この日の作業、なぜか足りないモノだらけ。
ワ「じゃぁ俺向こうの現場から取ってくるっすよ」
長「あー、しょうがねぇな買ってくるわ」
交代で買い物に出かける羽目に。

父「もうさ、ココにはなんも置かねぇことにしたんよ」
そうよねぇ、前は工具も資材も何でもそろってたもんねぇ。
ちょいちょいと手招きされて2人で片隅へ移動。

父「盗むヤツがいるからさ」
急にヒソヒソ声。
あぁ…例のアレか。
父「俺のもさ、全部やられちまってよ」
え…お父様も被害にあったの？
父「一生懸命やるっつーから息子が面倒見てやってたんによ」
怒りはまだまだ収まっていないようです。
先程聞いた現行犯逮捕の一部始終を、また聞くことになりました

工具が足りない：3回目。
今度は私が買い物係を買って出ました。
父「ほしたら俺も一緒に行くかな」
なんとお父様と買い物デートすることに。

この地で生まれ育ったお父様は、道を知り尽くしています。
道順の指示を出しつつ、ノンストップトーキング。

父「（社長の）高校時代の事故…あんときゃまぁ恐ろしかった」
そりゃそうよね、九死に一生を得たんだもんね。
父「まぁまぁ仕事が順調だったからよかったけどもさ」
え？仕事？
父「10日毎に支払いの請求書が来るんさ」
おぉ…お父上よ、恐ろしかったのは請求書かいな。
そんな高額だったのか。

相手の子は…二年くらい入院してたんじゃねぇかな
何度も手術してさ
俺は息子に言ってやったんだよ
いざとなればきちんと最後まで責任取れって
だけども相手の方がもういい、会わねぇって言うんでさ

ん…？
私が聞いた話では…（少なくとも入院中は）ラブラブでしたけど？
アナタの息子は病院で初の「お口でご奉仕」体験してましたけど？

息子も助けてくれって言ってきたけど、そんなん自分でなんとかしろって。
今でもその後遺症で膝の関節がちゃんとしてない
外れっちまう、なんつーかこう振り抜けちゃうんさ
だからあの子は未だに走らない…抜けちゃうから
あの時のことがあるからさ
だから今、いろいろ俺ら親のためにやってくれようとしてんだよ

お父さん、ご子息はゴルフ行っちゃぁ走り回ってますけど？
ま、言われてみりゃ歩き方は少しおかしいですけどね。

親と子ではいろいろ捉え方が違うようですな
ま、当たり前か。

だから俺もさ、あの子の社員は面倒見るんさ
俺はどうこう決められねぇけどよ、社長じゃねぇし
でもまだみんなわけぇんだから、いろいろやってやんねぇと。
俺は反対だったけど息子が雇い続けるっていうからさ
いろいろしてやったのに、また盗みやがって…あれはもう病気だ

あ…また話が「あの方」に戻った。

お父様、今日はお喋りしたかったのね～。
社長さんの話とギャップがあって面白いから、いくらでも聞くわよ

 

 

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