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★ 雪夜の情景 ★
しんしんと降る
しんしんと降る
音もなく 静寂に
しんしんと降り積もる
白い雪
窓ガラス一枚の
境界線
孤独な者
その眼が見詰める
雪の情景
そこに在る
冷たい温もり
雪と戯れ
雪と話し
雪の精と語り続ける
寂寥に満ちたこころ
ガラス一枚の
境界線
暖炉の薪が弾ける
パチパチと
炎が踊る
静かに流れる
スティーブン.シュラックス
向うに在る 静寂
ここに在る 夜想曲
ガラス一枚の
境界線が
冷たい温もりを与え
しんしんと降る
雪の夜
優しく 過ぎて行く
By.星原女瑪(2014.1.19)2016.12.02.
(注意・詩や文章の転載を禁ずる.)
最近は再掲が殆どになり、大変に恐縮しております。
今回は、【雪夜の情景】を再掲しました。
この作品は、2014年の冬に出来上がったものです。
再び読む事になる皆さん、ご容赦ください。
By.星原女瑪.2016.12.2.
【 お知らせ 】
短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。
続きを読んで頂けましたら、幸いです...🙇.
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短編小説
ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。
拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。
★ 心ゆくまで ★
其の二(4)
百合の香りが線香臭さで台無しになり、
沙織はそれを嘆いた。
『お母さん、今は警察の死体安置所にいるが、
明日は通夜で明後日は朝から焼き場に行くのだから、
今夜は早寝をした方がいいよ』
『康郎さん、それは分かっているけれど…。
沙織がこんな殺風景な部屋に独りぼっちで寝かされているのは、
忍びないのよ』
『お母さんの気持ちは痛いほど分かるよ。
しかし沙織は死んで、
旦那は殺人の嫌疑まで掛けられたんだ。
割り切りも大事だよ』
康郎の言葉の後で、暫く沈黙が続いた。
続く】2016.11.17 .By星原女瑪.
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其の二 (3)
時計が6時を回る頃、
兄の康郎が母親を伴って入って来た。
母の竹は、白髪を結い上げ黒地の紬を着ていた。
兄の康郎はダークグレーのスーツ姿だった。
『沙織さん、どうして...』
竹は一言口にしたきり、泣き崩れた。
兄の康郎が慌て支えたが、
竹はしゃがみ込んで泣き続けた。
ベッドの上には老いた母の両手が有り、
沙織は咄嗟に手を重ねた。
母親の悲しむ姿は、沙織の胸に堪えた。
『沙織も親不孝をしたものだ』
兄の康郎は気落ちした声で言った後で、
焼香をしている様だった。
少しして竹は漸く立ち上がると、
沙織の頬を撫でなでた。
『ゆっくり眠るのよ』
耳元で囁くと、焼香台へ向かった。
By.星原女瑪.2016.11.06.
【お詫び・字が大きくなりません...🙇.読み難い事をご容赦下さい】
続く】
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其の二(2)
それから半時も傍にいた有希子は、
沙織の髪を撫でながら、
『沙織ちゃん、また明日ね』
軟かな声を掛けて、帰って行った。
有希子が帰って一人になると、
沙織は天井に向かって深い嘆息を漏らした。
『いったい私の身の上に何が起きているのかしら。
何でも見えて聞こえて、声も出る。
香りまで感じるのに…。
本当に私は死んじゃったのかしら…』
沙織は疑念を振り払えぬ侭、天井を見ていた。
2016.10.26.By.星原女瑪
続く】
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其の二(1)
自殺、そうだった。
夕べは確かに、
沢山の睡眠薬をブランデーで飲んだのだった。
沙織の脳裏に、昨夜の記憶が蘇った。
私は、あの睡眠薬で死んだのかしら…。
しかし沙織には、その事実が実感出来なかった。
『有希子姉さん、私は死んだの』
問い掛けてみたが、
有希子は悲し気な面持ちで、
沙織を見詰めているだけだった。
『輝起さんも酷いわね。この時間に、未だ来ないんですもの』
有希子は憮然とした顔つきで呟くと、
全く、病院も警察も大変だったのに』
再び呟いた。
沙織は済まない気がして、
『詰まらない手数を掛けてしまって、ごめんなさいね』
そう謝った。
すると、
『朝の10時に警察から電話が入って、
心臓が止まるかと思ったわ。
それにしても、貴方が不憫で仕様がないのよ』
有希子は言ったきり、また泪し始めた。
沙織は、自分が生きている様な気がして堪らなかった。
『有希子姉さん、もう一度だけ病院へ連れて行ってくれる』
思わず大きな声で訴えてみた。
だが、その声は届かなかったらしく、
有希子は泣き続けた。
By.星原女瑪.2016.10.18.
続く】2016.10.18.
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