家でも酸素 吸えますよ


入院している患者さんが、「自宅に戻りたい」と考えた時に、「何かあれば家では対応が出来ないのではないか」という不安があると思います。
確かに、病院でしか対応出来ないこともあるのですが、家でも病院と同じように出来ることがあります。
その中の一つに【酸素投与】があります。

Terminally ill senior woman staying in hospice

今日は、『在宅酸素』についてのお話しです。

酸素はなぜ必要?

人間の体は細胞で出来ています。ひとつひとつの細胞が生きてゆく為にはエネルギーが必要です。そのエネルギーを作り出すのに、酸素が必要なのです。
空気中の酸素を呼吸することで肺に取り込み、血液中の酸素と二酸化炭素を交換します。肺の中で酸素を多く含んだ血液は、心臓から全身に運ばれて行きます。
全身に血液が行き渡って酸素を供給して、不要になった二酸化炭素を回収して、また肺に戻って来ます。

酸素はどうやって測る?

『肺炎』など、肺に問題が起こってしまうと、上手く酸素と二酸化炭素を交換出来なくなります。
こうなると血液中の酸素が少なくなってしまうのです。
どれくらい体に酸素が行き渡っているのかを、簡単に調べる為には【酸素飽和度】を測ります。具体的には、小さい機器を指に挟むことで数秒で分かります。
この【酸素飽和度】は、通常95%以上ありますが、90%を下回るようであれば【高濃度の酸素を吸う】必要があります。

【在宅酸素療法】

酸素マスクや鼻に、細いチューブを乗せて酸素を吸っている光景は、病院では良く見られます。実は、家でも酸素を吸うことは可能です。
酸素を扱う業者が、住んでいる場所の近くには必ず存在します。

私たち在宅医は、休日や夜中を問わず往診に伺います。その際に肺炎などで【酸素飽和度】が低い場合には、この酸素業者に依頼します。すると通常は1時間程度で、酸素の機械を家に届けて貰えます。

この『酸素業者』は、在宅医療を支える「縁の下の力持ち」的存在です。
医師や訪問看護師が目に付く在宅医療ですが、本当に多くの職種、業者の存在によって成り立っているのです。

『酸素業者』は頼りになります

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