思わぬチン事! | 記憶の中の宝探し 限りなき時間遡上

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珠玉の思い出を引き出して楽しんじゃおう!

 
 
昨日は春真っ盛りな
ポカポカ陽気。
 
しかし、今日は昨日より幾分
気温が低く肌寒い。
 
しかも風がやたらと強く吹いている。
気温の変化にめっぽう弱い
 
ゆめ太郎は
 
こんな時のために
カバンの奥底に忍ばせてある
ニットのセーターを着るのである。
 
しかし
カバンと手さげを持っていたので
セーターを上着の下に
着衣させるのはままならない
状況だった。
 
こういう時に
便利で好都合な
 
【誰でもトイレ】
 
という設備がある。
 
大体どの駅にも設置されてるから
利用しない手はない。
 
誰でも使えるんだから
老若男女、国籍なども不問。
さらに太陽系、銀河系など
他の惑星から地球に来られた
宇宙生物だって使えることになる。
 
しかも
 
多目的
 
であるから
生理的用足し以外、
おいらのような着替えなんかにも
堂々と使えるわけだ。
 
早速、普段利用している駅の
誰でも用途問わずなトイレに入るべく
自動扉の開くのボタンを押した。
 
すると、あろうことか中に先客が
便座に跨っているではないか 
ビックリマーク
 
しかも女性だ !!
 
極めて体裁の悪い顔つきで
あ~っ 翔潤!!
 
という叫びでもなく気合でもなく
唸りでも嗚咽でもない
ややトーンの低めな感嘆した声が
発せられた。
 
同時においらも
ほぼ同じタイミングで
あちゃ~っ ビックリマーク
 
と同じく感嘆の声を発した。
 
こんな時ってのは
お互い
 
言葉にならない
 
発声しかできないもので
とにかくその予期せぬ
突発的場面から
いち早く脱却したいという気持ち
からのである。
 
おいらは
 
どうも 失礼しました ショボーン
 
と 丁重に謝り 
即座に閉まるのボタンを押し
その場から速やかに離れた。
 
座って居たのは
阿佐ヶ谷姉妹の片方に
感じの似た女性で
 
背筋をピンと伸ばし
顎を引いて
整然とした着座姿勢で
 
スマホを操作していた。
 
在室していた女性からも
そうだが
 
傍から見れば
まるで おいらが用足しを
のぞき見した風に
思われかねないシーンであった。

善良な一市民
(おいらは区民だが)
であるはずが
 
突如 覗き魔に変貌してしまった
という まさかの偶発的もらい事故
と言える。
 
相変わらず
損な役回りの人生だよな~…と
おいらは天空見上げてぼやいた。
 
し、しかしだ
その場を去りつつ おいらは
釈然としない
実にあと味悪い気持ちが
徐々に増幅してきた。
 
そして幾つかの疑問が
生じてきたのだ。
 
まず
 
使用中の
ランプが点いていなかった
 
鍵を掛けなかったのは何故か?
 
でも あの誰でもトイレというのは
システム上、
中から扉の閉めるボタンを
押さないと扉は開いたままなのだ。
 
それなのに
扉は閉まっていて
あの阿佐ヶ谷姉妹に似た女性は
何の疑いの様子もなく
用足しを開始していた…
 
というのが極めて腑におちない。
 
確かにおいらが入室前に
いちおうノックをして
使用者の有無を

予め確認する必要が
 
あったと言えなくもないのだが。
 
それでおいらも自分のスマホで
インターネット検索をすると
 
あのトイレってのは
中に人が居ても
何もしない状態が続けば
自然に扉が閉まる仕組みに
なっているらしい。
 
ってことはだ~
推測するに
 
阿佐ヶ谷姉妹の女性は
入室した際
 
持っていた荷物の中のスマホを
探すのに気を取られ
そのうち扉が自動的に閉まった…
 
という仮説をおいらは瞬時に
成り立てた。
 
多分 そうに違いない。
 
そして安心し切って
便座に跨り
寸暇を使いスマホの
操作を開始した。
 
そこで おいらとまさかの遭遇を
してしまった…
 
というシナリオだ。
 
そんなことを考えていたら
ふと、阿佐ヶ谷姉妹の女性の
 
身の安否が
 
気になりだした。
 
つまりだ~
おいらは謝罪し
扉を外から閉めたから
そのままだと
第2第3の思わぬチン事が
同時連発してしまうという
不安からだ。
あせる
 
よし、知らせてやろうと
おいらはその場から駅の方へ
急いで逆戻り 
ビックリマーク
 
すると阿佐ヶ谷姉妹の女性が
誰でもトイレから背筋を伸ばし
姿勢を正して出ていく後姿が
確認できた。
 
無事用を済ませることが
出来たのだとおいらは推測した。
 
やれやれ
これで一安心。
 
お次はおいらが
正々堂々
誰でもトイレに入り
鍵をしっかり閉めたのを確かめ
セーターを着用。
 
無事 帰宅とあいなったのである…
 
 
ご拝読いただき
ありがとうございました。m(_ _)m
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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