今回からは2回に分けて、タイ国鉄の寝台列車の様子を紹介します。
出発はタイ国鉄最大のターミナルであるフアランポーン(バンコク)駅からスタートです。
夕方ということで各地へ出発する夜行便が出ていくため、構内では多くの乗客が発車を待っていました。
ホームに入ると、元JR客車の姿も見られました。こちらの車両はこれから出発するわけではなく、ここで留置されているようです。
さて、これから乗車する列車は発車の20分以上前にホームに据え付けられていました。
フアランポーンからはチェンマイ行きの9列車を利用してチェンマイへ向かいます。
9列車はタイ国鉄では最優等の種別であるSpecial Expressとなっており、バンコクとチェンマイの間をおよそ11時間で結ぶ速達の夜行列車となります。
9列車は客車列車ですが、車両は最近導入されたばかりの中国製の新型車両を使用しています。
銀色のステンレス車体を輝かせ、行き先表示に白色LEDを採用した真新しい車両は客車スタイルの列車であることを忘れてしまいそうです。120km/hまでの高速走行にも対応した車両にもなっているようです。
9列車は一等寝台車と二等寝台車の2クラス制となっており、今回は二等寝台車に乗車しました。
二等寝台車は個室ではなく、乗車時には二人向かい合わせの座席が並んでいます。寝台へは後でチェンジする形になります。
チェンマイ行きの進行方向側の座席には読書灯とコンセントも完備されています。
荷物置き場ですが、座席の真下は空間となっており、こちらへスーツケース等が収納できます。
また、網棚もあり、リュック程度の荷物であればこちらも利用可能です。
またデッキにも大型荷物置き場が用意されていました。デッキにはトイレのほかに独立した洗面台も用意され、夜行列車で過ごした翌朝の洗面などには適した環境が整っています。
客室内数か所には液晶モニターが用意されており、こちらには広告表示だけでなく、各駅の発着時刻や列車の現在地を地図で表示する機能が備わっています。
列車はフアランポーン駅を18:10定刻に発車。チェンマイへ向けての旅がスタートです。
車内はほぼ満席の状態で、周囲は韓国人の旅行客が多く乗車されていました。2ヶ月前の予約時でもほとんどの座席が埋まっており、国内外の旅行者にこの列車は利用されているようです。
出発後に車掌さんが2名体制で検札にやってきました。今回はネット予約→クレジット決済であったため自宅でプリントした乗車券を提示するだけでよく、切符の受け取りなどなく列車に直接乗車しています。
18時過ぎの出発ということで時間が経つにつれて車窓はどんどん暗くなっていきます。
バンコク近郊でもドンムアンなどいくつかの駅に細かく停車し、これらの駅でも乗車がありました。
時間に余裕は必要ですが、ドンムアン空港からタイ入りしてチェンマイへ行く場合、ドンムアン駅からこの列車に乗ってしまうのも便利だと思います。
出発して約1時間後、車掌さんが再び各座席を回り寝台のセットを行います。
乗客はセットの間は座席から立ち上がる必要はありますが、セットは全て車掌さんがやってくれますので乗客自身で特に作業をする必要はありません。
セットされた寝台はこのような状態になります。通路側のカーテンを閉めると個室感覚となり、ほぼプライベート空間となります。一等車は完全な個室のようですが、二等車でも十分快適な夜を過ごせます。
寝台はこのように上下二段となっており、私は下段でしたが上段もあります。
上段は窓がなく、車窓などを楽しむことができませんが、下段よりも安い運賃で利用することができます。なお、上段寝台にも読書灯やコンセントの設置がありました。
寝台の毛布は洗濯済みの物が袋に入れられて提供されるためとても清潔です。
この列車には食堂車が連結されていますので、寝台セット後に訪問してみました。
食堂車はとても賑わっており、欧米人などが食事を楽しんでおられました。
販売商品はホットフードからお菓子、サンドウィッチ、ドリンクまで幅広く品揃えられています。
コーヒーなどは専用メーカーを使って提供されるためとても本格的です。
食堂車は満席近かったため、食事をテイクアウトして寝台で食べることにしました。
今回はチキンライスとタイ式ミルクティーを注文しました。チキンライスは電子レンジ調理でやや物足りなさもありますが、味については悪くなく、美味しくいただきました。ミルクティーは甘味が強いですが、こちらも美味しくいただきました。
食事を終えた頃、列車はロップブリー駅に到着。時間よりやや早く到着したようで、少しの時間調整の停車をして出発しました。
寝るには少し早い時間(21:00前後)ですが、寝台がセットされたこともあり、この時間になると車内は静まりかえっています。単線なのか途中で行き違い待ちの停車なども行い、列車はゆっくりと着実にチェンマイへ向けて進んでいきます。私も少し早いですが翌朝が早いことも考えて寝ることにしました。
翌朝の様子は後編にて紹介してきます。
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