いよいよ最終章!私の連続3周野宿の旅のハチャメチャ珍道中を連載中!

目次:【序章】&【第1章】&【第2章】 & 目次:【第3章】&【最終章】

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■最終章:終わりなき遍路■人生の遍路道はまだ続く

                   3.  遍路旅の結末へ向かって

 

遍路後DAY18-2

 

何故かしゅんちゃんの顔を見るとホッとしたし、折角結願したのに可哀想だと思い、直ぐに機嫌を直す。

私は、また運転してしゅんちゃんの家まで行き、戸田君も一旦、しゅんちゃんのお父さんとお母さんに挨拶をすると、「行かなきゃいけない」と言って、出て行った。

私は、しゅんちゃんのお父さんとお母さんに挨拶をして、一緒に晩御飯を頂き、しゅんちゃんの部屋で楽しく話していると、可愛いガウンを着て、大きな眼鏡をかけた、まるで漫画から飛び出して来たかのような可愛らしいお父さんが、何度もしゅんちゃんの部屋のドアを開ける。

ガウンの前ポケットに両手をちょこんと突っ込んでドアの所に立って話しかけるお父さんの姿は、それこそ漫画から飛び出してきたような可愛らしさだ。

 

ガラッ。

 

お父さん「Noisy、しゅんちゃんの子供の頃の写真見せて貰った?」

私「いや、見せて貰ってないです。」

お父さん「しゅんちゃん、見せてあげないと。」

しゅんちゃん「もー!パパ!いいから!あっちへ行ってて!」

 

すると、お父さんは、ドアを閉め立ち去るのだが、また戻って来る。

 

ガラッ。

 

お父さん「Noisy、これがしゅんちゃんの写真だよ!」

しゅんちゃん「もー!パパ!いいから!」

 

しゅんちゃんは、何度もやって来るお父さんに不貞腐れているようなのだが、私は、可愛らしいお父さんだと思った。

結局、何度も何度もやって来たお父さんは、とうとう部屋の中へ入って来て、私の手を握り必死に話しかける。

 

お父さん「Noisy!パパは、Noisyなら大丈夫だと確信したんだよ!」

私「え?何をですか?」

お父さん「しゅんちゃんとNoisyでここのお店を切り盛りしてくれたら、絶対大丈夫だって!」

 

しゅんちゃんの声が一段と高くなってしまった。

 

しゅんちゃん「ちょっとーーー!パパーーー!何言ってるの!Noisyは、友達なんだから、そんな事言ったら迷惑だよ!あっちへ行って!」

お父さん「でも、パパは、Noisyなら最高だなって一瞬で気に入ったんだよー!」

 

それでもお父さんは諦めないで更に私にすがるようにお願いをしてくる。

 

お父さん「ね。Noisy!お願いだよ!パパは、これで安心できるから!Noisyなら絶対にいいって思ったんだよ!」

 

しゅんちゃんは、立ち上がって、とうとうお父さんを力ずくで部屋から出してしまった。

 

しゅんちゃん「もおおおーーー!!パパーーーーー!何やってるのーー!何てこと言ってるのーー!止めてーー!」

 

しゅんちゃんのお父さんは、余程私を気に入ってくれたようだ。

 

しゅんちゃん「Noisy、ごめんね。気にしないで。」

私「ははは!可愛いパパだね。」

 

私が、お風呂へ行こうと1階へ降りると、待っていましたと言わんばかりにしゅんちゃんのお父さんがやって来た。

 

お父さん「Noisy―――!頼むよーーー!しゅんちゃんを頼むよーーー!」

 

すると、しゅんちゃんとお母さんが力尽くでお父さんを押さえて止めている。

 

「パパ!止めて!」

 

しゅんちゃんがお父さんを押さえながら私に振り返って叫ぶ。

 

しゅんちゃん「Noisy!早く!」

 

