「薬はしばらく やめてみましょう」
おとといでしたか、ひげもじゃのせんせいが言いました。
「様子を見て、おかしいと思えば来てください。
今の状態なら大丈夫でしょう」
「やれやれ」
ままさんが大きな息をつきました。
「張り切って暴れんことですよ。まぁとりあえず良かったですね」
大好きなお散歩には、今まで通り1日3回行きますが、玄関先や公園の階段は 抱っこしてもらいます。
何気に段差が多いので、ままさんは しょっちゅう抱っこしてくれます。
歩けなくなったら、座り込んで後ろ足で耳をかきます。
それが「もうギブです」のサインです。
少しずつ歩ける距離が伸びて来ました。
「張り切りません 走りません」
外はもちろん、お部屋でも ままさんの大きな声が響きます。
今朝は 早足で歩けました。
公園からの帰り道は、全速力で走ることが出来ました。
「走れましたね!」
ままさんが、抱っこしながら言いました。
「では少しずつ走りましょう。
500gほど重くなってますから」
どうやら壁の向こうには また壁があるようです。