【駒寄テケテケ日記】(9/12) 冷静と情熱の間 | でぶりんのブログ

でぶりんのブログ

ブログの説明を入力します。

久しぶりに高校入試問題を3年分見させられた。新課程だ。大学入試も統計が必須に変わってからもう後退しつつあるのに、高校入試はドラスティックだ。これは書くかなで学研に聞いたら、「家ではもう15年以上も作ってません」。思えば遠くへ来たもんだ。誰が?どこに?

 

 

数学学習5つの約束というのがわしの本にある。その第一がDo!やってみるだ。
演繹法と言うものがある。読めなくてもいい。習うのは高2だ。どこのえきだ?ぐらいでいい。え(ー)んだ。縁がない。ともかく普通の数学で思い出すのはこれだ。既知の定理を観察結果と結びつけ目の前の事実を証明する。真理から事実を証明。すっかりうんざりして数学嫌いになった人もいるだろう。私もそうだった。
でも真理から事実にいたるのは初学者の道か?自転車を乗れるようになるためには、運動法則の熟知が先か、試行錯誤と兄貴の叱咤激励のどちらが先か?両方であるべきだと思うが、算数は後者ばかりに、数学は前者ばかりに傾きがちだ。いつの間に思考に向きが誕生し、使い始めているのに知らされず、意識せず、対応せず迷ってしまう人が沢山。フーコー先生なら監獄の誕生でなく帰納の誕生というとこ。誕生したのに昨日?。法だけにね。
観察で簡単な事実に気づく。確かな一歩だ。一緒に喜びたい。みくりさんなら「可愛すぎるひろまささん」と心で叫ぶところだ。「Do!やってみる」には、事実の積み重ねから真理にいたる帰納法も大切にして欲しいという願いが込められている。
5以上の素数は6の倍数の前後にある
なんでだろう?という子は優秀だ。素数が何であるかが既に分かっているからだ。
でも素数に親しんでなくても、分からないなりに議論を始めて欲しい。
「素数って1とその数だけで割れる自然数なんだって」

「じゃあ1って素数?」
「1とその数1で割れるから素数じゃない?」
「どうなんだろう?」
可愛すぎるひろまささん。もう問1でいい。1は素数ですか?根拠を示して述べなさい。

素数と答えても良いじゃない。根拠を示せば。そこに議論の種があるねで。0点ではない。分かりやすい定義が生まれそうだね。
「じゃあ最初の素数は2?」
「次は3!」
「次は5」
「次は7」
「次は11」
「次は13」
「なるほど6の倍数の前後だね」
事実の積み重ねで真理に至る証明方法が帰納法。習う前に真理に至らなくても「事実の積み重ね」までは味わっておくべきだ。
教師はさらに議論を呼び起こす。問答法。ソクラテス。の定理だけでいいのか?
「2は素数なのに6の倍数の前後にないね」
「なんでだろう」
ここでなぜだか質問して欲しい。拙著を出した翌年のセンターに的中したがマークなので聞いてくれない。今年の埼玉県立高校で出題されているが10以上で2は除かれている。教育的配慮?それを出すのが新課程じゃないか?
「5以上じゃないから」が帰納的正解。演繹的正解なら特待生。いいじゃないかそれで。冷静と情熱の間を語って欲しい。時間と空間の間に生きる人間なのだから。スリルがあるよね。数学。
次は西高校の問題だ。旺文社には問題しか載ってない。

 

問2(2)に絶句する。でもHP(http://www.nishi-h.metro.tokyo.jp/menu09.html) の情報を見ると受験者平均点が58.2もある。合格者だけではない。不合格でもかなり行っている。配点8もあるのに。

解答欄を見れば分かりますね。分かるのは配点だけでない。旺文社は重要な情報を削ってしまっている。だからといって公的発表された数を印刷しただけでは読者にどんな利益があるのだろう。論理から始めて演繹するのは自己満足だ。こんな答案わかりますか?

 難しいというかとっつきにくいですよね。先ほどの5以上の素数が6の倍数の前後にあることも演繹法でやられてもなんだかなです。
 6の倍数を6nとおく。次に大きい6の倍数6n+6までには6nも含めて次の数がある。

6n      6n+1     6n+2      6n+3      6n+4      6n+5
6n,6n+2,6n+4は偶数で、6n,6n+3は3の倍数で素数の候補から排除される。

×6n   △6n+1 ×6n+2  ×6n+3  ×6n+4  △6n+5

したがって5以上の素数はあるとしたら6の倍数6n+6の前か6nの後にある。

 思考経路がそんなに膨大でないので何とかおえるが、帰納した方がはるかに楽だ。目の前の事実を積み重ねる。

「最小の素数は何だ?」

「2。だから4以上の偶数は素数の候補から消える。」

「奇数ばかりになるね。次に大きい素数は?」

「3なので6以上の3の倍数も素数の候補から消える。2の倍数であり3の倍数でもあるのは公倍数の6の倍数だね。」

「てことは素数の候補で残ったのは

 ×1,○2,○3, ×4,○5, ×6,○7, ×8, ×9, ×10,○11, ×12,○13,…

「5以上だと6の倍数の前後になるね」

「んだんだ。あたりまえじゃん」

 

センター数学I・A 満点のコツ (満点のコツシリーズ) センター数学I・A 満点のコツ (満点のコツシリーズ)

1,296円

Amazon

 

センター数学II・B 満点のコツ (満点のコツシリーズ) センター数学II・B 満点のコツ (満点のコツシリーズ)

1,296円

Amazon

 

看護医療技術系の数学 数Ⅰ・A頻出問題の完全攻略 改訂版 (大学/短期大学/専門学校受験) 看護医療技術系の数学 数Ⅰ・A頻出問題の完全攻略 改訂版 (大学/短期大学/専門学校受験)

1,512円

Amazon