私は、素早くお風呂へと移動した。

しゅんちゃんのお父さんは、余程しゅんちゃんの事を思っているのだと感じる。

そして、私を気に入ってくれたことも嬉しい。

ただ、しゅんちゃんは、止めてほしいとあの瞬間は思ったのかもしれないけど、私にとっては、強烈に印象に残っているいい思い出となる。

 

遍路後DAY19

 

しゅんちゃんのお父さんとお母さんに別れを告げ、しゅんちゃんと外へ出る。

 

私「じゃあ、行くね!」

しゅんちゃん「うん。Noisy楽しかったよ!また年明けに広島へ行くから!」

私「うん!待ってるよ!」

しゅんちゃん「それじゃあ、戸田さんによろしく!」

私「はあ・・・。これから、戸田君と二人きりかあ・・・。怖いんですけど・・・。しゅんちゃんも一緒に居ればなあ・・・。」

 

それでもしゅんちゃんは、いまだに戸田君と私の方が仲がいいと勘違いをしている。

 

しゅんちゃん「僕も戸田さんとNoisyみたいになりたいんだけど・・・。」

私「ははは!それは、しゅんちゃんの勘違いだし、戸田君と私みたいになったら、仲が悪くなるってことだよ?」

しゅんちゃん「いや。仲良しです!」

私「もー!しゅんちゃんの方が仲良しだから!とりあえず、戸田のやろうによろしく伝えておくね!」

しゅんちゃん「ははは!それじゃあ、Noisy、気を付けてね!」

私「うん!」

 

私は、しゅんちゃんの家を出発して、マントラへ行き、お遍路中のお礼にと手土産を持参していたので、それを持って行く。

マントラで、奥さんや社長さん、ゴンちゃん、とんちゃんとも遍路ではない私と遍路時代を懐かしむかのように色々話をする。

戸田君も、もうマントラに到着していたので、特にすることもない私達は、戸田君が海岸寺へ行こうと言い出した。

 

戸田君「のお。海岸寺へ行かんか?」

私「海岸寺へ行くのは、いいんだけど、戸田君と私の二人?」

戸田君「他に誰がおるんや?」

 

私は、これまで勝さんやしゅんちゃん、その他の人達も必ずいたので、二人きりかと思うと極度の緊張をしてきた。いや、これまでの募った思いが込み上げて来て、もう抑えられないと言った方が正しいかもしれない。

 

私「いいけど・・・。」

戸田君「いいけど、どしたんや?」

私「戸田君と二人って・・・あ~あ。しゅんちゃんとか来ないかな~!」

戸田君「まあ、ええけえ、行こうやあ!」

 

私の運転する車に乗って、海岸寺奥の院の通夜堂へと行った。

ここへ戸田君と来るのは初めてだ。

眺めのいい通夜堂で、戸田君は喜んでいるようなのだが、私は、緊張しかしていなかった。戸田君はベンチに腰を掛けていたのだが、緊張で身体が固まってしまった私は、突っ立ったままだ。

すると、その様子に気が付いた戸田君が声をかけてくれる。

 

戸田君「おい。どしたんや?なんか、様子がおかしいで?」

私「うーんんん・・・・。」

戸田君「なんかあるんか?」

私「うーんんん・・・・。」

 

私は、段々、言いたいことを我慢していると体が震えて来た。

 

戸田君「ほんまに、どしたんや?震えとるで?なんかあるんなら、言うてみいや。聞いちゃるけえ!」

私「うーんんん・・・・。」

 

わかっている。

戸田君は、良い人なのだ。だから、私がここで何もかもぶちまけたとしても、それを聞いてくれるだけの器を持っていることも。

 

戸田君「言わんにゃあ、わからんで?」

私「うーん・・・。でも、言っても、戸田君にとっては、面白くない話だから言わない・・・。」

戸田君「ええよ。面白うない話でも。言いたいことがあるんなら、言わんにゃあ、身体に悪いで?」

 

私は、戸田君は人生で会った、10人の中に入るほどのいい人間だと察した上で、私がぶちまけてもちゃんと受け止めるだろうと思い、人生で初めての大告白する事を決心する。

意を決して言葉を発しようとすると、身体が余計に震えて来て、これまでの思いが身体全身から胸に込み上げ、涙になった。私は、涙を流しながら、大きく真っすぐな声で戸田君にとうとうハッキリと告白をした。

