指定校推薦とは? その1 | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

この時期は各高校で指定校推薦の申請・選考が行われています。

そこで、このブログでは、数回にわたってその指定校推薦の実態などを書いていこうと思います。

 

さて、現実の事実として、かなり多くの学校では、学校としては指定校推薦を勧めては来ません。

 

その理由は1つは、やはり受験にちゃんと挑み、しっかり勉強をし、一般入試で志望校合格を勝ち取って欲しいといった極めて純粋な理由です。

 

指定校の資格、特に成績(評定平均)を得ることは容易ではありません。

基本的に、人気のある大学の指定校推薦の基準はA段階(評定平均5.0~4.2)であることが普通であり、より難関大学になれば、場合によっては「5.0」に近くなければ、校内での競争に勝つことはできません。

 

この評定平均は5教科はもちろん、そのほかの教科のすべて、さらには3年間のすべての評定の平均ですから、その努力は長期間必要であり、高校入学時からの地道な学習への取り組みが必要です。

その努力は大変なものだと思います。

 

それだけに、そうした評定平均の生徒は、3年生の1学期には校内での学力も高く(あくまで範囲のある定期試験の場合ですが)、学校側の期待も大きくなります。

 

しかし、そこでよく考えなければならないのは、例えば青山学院大学の指定校があるというのは、その学校の上位者であれば青山学院大学に一般入試に合格するレベルにあるということを意味します。

 

だからこそ、青山学院大学はその高校を指定校にするのです。いわゆる過去の合格実績が参考になります。

もちろん、宗教的な関り、高大連携など特殊なケースもありますが、おおよそはその高校がそういうレベルになければ指定校にはなれません。

 

従ってその高校の評定平均「4.8」の生徒とは、青山学院大学以上の、例えば早慶に合格する可能性がないわけではないのです。

そうなると、指導する教員としては努力して早慶を目指させたくなります。

 

シビアな現実として、例外はありますが、指定校での入学者が、一般入試の入学者に比べて学力が低いことは普通のことであり、その理由としては、やはり過酷な受験勉強に取り組むことなく、しかも事実上は秋に勉強を終えてしまえば、2月まで必死に勉強をしてきた生徒に劣るのは自然なことだと思います。

学校によっては指定校推薦の生徒にもセンター試験受験を義務付けますが、やはり背水の陣ではない受験には限界があります。

 

もちろん、保護者・生徒がそれを踏まえて指定校推薦を希望する、選択することが悪いわけではありませんが、指定校推薦とは校内での競争、一般入試とは校外との競争であると考えれば、そういった学力差が発生するのは当然の結果だと思います。

 

どちらがいい悪いではないですが、まずは、この必然を踏まえて指定校推薦について考えていただきたいものです。

 

続く

 

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