初めての方は、このブログを通して貫く基本概念である主観と客観との違いについての説明をしてある以下の記事をご覧ください。

 

 主観と客観

 客観についての補足

 外国人には思い遣りがガチでないという事実

 優しさ(主観的)と思いやり(客観的)

 日本の常識は世界の非常識、日本の非常識は世界の常識

 

 以前にこちらの記事(外国人には思い遣りがガチでないという事実)の中でもふれたが、海外で外国人と結婚していて上手くいっているケースもいくつかあるが、筆者の見てきた経験や印象、あるいは聞く話では、圧倒的に上手くいかずに離婚したケースが多い。日本で結婚して生活しているケースについては筆者はあまりデータをもっていないので言及できないが、海外、特に北米できく話は実に悲惨なものが多い。

 

 こうした国際結婚が上手くいかない理由はいくつもあるし細かく見ていけば個別のケースの特徴がでてくるのは当然であるが、そんな中でも見えてくる一つの根本的な理由は、やはり筆者の観察するところ、日本人の女性なり男性が、外国人に思い遣りがないことを知らずに結婚に踏み切ったところにある。

 

 日本人にとっては空気のように当然の思い遣りは、このブログを始めて一年前から何度も繰り返してきたことであるが、日本文化の中にしか息づいていない。これは、10年以上北米に住み、世界中の人々と交流してきた筆者がひたすらに観察し分析し続けてきた結論である。そして私事ながらこの理論には絶対的とも言える自信をもっている。

 

 「なんでこれがわからないの??」「どうしてこれをいわなきゃわからないの??」「どうしてこんなことできるの??」「なんで謝らないの??」「どうして自分は絶対に悪くないの???」「なんでいつも人のせいなの????」「なんで私が感じていることを察してくれないの??」

 

 上記を読んで、「これって日本人の間にもあることじゃん」なんて思った人は失礼ながら認識が甘い。日本人でももちろん、鈍感な人はいるし、価値観の違いで上手くいかないことはある。しかし、日本人と外国人の間に横たわる上記の感覚の相違は、まさに日本人の想像を遥かに上回るのである。

 

 そしてこの違いは永遠に埋まらない。日本に移住して10年以上日本人とだけ接し続けた場合は恐らく理解するかもしれないが、それでも限界があるであろう。それほどまでに、この「思い遣り」という感覚は外国人にとっては異常なものであり、理解など到底できないものなのである。

 

 一応念のために触れるが「優しさ」は外国にもいくらでもある。優しい外国人は本当にたくさんいるし、外国人が意地悪であるといっているわけでは全くないのでこの辺の誤解をないよう、ブログの上記にいつも置いてある過去記事をご覧頂きたい。

 

 優しさ(主観的)と思いやり(客観的)

 

 国際結婚をしてまがりなりにも上手くいっているケースでは、日本人の側が、この外国人の思い遣りの完全欠如について、感覚的にわかっている場合である。最初は分かっていなかったかもしれないが、外国人はこういうものなんだと経験則として理解して受け入れたケースである。正直な話、筆者はこの違いを明確に言語化がした初めての日本人としての自負はあるが、この違いは、ほとんど全ての人が、言葉では言えないものの外国生活の中で必ず感じる違和感なのである。

 

 最初から、外国人には思い遣りがない。これはもうハンディキャップではないもののそれと同じほどのことである。腕がない人に腕があるように振る舞えという方が、もともと無理なのである。腕がない人には腕がない状態で振る舞えるように配慮するのが当然というものであろう。腕がない人に、「あんた何で腕がないの!普通はみんな腕があるものなのよ!!腕をもちなさいよ!!」と叫ぶひとは恐らく心の病の人を除けばいないであろう。外国人に向かって、「あんたなんで思い遣りがないの!!??思い遣りをもちなさいよ!!!」と叫ぶことは、腕がない人に叫ぶ上記の台詞と全く同じである。

 

 日本文化が特殊なのは、まさに、思い遣りの存在、この一点に尽きるのである。外国人旅行者が日本でいたく感動するのも、理解はできないもののこの思い遣りを肌で体験するからに他ならない。

  

 外国の文化にはそもそもそれがないのであるから、もちたくてももちようがないのである。無茶なことを言っても何も始まらない。別に外国人が劣っている訳でもなければバカなわけでもまったくない。単純に、精神文化として思い遣りが存在しないだけで、客観的に違うだけの話である。

 

 外国人と結婚を考えている人は、この点を大前提として理解し、かつ受け入れることが必要である。知らずに、あるいは考慮せずに結婚した場合は、お決まりの泥沼離婚劇が待っているだけである。国際結婚の問題は言語ではない、心の問題なのである。

 

 なにかのご参考になればと思う。

 

 今回もお読み頂き、ありがとうございます。

 


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