 

私「私は・・・私は・・・あなたの事が・・・・・・・・ほんとうに・・・・・・大っ嫌いです!」

 

 

私は、涙を流したまま両手を固く握りしめ、座っている戸田君の前に立ち尽くす。

一瞬、あっけに取られていた戸田君は、笑いだした。

 

戸田君「わははははーーー!お前、そんな告白があるか~?」

私「私は、こんな告白は人生で今、初めてした。」

戸田君「おお。ワシもそんな告白されたのは、人生で初めてよお!」

 

本当に、まるで愛の告白かのような、逆の愛の告白は聞いたこともないし、したこともなかった。

ただ、私が真剣だったので、戸田君は改まって真面目に話をしてくれる。

 

戸田君「ほいじゃあ、何が嫌か言うてくれえや。聞くけえ。ワシはの鈍感なとこがあって、何が嫌なんかさっぱりわからんのよお。」

私「いや、事細かに言いたくない。」

戸田君「いや、ワシは、人が気になる事でも全く気にならんところがあるんよ。それでの、もしお前が嫌な思いをしとっても、ワシは気付いてあげられんけえ、全部、教えてくれえや。」

私「いっぱいあり過ぎて、話しきれない。」

戸田君「いっぱいあってもええけえ。一つずつ、全部教えてくれや。いや、むしろ、教えてほしいんよ。そうせんにゃあ、気を付けてやりたくても出来んけえ。」

 

私は、いくつか嫌だったことを言ってみた。

 

戸田君「ほら。聞いてみんにゃあわからんじゃろ?今、聞いたのはワシにとっては全然気にならん事なんよ。まあ、そうやって嫌な思いをしとったんなら、謝るよ。ごめん。悪かったよ。」

 

私は、こういう展開も勿論、想定していた。

それは、戸田君が良い人なのはわかっていたからだ。ただ、私にとって配線が違う戸田君との穴埋めは、気づいてもらわない事には、埋める事ができない。

 

戸田君「ほいじゃあ、これからは、嫌なことがある度に、その都度言うてくれえや。」

私「え?その都度?」

戸田君「そう。その度に、何が嫌か言うてくれえや。」

私「え?あり過ぎるよ?」

戸田君「おお。ええよ。あり過ぎても。全部、聞くけえ。」

私「だとすると、しょっちゅうだよ?多分、会話にならない程。」

戸田君「ええよ。5分毎でも。」

私「いや!多分、3分毎かも。」

戸田君「3分毎でもええけえ。」

私「いや!1分毎だよーーーー!」

戸田君「ええよーーー!1分毎でも!」

私「そう。わかった。それじゃあ、その度に言うよ。」

 

私は、すっかり泣き止んで戸田君とマントラへ戻り、マントラで夜を過ごした。

 

遍路後DAY20

 

いよいよ、私の濃かった遍路仲間達も四国を立ち去る朝がやって来た。

マントラで大々的なお別れをして、戸田君を乗せ、車で走り出す。

相変わらず、10分毎に戸田君に「それは、止めてくれ」とか「それは、嫌だ」と言っていると、会話にならないので私は、半分諦めた。

 

戸田君「お!折角、瀬戸大橋渡るなら、大山へ寄って帰ろうや!ワシが運転しちゃるけえ。」

私「え?大山?まあ、いいけど。運転してくれるなら。」

 

結局、戸田君とかなり遠回りなのだが、鳥取県の大山をドライブがてら経由して夜、ようやく広島へとたどり着く。

戸田君のアパートへ到着すると、時間も遅かったので、戸田君のところで寝て、朝、帰る事にする。

 

これで、本当に遍路がらみは終わりになるだろうと思い、この後、自宅へ戻って、驚きのクライマックスを迎える事になるとは、この時、まだ知らなかった。

 

つづく・・・   

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