2016年8月25日木曜日

とと姉ちゃん(124)商品試験の記事のせいで生活を破壊された現場を見た常子は…

常子(高畑充希)「あらららら!」 
美子(杉咲花)「あれよあれ、ゆくゆくはしようって話よ
あの…大昭さんが一人前のコックさんになったらって」 
常子「いずれにせよよかったじゃない、おめでとう」 
美子「ありがとう、でも…いろいろ考えちゃって」 
常子「えっ、結婚するか迷ってるの?」 
美子「ううん、そうじゃないの…とと姉ちゃんの事」 
「…?」と美子の顔をのぞき込む常子 

タイトル、主題歌イン 

美子「…近い将来、私も 家を出るのかと思うと心苦しいというか…」
常子「どうして?」
美子「だって普通だったらとと姉ちゃんの方が先でしょ?
それに私が結婚して家を出たら
かかの事とと姉ちゃんに任せる事になっちゃう」
常子「そんなふうに思わないで…
よっちゃんが好きな人との結婚を望むなら私はそうしてほしいし
かかだってきっとそう言うと思うわ」
美子「私はね…とと姉ちゃんにも幸せになってほしいの
いつかいい人が現れたらなって思ってた」
常子「フフッ、いいのよ私の事は」
首を傾げる美子「どうしてそうやって頼ってくれないの?
とと姉ちゃんはいつも本音をぶつけてくれてない気がする
どこか自分の気持ちを隠してみんなに心配かけないように」
常子「そんな事ないわ」
美子「じゃあとと姉ちゃん今どう思ってるの?
星野さんの事は?結婚は本当にしないつもり?」
常子「星野さんは昔の友達よ
ほら、同窓会の時に久方ぶりに同窓生の方にお会いしたら
話が盛り上がるじゃない?」
美子「ちゃかさないで」
常子「…よっちゃんね、さっき私に幸せになってほしいって言ってくれたけど
私もう十分に幸せよ
鞠ちゃんは自分の望む人のところにお嫁に行ってそれを見届けられた
よっちゃんだって」
美子「それは…」
常子「それだけじゃないの
私にとっては会社と社員が子どもで
その成長を見ていられる事が本当に幸せなの」
なんだか納得できない様子の美子
常子「まあ…いい方がいれば恋はしてみたいなっていう気持ちもあるわよ」
美子「でしょ?だったら…」
常子「でも星野さんは奥様の事を愛していらっしゃるし
今は大樹君と青葉ちゃんの事が一番なの…
私はただ子どもたちがもうかわいくてなんとか星野さんの力になりたいだけ」
美子「…分かった」
うなずき合う姉妹
常子「あれね…弱音吐くのが苦手なのね、心配かけまいとしちゃって」
美子「そう…そう…そういうところあるでしょう?
それをもっとぶつけてほしいの…弱音吐いちゃってよ」
常子「フフフ…(ちょっとおどけて)分かった、やってみます」
真顔で「うん」とうなずいた美子が笑顔になる
笑い合う2人

<あなたの暮し最新号(37号)が発売されるやいなや
トースター試験の記事は大反響を巻き起こしました>

読者からの便りを読んでいる常子たち
松永「雑誌を参考にトースター買った人多いですね」
緑(悠木千帆)「ねえ、電気屋にそういうお客さんが
いっぱいいたって書いてある」

<編集部には多くの問い合わせや感謝の手紙、電話が寄せられました>

受話器を置いた水田(伊藤淳史)「またまた追加注文ですよ」
常子「すぐに増刷かけましょう!」
(一同)「はい!」
寿美子(趣里)「すごい勢いですね
売り上げ記録更新できるんじゃないですか?」
美子「そうなったらいいけど…」
水田「ついに『主婦の時間』を抜くかもしれませんよ」
常子「本当ですか?」

