早発卵巣機能不全
( Premature Ovarian Failure または Premature Ovarian Insufficiency) とは、
一般に40歳未満で無月経となる疾患です。
早発閉経ともいわれます。
30歳未満の女性の0.1%、40歳未満の女性の1%にみられ、
無月経の原因の約10%をしめます。
POFは卵巣内の卵胞が枯渇してしまった場合と、
卵巣内に正常な卵胞が存在する場合に分類されますが、
ほとんどの場合は卵胞の枯渇によるものです。
卵子は胎児期に卵巣でつくられますが、その後新たにつくられることはありません。
POFは何らかの原因で卵子が急激に減少してしまったり、
もともと胎児期の原始卵胞数が少ない場合があるようです。
原始卵胞の急激な減少の原因は様々です。
例えば、XモノソミーなどのX染色体異常によるもの、
アジソン病、橋本病などの自己免疫疾患によるもの、
ダイオキシン等の環境汚染によるもの、
医療行為としての放射線、抗がん剤によるもの、
生殖年齢における子宮内膜症性嚢胞などのため、
卵巣嚢腫切除などの手術を原因とするものもあります。
このように様々な原因はありますが、
実は大部分のPOFは原因不明でよく分かっていません
POFの症状としては月経不順や無月経が代表的な症状とされます。
ほてり、のぼせ、動悸などの更年期症状が出現することもあります。
ゴナドトロピンに反応する卵子が枯渇しているので、
卵巣からのエストラジオールの分泌が低下して、
この結果高ゴナドトロピン血症となるのです。
POFの診断としては、以下の4つに当てはまる場合とされていますが、
明確な診断基準はありません。
1)40歳未満の3ヵ月以上の連続した無月経
2)脳にある下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)
の血中濃度が30mIU/ml以上
3)卵巣から分泌されるエストラジオールが10~30pg/mlと低値である
4)AMHが0.1ng/ml 未満である
そもそも卵子の枯渇が原因なので、効果のある治療は存在しませんが、
一般的には女性ホルモン剤を長期間内服(カウフマン療法)したり、
FSHの分泌を抑制するGnRHアゴニストを使用して、
FSH値を正常化した後に排卵誘発剤を使用して排卵させるなどの治療方法があります。
最近では卵巣を摘出し、卵子を活性化後に卵巣を移植し、体外受精を行う方法、
原始卵胞体外活性化法(IVA:in vitro activation)を試みている施設もあります。
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