(「Imagine (想像して御覧) 」からの続き)

 

 「ウォ~、ウォ~、ウォ~」と言う鳴き声で目が覚めた白楽雲。

 

 何時もならば二度寝するのですが、このまま寝ている気分になれず、起きる事にしました。

 

 「ウォ~、ウォ~、ウォ~」って何の鳴き声かって、日本では「コケコッコ~」と鳴くのですが、こちらの鶏は中国訛りがある様ですね(なもんあるか、鶏は鶏じゃムキー)。

 

 起きて最初に目に入ったのが「倒福」の赤い紙。インパクトあり過ぎです。

 

 西側のベランダからは工場を見渡す事が出来ます。今日も工場は稼働しています。24時間休み無く動いているのです(3交代制)。暫し眺めた後、屋上に上がりました。

 

 屋上に上がるのは「久しぶりぶりプロッコリ~」(はいはいショボーン)。「ウォ~、ウォ~、ウォ~」と中国鶏の鳴き声は止む事がありません。もう暫くすると何羽かの命は経たれるのです。

 

 食用として飼われている鶏です。毎日従業員の腹を満たす為には仕方の無い事ではありますが、今の私にはチョット辛い。そら始まりましたよ。鶏の断末魔の鳴き声が・・・。

 

 辺りは白み始めたとは言え、まだ闇の勢力の方が勝り、薄暗く、くすんで見えます。私は工場の東側を流れる大河(と言うより崖門水道と言われる汽水域)を眺めていました。

 

 対岸までは1~2㎞はあるでしょうか。土砂を含んだ薄い褐色の水が流れているのですが、今は闇に溶け込んで、黒い巨大な龍の如く蠢いています(ほんとか~グラサン)。煩いな~。

 

 長期に亘りこの地にいますが、朝のこの時間はやはり馴染めません。生きる為とは言え、楽しいものではありません。日本の生活に慣れ過ぎて、人間としては軟なのですね。

 

 対岸の山々が深紅に染まりだしました。黒い巨大な龍も薄紅に染まりつつあります。

 

 すると突然、山影から顔を出した太陽のオレンジの光の塊が辺りの闇をかき消して光の世界へと変えて行きます。薄紅に染まりつつあった巨大な龍はもういません。

 

 代わりに、オレンジの光の塊を反射し、私の方に容赦なくその光を浴びせかけて来ました。刻々と変わる光の造形に、暫し見入る白楽雲。何とも幻想的な一時でした。

 

 4年もの間この地に滞在し、こんな光景を目にしたのは初めてです。朝日を見たのも何年ぶりか、いや何十年ぶりでしょうか。闇の世界から光の世界へと導く太陽を・・・。

 

 私は朝日を眺めながら、「娘は絶対に助かる」と想ったのです。そして、「俺も頑張ろう」と誓うのでした。更に強さ増した太陽と水面に映り揺らめくその分身に照らされながら・・・。

 

 もし、娘の事が無ければ、こんな時間に起きてはいないでしょう。起きて、この光景を目にしたとしても、こんなに感動などしなかったと想います。

 

 朝日は心の闇が深ければ深いほど美しく見えるものなのかも知れません。

 

 想えば、この日からです。朝日を見るのが習慣になったのは。毎日と言う訳ではありません。雨の日も曇りの日もありますからね。時間の無い事だってあります。

 

 でも、たまにでも見る事が出来れば、その日の気分は変わります。

 

 現代人にとっては何の神秘性も無いでしょうが、古代人にとって闇から解放してくれる救世主だったのですからね。朝日に感謝する心の余裕が欲しいものです。

 

(つづく) 

 

 

 

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白楽雲

 

 

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