編集長室
水田「現在、商品試験が進行中なのが電球と安全カミソリですね」
常子「電球はもう終盤ですので記事にする作業に移行してもいいと思います」
花山(唐沢寿明)「ではそろそろ電気アイロンの試験を始めようか」
水田「アイロンですか?」
花山「現在一般家庭への普及率は50%だそうだ
これからもっと広まっていく事を考えると
購入基準を明確に示してほしいと思っている読者は多いと思う」
と、編集室の方で騒がしい声が聞こえ急ぎ向かう常子たち
「何の恨みがあってこんな事をするんだよ!」
見ると編集部員たちに囲まれた男が「責任者を出せ!」と喚いている
花山「責任者は私ですが」
常子「花山さん」
男(螢雪次朗)「あんたが社長か?」
「いえ私が…」と前に出ようとする常子の腕をつかんで引っ張る花山
「失礼ですがどちら様でしょう?」
男・ちとせ製作所社長田中「ちとせ製作所のもんだ
(雑誌を見せつけて)あんたらがこの雑誌でさんざんけなした
粗悪なトースターとやらを作ってる会社だよ
あんたらのおかげで売り上げガタ落ちだ
責任取れよ責任を!」(と雑誌を床に叩きつける)
急いでそれを拾い上げる常子(動揺した表情)
田中「うちみたいな小さな会社にあんな記事書くなんて
随分卑劣なまねをしてくれんじゃねえか
好き勝手でたらめ書きやがってよ!」
花山「でたらめとは聞き捨てならんな
我々は公平公正な立場で試験しそれを偽りなく発表している」
田中「広平公正だぁ?
チューブや広海みたいな大手と並べられてどこが公正なんだよ!
うちはな、大手みたいな開発費用はかけられねえけども
その分誠心誠意やって安い値段の商品で勝負してんだよ
安い部品でコストを落とすしかねえだろ」
花山「予算がいくらだか知らんが
低予算だから粗悪品でもしかたないという道理がどこにある?
商品が売りに出れば大手の品もそうでない品も
横並びで同じように売られるんだ
消費者をなめるのもいい加減にしろ!」
田中(花山を睨みつけ)「何だと?」
花山「我々は発表した内容に関して責任を持つ覚悟がある
文句を言う前にあなたこそ自分の作ったものに責任を持ったらどうなんだ!」
花山につかみかかる田中「てめえこの…!」
編集部員たちが田中を引きはがし押さえつける
田中「離せ!………(少し落ち着いて)離せよ…(解放される)
電化製品の素人に何が分かる…偉そうに…本屋がほざくな!
お前ら覚えとけよ!…どけ!」(と帰っていく)
(一同)「…」
花山「ほら終わったぞ(手を叩き)それぞれ仕事に戻りなさい」
常子「大丈夫ですか?この先何か…」
花山「放っておきなさい、あんなの口だけに決まってる」
机に向かった常子がバッグを手に取る
美子「ちょっとどこ行くの?」
常子「ちとせ製作所に行って話してくる
このままだと何するか分からないわ」
美子「ちょっと!」
常子の事を心配しているような花山

やや思い足取りでちとせ製作所の前に立つ常子
と、事務所から電話で話す田中の声が聞こえてくる
「全部?そんな殺生な…ちょ…ちょっと待って下さいよ(常子が事務所を覗く)
そうじゃなくても今方々から返品の連絡があって参ってんです
しかし今お宅に見捨てられたらうちはもう畳むしかなくなっちまいますよ
どうかお願いします!ねっ?戦前からの古いつきあいじゃないで…」
電話が切られたようで田中が受話器を耳から離す
声をかける事ができずにただそれを見ている常子
気落ちした様子の田中が椅子に腰かける
田中の妻「あなた…」
田中「あ…心配すんな、直接頭下げて頼み込めば分かってもらえんだろう」
妻「はぁ…もうどうしてこんな事に…」
後ずさりした常子が足早にその場を離れる

