2016年9月23日金曜日

とと姉ちゃん(149)活気溢れる編集部を見たたまきは常子に…

2階へ移動する一同 
島倉「花山さん!花山さん!」 
花山(唐沢寿明)「何だ騒々しい」 
木立「これ事件です、これを見て下さい」(と試験資料を見せる) 
島倉「一回に出るスチーム量なんですがアメリカ製の9ccに対して
トーチクは10ccです」 
木立「スチームの広がり具合でも澄浦のアイロンが一番でした!」 
扇田「スチームが安定して出るまでの時間はアメリカ製は2分35秒
ハルデンは温度は低いですが2分20秒でした!」 
花山「ほう…とうとうこんな日がやって来たか!」 
常子(高畑充希)「アメリカ製を…」 
美子(杉咲花)「信じられませんね」 
たまきに説明する水田(伊藤淳史)「スチームアイロンの試験で
日本の製品がアメリカ製を上回る結果を出したらしい」 
驚くたまき(吉本実優) 
水田「メードインジャパンは安かろう悪かろうと言われて
アメリカのまねをするだけで性能が追いついていないというのが
日本製品のお定まりだったんだけど…
そうか…ついにこの日がね…」 
たまきも感慨深げに微笑む 
花山「日本人の職人気質が改良に改良を重ねさせ
品質向上につながったんだろう
日本のメーカーが力をつけた証拠だな」 
常子「こういう瞬間に立ち会えると
長年商品試験に関わってきてよかったと心から思います」 
花山「ただし調べる項目はまだ山ほどある
メイドインジャパンの製品が真に世界に誇れるものなのか
徹底的に調べ発表していこう!」 
(一同)「はい!」 
寿美子(趣里)「これから繊維別のメモリ温度の試験を開始します」
「じゃあ私たちはスチーム量のデータを原稿にまとめます」
花山「それぞれ作業に入ってくれ」(と手をたたく) 
(一同)「はい!」
活気溢れる編集部を見て顔がほころぶたまき

タイトル、主題歌イン 

夜、たまきが部屋をノックする「たまきです」
机に向かい椅子に座っている常子が振り向く「どうぞ」
ドアを開けるたまき「ちょっとよろしいでしょうか」
常子「よろしくてよ、フフフ」
部屋に入ったたまきが常子の横に立つ
常子「何か相談?」
うなずくたまき「私…おばさんの会社で働きたい」
少し驚く常子「でもあなた卒業したら銀行にお勤めしたいって…」
たまき「本当は今までも何度か考えてたんです
だけど縁故入社だと思われるのが嫌で…
でも今日久しぶりに会社にお邪魔して思いが固まりました
私は世の中の役に立つ仕事がしたいです
あなたの暮しがずっと掲げている『暮しを豊かにするお手伝い』
というモットーもとてもいいなと思いますし
この前もテレビで広海の社長さんが話してました
あなたの暮しの商品試験がなければ
日本の電気製品は進歩しなかっただろうって」
少し嬉しそうに顔をしかめて笑う常子「大げさよ」
たまき「影響は僅かかもしれませんが
私も商品試験が粗悪な商品を淘汰し
進歩する手助けをしたのは間違いないと思います」
常子「ありがとう」
たまき「それに多くの女性が働くあなたの暮し出版には
女性の夢がたくさん詰まってる気がします
そんな場所で私も自分の力を試したいです」
常子「……分かったわ…そこまで言うならやってみなさい(と微笑み)
ただし(と立ち上がり)審査は公正に行いますよ」
笑顔でうなずくたまき「はい」
常子「フフフ」

台所で牛乳瓶の蓋を開けた鞠子(相楽樹)がたまきを見つめる
たまきは居間の長卓で履歴書を書いている(…編集員を希望)
風呂上りの水田が廊下からガラス越しにたまきを見る
台所に向かう水田「まさかたまきがうちに入りたいなんて…」
鞠子「世の中の役に立つ仕事がしたいって言ったそうよ」
水田「そんな目標を?まだまだ子どもだと思ってたけど…」
鞠子「ねえ…でもあの子なら花山さんに怒鳴られてもくじけないでしょうね」
水田「おいおい、まだ入社が決まった訳じゃないんだから…
もしかしたら僕の娘って分かったら落とされちゃうかもしれない
あっ…それに…もしたまきが合格したら僕がクビになっちゃうかも…」
あきれる鞠子「(もう…)正平さん黙って飲んで!」

履歴書を確認しながら廊下を歩くたまき

<両親の心配をよそにたまきは1次選考2次選考を無事通過し
最終試験を迎えました
しかしあなたの暮し出版の最終試験は一風変わったものでした>

最終試験会場に集められた18人の受験者たち
その中で唯一スーツ姿の青年が
隣に座る柄シャツのメガネをかけた男に尋ねる
「なしてそだ格好してんだ?」
メガネ「ここの編集長はスーツ嫌いで有名だろ」
その隣の女「そんな事も知らないの?」
さらに隣の女「ちょっと静かにして」
その横に座るやや緊張した表情のたまき
ドアが開き入ってきた花山が受験者たちの前に立つ
「諸君、本日はご苦労
やっと最終試験になった訳だが入社試験というのは甚だ憂鬱なものだね
こちら側は果たして人を判断する事ができるのかという
気持ちを持ちながらそれ以外に方法がないから
気を引き締め採点や面接をしなければならない
君たちはわざわざ試験を受けるのに落とされる
どちらにとってもあまり愉快なものではないよな
だから早く終わらせてしまいたいのはやまやまだが
手順というものがあるので問題は後で出す」
(受験者たち)「…?」
花山「まずは1階に移動してもらおう」

