに叫ぶ人や暴れる人、手術を放棄する人がよくいるらしい。
私のように声を出さない人間は稀との事。
もう だろうね という感想しか出てこない。
処置台の上で30分抗生剤の点滴を受けながら
ショック状態の精神の立て直しを図る。
・・・・
点滴を終え先生から説明を受けるため診察室へ。
不思議な事にたった30分休んだだけでかなり痛みが引いていく。
脳内にドラクエで宿に泊まった後の音楽が流れた。
先:今切った傷口から時間をかけて徐々に膿を出さなくてはいけないので
傷口が塞がらないようゴムが付いています。取れないように気を付けて下さい。
私:ゴムですか?
先:イメージ的には牛の鼻についてる輪っかのようなものです。
私:へぇ~。
先:では今日は安静にしてまた明日来てくださいね。
私:安静ですか・・・今日チャリンコで来たんですけど乗って帰っていいですか?
先:ええ!?ダメですダメです!!大出血しますよ!!
っていうか、よくあの状態で自転車乗れましたね!
今日はタクシーで帰って下さい!
私:はぁ・・・。
会計をして薬を出してもらい、クリニック前でまた悩む。
会計が予想より高かったのでタクシーに乗るお金がない事に気づいてしまったのだ。
(ちなみに会計は1万、薬は2千円位だった。)
大出血という言葉が頭をよぎりましたが、
あとは家に帰るだけだし、ちょうど運よくあずき色のズボンだったので、
(ズボンまで染みてもあずき色ならバレないだろと思った)←ばれるわ
もう、一刻も早く休みたいし、おケツと相談してチャリで帰る事に。
・・・・
あ、特に問題なく家路に着きました。
次回に続く(一体いつまで続くんだろう・・・)