編集部に戻る常子「ただいま」
一同の「お帰りなさい」の声の中に康恵の…
常子「あ…康恵さん」
康恵(佐藤仁美)「久しぶりに手伝いに来たよ
聞いたよ…今日大変だったんだって?
そんな言いがかりに負けんじゃないよ」
常子「ありがとうございます」
作業に戻る康恵「でもカミソリってのは日本のは全然駄目だね
すぅぐ刃が欠けちまう…」
資料棚からちとせ製作所の試験表を取り出した常子が席に着き
それを改めて確認していると編集長室から花山が出てくる
資料に目を落とす常子を見つめている花山

終業時刻で皆が帰っていく中、腕時計を見る常子
美子「そっか、今日木曜日か」
常子「うん、かかには今朝伝えてきたから」
美子「もう…なんて顔してるの、せっかく青葉ちゃんたちに会うのに」
常子「うん…気を付けます…じゃあお先にね」

晴れない顔で夜道を歩く常子
星野家の玄関から人声が聞こえてくる
なみ「じゃあまた明日」
大樹と青葉「さようなら」
ドアを閉めたなみに挨拶する常子
なみ「ああ…あなた」
常子「はい、あの…私以前こちらでお会いした事がある…」
なみ「ええ、ええ、すみません
私が遅くまでいられないせいでご迷惑かけて」
常子「いえ、あの…私自身来たくて来ているので」
なみ「そうおっしゃって頂けると気が楽です
大樹君も青葉ちゃんも小橋さんがいらっしゃるの楽しみに待ってますよ
早く行ってあげて下さい」
常子「はい」
なみ「失礼します」
常子「失礼します」
玄関のドアの前に立った常子が少し笑ってみる
そして小さくうなずいてブザーを押す
ドアを開けて笑顔で出てくる子供たち
青葉が「おばちゃま!」と常子に抱きつく
常子「お待たせ~」
大樹「こんばんは」
常子「こんばんは」
常子に画用紙を見せる青葉「ねえ、またおばちゃまを描いたの」
常子「あ~本当だ、上手だね」
青葉「ここがスカートでドレスなんだけど…」
絵を覗く大樹「ねえおばちゃん、これお髭なんだよ」
青葉「お髭じゃない!」
大樹「ほらお髭だよ、ほら!」
青葉「お髭じゃない!」
他愛なく言い争う兄妹の相手をしている笑顔の常子

(つづく)

美子と南の件は結局、プロポーズというよりは
将来を誓い合った…というところだろうか?
美子がなにか悩んでいるふうだったのは常子が原因とのこと
常子だけに全てを背負わせるのは申し訳ないと考えたようだ
そして常子にも幸せになってほしいと…
星野との事も常子にかなり突っ込んで聞いていたけど
常子は15年前の星野からのプロポーズの事は話さなかったね
自分たちのために常子が犠牲になったと美子が考えないようにだろうか?

田中が怒鳴り込んできた件で常子を庇ったり
動揺している常子を心配そうに見つめていたりと
花山から常子への愛のようなものが感じられた
花山と常子は戦友のような関係だと思うのだが
それでも常子は女の子だから花山から見れば守るべき存在なのかな

花山が田中に言った事は正論だけど常子は優しいから
自分たちの行いで誰かの生活が破壊された事がショックだったんだね
記事を出す前に想像はできたはずだけれどそれでも実際に見てしまうと…
ちとせ製作所からフェードアウトするように逃げていく高畑の演技はよかった
あの凍り付いた表情と足早に去っていく背中がいい感じ

今回、康恵が登場した意味が分からなかった
スタジオパークにでも出演するのかと思ったがそうでもないようだ
「そんな言いがかりに負けんじゃないよ」と常子を励ましてくれたが…

なみの登場もはっきりとは意味が分からない
ただ、常子が星野家の玄関で笑顔を作るシーンは今回のキモなので
その前になみの「大樹君も青葉ちゃんも小橋さんがいらっしゃるの
楽しみに待ってますよ早く行ってあげて下さい」があった方が(効果的で)
よかったという事なのかな?

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