街中を歩くと、各家庭にはとにかく樹木が多い。

一軒家であれ、4階のベランダであれ緑にあふれています。

日本では数万円しそうなガジュマル、ブーゲンビリア、こぶしのような花、タビビトノキ、空中につるしたランの仲間。どれもこれもでかい!
もちろんココナッツやマンゴーは当たり前のように生えています。昔は村のお医者さんとまで言われたニーム(カンボジア名スダウ)は市内でほとんど見かけません。

ホテルのロビーやパティー会場で見かけるユリ、トルコキキョウ、キク、バラ、カーネーションなどはベトナムから輸入品だそうです。

日本の花屋さんは切り花、鉢植えが主流ですが、カンボジアでは大木の苗、花の咲く低木、空中で育つ花、観葉植物などが目立ちます。その多くは花が咲き、日本の桜を思わせるものもあります。
元農家の私が思うに、花卉農家は絶対に成功すると思います。

切り花はほぼ100%輸入です。蓮の花、ジャスミンの花などを栽培する農家を見たことがあるくらいです。ベトナムは花の産地なので、コストの問題はあるのでしょうが、切り花の市場は拡大の一方です。

話を野菜に戻します。

メコン川、トンレサップ川、バサック川などがプノンペン周辺の川ですが、その周辺や川の中州が野菜の主な産地です。理由は土地が豊かなこと、乾季に水があること、プノンペンに近いことなどがあげられます。多くが化学肥料と農薬を多用しているようですが、農家の手足を見る限り人体に影響が出ているということはないようです。

だからいいということではありませんが、数ドルの農薬も農家にとっては大きな負担ですし、化学肥料はせいぜい日本の半分以下の使用量です。農薬などは一応使用量を考えてはいるようですが、散布方法が手動スプレイだったり、ノズルの性能が悪いので、果たして基準とどのくらいかけ離れているのかは見る限りでは推測できません。

一番使用量が多いのは殺虫剤、殺菌剤。除草剤も作物により使われてはいるようです。使っている本人も危険度の認識は低く、容器がその辺に転がっているのは当たり前です。

不思議なことに、カンボジアから野菜を買ってベトナムに運ぶ業者がいます。そしてその業者は帰りにまた野菜を積んでカンボジアに戻ってきているそうです。どのように業者が利益を得ているのかは、推測の域ではありますがそれについては触れないことにします。

農薬を使う理由は簡単だから、一番多いようです。私は今、天然殺虫剤や防虫ネットで対策をしとしていますが、確かに手間がかかります。普通の農家は販売手段がブローカーに「買ってもらう」という状況なので、いいものを作って高く売るという環境にはありません。日系企業やオーガニックのお店が取り扱ってはいますが、全体の中での比率はまだまだ低いのが現状です。

 

小さな鉢物もほとんどすべてが小径木です

67~70cmの苗、1mから2mの木になるそうです。ほぼ1年中、どれかの花が咲くそうです。

黄色い花はあちこちで見かけます、ヤシの木は3mくらいあってもクレーンを使って移殖します。

ブーゲンビリアの苗、鉢付でも50ドルくらいです。

唐辛子の苗。1万本くらい苗を作るとか。

キュウリ、堆肥を増やしたら成長が早いそうです。

里芋(日本品種)

胡椒、大粒で香りのいいカンボジア品種のオーガニック栽培。

ゴーヤ、肉詰め料理はローカルでもよく出てきます。

レタス、今のところ順調です。

オクラはどこで作ってもある程度の生産量を確保できます。

日本の大根

白菜

大葉 発芽方法を教えたら私の数倍の発芽率でびっくり。カンボジア人を侮ってはいけない。

 

農協がないカンボジアでは個人の努力が実ることは稀です。

日本を含めた外資系や各国のNGOの支援、指導。市内に数十店あるオーガニック野菜の店やホテル、レストランなどに販売先を変えなくてはオーガニック栽培の真価は発揮できないのが現状です。

政府が日系企業とJICAの支援の下、オーガニック野菜の検査機関を設立したり、NGOがオーガニック栽培の支援をしていますが、成果はまだ一部に限られています。

安全、安心、美味しい野菜は作るだけではなく、流通にまで切り込んでいかないと真価を発揮できないのかもしれません。しかし、そうしなければ世界の食糧事情を考えるとき、生産効率という課題は解決できません。日本の戦後の食糧不足のような状態にでもなれば別でしょうが、将来は世界の食糧基地になるとまで言われる東南アジアの農業は技術的、経済的にも水準をあげていくことが求められるでしょう。

 

 

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