よく少年マンガとかで、
「自分の深層意識がカタチを取って現れて、
それに打ち勝つと強くなる」
みたいなの、あるじゃない?
主人公が、パワーアップする時の修行に、
よく使われるパターン。
「もう一人の自分」とか、
「心の闇」とか、そういうやつ。
現実も、あーいうのだったら、
ほんと楽なんだけどね。
「あなたの恐れはココですよ」
「あなたの乗り越えるべき対象はコレですよ」
って、明示されていたら、きっともっと、楽かもしれない。
いや、本当は、注意深くちゃんと見れば、
しっかり自分の心と向き合えば、
そういうの、分かるかもしれないけれども。
でも、マンガの中ほどシンプルに、分かりやすく、
捉えやすくはなってくれないもんねぇ。
色んな課題が、問題が、
僕らの周りに渦巻いている。
現実の世界では、
それらの『どれ』を、
『どう』乗り越えたらいいかなんて、
いつでも分かるわけじゃない。
斬魄刀は具象化しないし、
地獄のコミューンで悪魔が襲ってもこないし、
ルフの濁った部分が目に見えるわけでもないし、
ブラックアウトの怪物を倒せばいいってもんでもないし、
覚醒臓器の試練をクリアすればいいわけでもないし、
心の世界で八匹の竜を倒せばいいってもんでもない。
(全部わかった人は僕と漫画の趣味が合い過ぎる笑)
だから現実では、
卍解ができるようにはならないし、
巫力が跳ね上がったりもしないし、
マゴイを操作したりもできないし、
黒い羽根が生えて飛んでいけるようにもならないし、
神器が使えるようにもならないし、
火竜を召喚できるようにもならない。
そんな、目に見えたパワーアップなんて、無い。
スタンド能力が芽生えてくれたら、
あれは無意識の発現だから、
その能力を観察して、
自分の本質を知ることもできたろうに。
優しい能力が芽生えれば自分を優しい人だと確信できたし、
凶暴な能力が発現すれば、自分の凶暴性と向き合えた。
しかし、やはり現実には、
自分の心が目に見える形で具現化されることは、ない。
だから、ひたすら、
現実にアプローチするんだ。
何のマンガ的能力も持たない僕らは、
「現実」を通してしか、自分を知ることはできない。
「お金が無い」という現実から、
自分の仕事や稼ぎに対する心のブロックと向き合わされたり、
「恋人ができない」という現実から、
他者との関係性やコミュ力について向き合わされたり、
「うまくいってないと感じる度合い」から、
自分の精神エネルギーを計測したり。
そうやって、世界を、
現実を観察することを通してしか、
自分を知る術はない。
お店の立地も・・・・
「繁盛エネルギー」みたいなのが、
土地から噴き出してくれていたら、
それほど楽なことはないんですけどね・・・・
そんなものは無いから、
統計データだったり周辺の地形だったり、
人々の行動だったり実績だったり、
そういう色んなものを観察して、分析して、
「繁盛するかどうか」を知るんだ。
何が言いたいかってね。
最初は、
「スタンド能力があったら、
こんなに自分のことで、
思い悩まなくて済むのになぁ」
という感じのことを書きたかったんだけど・・・・
今、全然違うことを思った。
あぁ、この世界は、
僕のスタンド能力だ。と。
何をバカな、って思うかもしれないけれども。
「そうじゃない」ことを証明する手立ては、ない。
世界が終わるのが、僕が死ぬ時である限り。
僕が生まれた瞬間から、
発動し続けているスタンド能力。
あ、スタンド能力って、
一番分かりやすいからそう言ってるだけね。
この世界自体が、最初から、
斬魄刀の世界だし、
グレートスピリッツの中だし、
覚醒臓器の中だし、
心の中の世界だ。
マゴイみたいに感情を感じながら生きてるし、
ブラックアウトのモンスターと戦うがごとく課題と向き合っている。