受験者たちが1階に移動すると部屋の中央に寄せられた台の上には
様々な食材が並びコンロに中華鍋といった調理器具もある
美子「皆さん荷物は棚に置いて下さい」
(受験者)「何か私たちが作るのかしら」
(スーツ)「まずは腹ごしらえですかね」
(受験者)「出版社の試験だろ?」
常子が調理服姿の男を伴い現れ受験者たちの前に立つ
「では今から調理を始めます、よく見ていて下さいね
メモや質問は自由です(調理人に)ではお願い致します」
(ドラの音が鳴る演出w)
調理人(陳健一)「え~私銀座で中華料理やってる楊といいます
こちらの材料で青椒肉絲作ります」
受験者たちが首を傾げる(たまきは不安そうな表情)
花山が彼らを見つめている
楊「はい、まずねこの肉切りますね
肉はですね繊維ね今日絲でしょ、薄切りにしていきます(と肉を切る)
繊維に沿って切るね(たまきを含む何人かがメモをとっている)
後で火通した時ちぎれない、きれいね
次タケノコ切ります、同じ幅にこれ切りますね
(タケノコに続きピーマンを切っている)繊維を断ち切るようにこれは切る
(油がいっぱいの鍋に肉を入れ)すぐタケノコも入れる
ピーマンはね火通り早いね、最後、ピーマン色きれいね
(調理の様子を見ながらメモを続けるたまき)
油通しこれで完了、はいきれいにね
ネギ炒める、香りねネギいい香りします(と鍋をあおる)
(炒めた料理を皿に盛り)はいこれでね青椒肉絲出来上がりました
私ね帰ります、再見(ツァイチェン)」(と手を振り退室していく)
常子「ありがといございました」
(ドラの音)
受験者の前に立つ常子「はい、ここまで…
では皆さん今見た青椒肉絲の作り方を伝える記事を書いて下さい」
受験者たちがざわめく
美子「解答用紙をお配りします」
(受験者)「記事?」
(受験者)「だったら最初にちゃんと観察するよう教えてくれても…」
常子「メモや質問は自由…よく見るように…と言いましたよね」
(受験者)「…はい」
水田が布をはらい時計を模した大きな表示板を見せ
「制限時間は20分です」
(受験者)「20分?」
手を挙げるたまき「あの…」
常子「はい」
たまき「答案はどこで書けばいいのでしょうか」
常子「ここです、皆さんそれぞれ工夫してお書き下さい」
水田「それでは始め!」
(受験者)「工夫ったって…」
と、突然膝をつき床の上で答案を書き始めるたまき
他の受験者もたまきに倣う(一部は小さな台の上などで書いている)
すると花山がプレイヤーのレコードに針を落とし
大音量で「運命」をかける♬「ジャジャジャジャーン」
(受験者)「何ですかこれ?集中できないのでやめてもらえませんか?」
(スーツ)「あの…集中できないんで止めてもらえませんか?」
花山が音を止め「記者たるものどんなにやかましい場所でも
原稿を書かねばならんのだよ!そしてこんな時もある」
と今度はラジカセで工事現場の「ガガガガガッ」という音を大音量で流す
追い込まれながらも懸命に答案に記入するたまきたち受験者
見守る水田や常子
大盤の時計が20分の経過を告げる
水田「はい、時間です」
美子「では答案用紙を回収します」
花山が拍手をし、受験者たちも拍手をする
花山「次が最後の問題だ」
(受験者)「まだあるんですか?」
花山「いいかい?この試験の前に別の部屋で私が君たちに言った事を
原稿用紙1枚にまとめなさい」
ざわめく受験者たち
(受験者)「それって『本日はご苦労…』ってやつですか?」
花山「そうだ、記者たるものいかなる時でも
人の話をぼやぼや聞いていてはいけない
目だけでなく耳による観察力も備えていなければ記者は務まらんぞ!」
水田「それでは始め!」
また床に座り込み書き始めるたまきたち受験者
常子たちが見守る中懸命に答案を書くたまき

(つづく)

常子がたまきに「審査は公正に行いますよ」と言って笑い合うシーンが
なんだか気持ち悪かったw(腹の探り合いみたいで)
公正になんかできる訳ないしその必要もないと思う
一般企業の縁故入社は自由だと思うし縁故で入ったからこそ
へたな事はできないから会社側も安心して雇えるだろう
ただし税金で運営されている公務員の世界では縁故はよくないと思う…

最終試験はいかにもありそうな感じw
確かにあれをやれば受験者の能力を見極められそう
けど花山のレコードとラジカセはやり過ぎだと思う(ドラマだからいいけど)

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