年越(昭・30・1・1 土・晴)

生れてはじめての病院での年越である。除夜の鐘も例年のようにはいかず、10時頃眠につく。1954年は夢の中に終る。

 

明ければ昭和30年1月

元日、麗かな初日影、朝の仕事も終えて杉○看護婦の作った雑煮を食べ元旦を祝す。僅か2個の餅で満腹感を覚える。

家よりの料理を味う。過去2年前の元旦を思い出す。健康でトソを祝って学校に出かけたあの時のことを、思い出は目の前に浮び出て 懐かしさ一ぱいであった。

早く健康を取り戻し、1日も早く更生したい。一昨年、昨年と健康に恵まれなかったが、今年こそは自重して何とか快い生活に、そして家族一同と共に明るい光の中で暮したいものだ。

二女は卒業式だ。前途を祝福してやることが出来ないのが残念だ。昨日も今日も家の都合で連絡はない。

何となし淋しい感がする。背部がしめつけられるように圧迫するので呼吸が苦しい。目をつむって静かに眠っていると幾分よい様だ。天神橋の姉がわざわざ見舞いにきてくれたことを心から感謝する。

 

 


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