ピロの屋本館@ロサンゼルス

ピロの屋本館@ロサンゼルス

天使の女王の町Los Angelesでの生活記録

 

Spring 2022

 

クラスメイトのバカンジーは、

この前年の2021年8月、

入社たった2ヵ月にして

当時の職場でトラブルを起こし

辞めたいと言い始めたけれど、

半年契約だったので

12月までは辞められなかった。

 

 

その為10月頃には

私の職場のマネージャーに、

『皆が私に意地悪をするの』

『家族の為に働かないといけないの』

などの嘘をついて泣きつき、

1月から働く事が決まった。

 

 

しかし、

私と経理クラスでトラブり、

同僚のブリオともトラブり、

マネージャーから出された

週1のトレーニングにも来ない、

そして

予定の1月には来なかったので

別の場所を探したかと思っていたら、

2月になってひょっこり現れた。

 

 

そしてなぜか、

トラブったはずのブリオに

びったりとくっつき、

彼をボディーガードにしている

様子は明らかだった。

 

 

あとで同僚のオスティンから

聞いた話では、

どうやら冬休み中に

当時の男と喧嘩別れしたことで、

ブリオに交際を迫ったのだと。

 

 

ということで、

1人ではなにもできない

バカンジーは、

私がいる職場に、ブリオを盾にして

入り込んできたのであった。

 

 

しかしこの女、

とてもキツイ目をしていて

いつも不愛想。

挨拶も、自分からすることは

殆どなく、

おまけに非常に態度が悪くて、

皆から煙たがられた。

 

 

入って来たばかりなのに、

葬祭ディレクターに

”そんなんじゃダメだ”とか

”あーしろ、こーしろ”’とか

命令したようで、

『新人の分際で何様だ!』

と影で言われていた。

 

 

オスティンに対しては、

やる事なす事バカにしたようで、

彼の中でも評判は落ちた。

 

 

そしてその横柄な態度は、

私とピナにも向いて来た。

 

 

ある日私とピナが

Prep Roomで仕事をしてたら、

突然ノックも挨拶もなく、

パンプスの音を立てながら

ツカツカと乗り込んできた。

 

 

なに事かと思ったら、

薬品のキャビネットを開けてピナに、

『ねぇ、この薬品は

こういった時に使って、

こっちの薬品はこういったケースに

使うわけでしょ?』

などど、ピナに対して

質問なんだか説明なんだか

よく分らない言い方で

偉そうに喋りはじめた。

 

 

ピナの性格を知っている私

心の中で、

”あぁ、これはウザいって

思われてるだろうな~”

と思いながら

知らん顔していた。

 

 

ピナは最初こそ無難に、

そしてナイスに、

『あ~、そうね』とだけ返したけど、

すぐに私に別の話を始めた。

 

 

やっぱり(笑)。

 

 

バカンジーは

それでも気づかずこう続けた。

 

 

『で?今あなたが

エンバーミングしている

そのご遺体のコンディションは

〇〇だから、薬品は

これとこれを使ったんでしょ?』

 

 

これ、文で読むと

何てことない普通の質問

って感じなんだけど、

なんだろか、、、

あの偉そうな態度、口調、顔つきがね、

思わず”何様???”

と言いたくなるほどだった。

 

 

ピナは再び『そうね』

とだけサラッと返事し、

また私に話しかけてきた。

 

 

もういい加減気づけよと

思っていたけど、

それでもバカンジーは続けて、

また似たような質問をした。

 

 

単なる

”私、薬品を知ってるのよ!”

自慢と分っていたので、

ピナも軽く『そうね』とだけ答えて

完全無視を決め込んだ。

 

 

するとバカンジー、

やっと気づいたのか、それとも

自分の知識を

褒めてもらえなかったからか、

なんの挨拶や言葉もなく、

無言でツカツカと出て行った。

 

 

私とピナは無言の、

”なに、今の???”

って感じで顔を見合わせた。

 

 

まぁこんな態度だったので、

働き始めた初っ端の頃から

煙たがられ、周りからは、

”いや~、今後コイツと

仕事していくのかよ”

と思われる結果となった。

 

 

そんなある日、

職場でリモデルが始まった。

 

 

教会、トイレ、

アレンジメントルーム、

それからPrep Roomと

順番にやっていく大改装。

 

 

1階の端っこにあった

小さな2つのオフィスは、

使用していなかった

広い2階へと移った。

 

 

それを機に、

自分のデスクをもらった

バカンジーは益々偉そうになり、

オフィスの家具やPCの移動などを

みんなでやっていた時も、

自分の荷物やら、

食べ物&飲み物のMonsterなどを

箱買いして、

ブリオに運ばせるという

女王様ブリを発揮した。

 

 

それでも、仕事をまだ

覚えていない頃の前半期のヤツは、

後半期に比べると

まだ少しはマシだったと思う。

 

 

”マシ”とは、

まぁたまに前述したように

偉そうに振舞ったりは

していたものの、

目立って攻撃してくるとか、

そういった事はしなかった。

 

 

しかし、徐々に仕事を

覚えてくる後半期になると

とんでもない事をやりだし、

私のポジションを狙い、

追い出しにかかってくるのである。

 

 

そのお話しは、

長くなるのでまたいつかね。

 

 

ではでは。