いよいよ最終章!私の連続3周野宿の旅のハチャメチャ珍道中を連載中!

目次:【序章】&【第1章】&【第2章】 & 目次:【第3章】&【最終章】

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■最終章:終わりなき遍路■人生の遍路道はまだ続く

                  6. 遍路のように前書きへ戻る

 

―2015年12月23日 クリスマスイブ前日―

 

私は、しゅんちゃんと南国の小さな町にいた。

しゅんちゃんも私も旅人らしい軽装で、ビーサンを履いて、ブラブラと町を何処へ行くともなく、遍路の時のように歩いている。

 

私「ねえ、しゅんちゃん。色々行ってみたい所があるよね。」

しゅんちゃん「うん!とりあえず、この辺をブラブラ散歩してみようよ。何か面白いものがあるかもしれないから!」

私「そうだね!」

 

私達は、食堂の奥が安宿になっている所へ宿泊していたので、そこからこの町を探索に出かけたのだ。

私は、しゅんちゃんと遊んでいる時は、遍路をしていた頃とかわらず、本当に幼稚園の子供にでも戻ったかのようだ。それにお遍路の頃に野宿生活で一緒にブラブラしたのも懐かしい。

しばらく二人、仲良く並んで歩いていると、突然、その異変は起こる。

向こうから無表情の警察官二人が真っすぐやって来て、いきなりしゅんちゃんの両脇を抱えて、そのまま立ち去ろうとしている。

私は、何事が起ったのか理解できず、後ろを振り向くと、二人の警官に両脇を抱えられ、そのまま後ずさりしているしゅんちゃんが、必死に目で私に何かを訴えている。

 

私「えー!?どういう事!?」

しゅんちゃん「Noisy!大丈夫だよ!」

私「え!?何で!?何で!?何、これーーー!?」

 

警官に抱えられたまま、どんどん遠ざかって行くしゅんちゃんが、必死に私を安心させようと精一杯、声をかけてくれる。

無表情な警官二人は、まるで感情のないロボットのようで、その横顔は途方もなく冷たいものだった。

 

しゅんちゃん「Noisy!大丈夫だから!」

私「えーーー!?そんなあーーー!しゅんちゃーーん!」

しゅんちゃん「心配しないで!直ぐに戻るから!」

私「いやーーー!しゅんちゃんーー!本当に直ぐに戻るの!?」

しゅんちゃん「大丈夫だよーーー!僕は、何もしてないから!安心して!直ぐに絶対戻るから!」

私「絶対、大丈夫なのねーーー!?」

しゅんちゃん「大丈夫!」

 

しゅんちゃんは、警官に抱えられたまま、消えて行った。

私は、折角、しゅんちゃんと楽しく遊んでいたのに、突然起こってしまった異変で、心は動揺し、しゅんちゃんの事が心配でたまらない。私は、一体、いつまでしゅんちゃんが帰って来るのを待てばいいのだろう?

この旅先で突然起こった理解のできない事態に打ちのめされていた。

その気持ちを落ち着かせるため、一人でいるのも心が落ち着かず、宿でみつけた男の子と、宿の周辺で戯れていた。

ただ、その男の子が楽しい話をしようとも、しゅんちゃんの事が心配な私は、何も耳に入ってこない。

 

そして時が経ち、私は風の噂でしゅんちゃんは、死刑になって刑を執行され、亡くなってしまった事を聞く。

私は、宿の食堂で一人、正座をしておでこを床に着け、泣き伏せる。

 

私「わーーーーーーん!しゅんちゃーーーーーん!そんなあーーー!直ぐに戻って来るって言ったじゃーーーーん!うわあああーーん!何でだよーーーー!!しゅんちゃーーーーーん!帰って来てよーーーー!!私、待ってたのにーーー!!」

 

私は、時々顔を少しだけ上げると、食堂で働いている人達が、平然と忙しそうにしているのが目に入り、ここでは、本当にしゅんちゃんの事を知っていて、泣いているのは私だけなのだと思うと、また悲しくなり、床におでこを押し付け泣き伏す。

 

私「なんでーーー!?しゅんちゃーーーーーん!あんなに楽しかったのにーーー!!どうしてーーー!?なんでーーー!?わーーーーん!しゅんちゃんは、絶対に悪いわけないよーーーー!なんで、死んじゃうのーーー!!私、待ってるのにーーーー!!」

 

私は、また顔を上げ、目の前の壁を見ると、しゅんちゃんのスナップ写真が1枚貼られているのが目に入る。

 

私「きゃああ~~~~!うえ~~~ん!しゅんちゃーーーーーん!帰って来てーーーー!!」

 

 

私は、底知れない寂しさが沸き上がり、しゅんちゃんの笑顔の写真は、しゅんちゃんを思い出させ、いたたまれない気持ちで涙が止まらない。この涙は、背中の奥底から湧き出て来るかのようで、止まる事を知らない。

 

次の瞬間、私は、目を開けた。

 

私「ハッ!夢かーーー!びっくりしたーーー!ってか、良かったーーー!あーー、夢でよかったーーー!」

 

私は、これが夢だったので心の底からホッとして嬉しくなったのだが、何処か心配だし胸騒ぎもするでしゅんちゃんにLINEを送る。

 

私:しゅんちゃーん!昨日、しんちゃんが夢に出てきたよ〜☆すっごい変わった夢だった!今日、ちょっと話せる?まあ、クリスマスイブだし、忙しいかもね〜

しゅん:1時間後くらいに手があくんで、連絡します~メリークリスマス~

 

1時間後に手が空いたしゅんちゃんとお互い、お酒を飲みながら、電話で話す。

しゅんちゃんは、実家の手伝いをしていて、香川県の実家にこの時季いるのだ。

 

私「しゅんちゃん、今日、変わった夢を見て、しゅんちゃんが出て来たんだよね。」

しゅんちゃん「おお!変わった夢って何?」

私「あのね、人が死ぬ夢っていい夢だって聞くから、心配することはないと思うんだけど、ちょっと気になって。」

しゅんちゃん「もしかして、僕が死ぬんですか?」

私「そう。警官に連れて行かれて、死刑になって刑を執行されちゃう夢。大丈夫だと思うんだけど、ちょっと心配になったから。」

しゅんちゃん「実はー、僕、お腹が痛いんだよねえ。」

私「え?いつから?」

しゅんちゃん「ここ2週間くらいかなあ。」

私「食べ物にあたったにしては、長すぎだよねえ?私、東北を旅してた時に食中毒のようになった事があって、あの時は1か月くらいおかしかったけど。」

しゅんちゃん「でも、食べ物にあたったなら、何に当たったんだろう?」

私「今、年末だし年始ももうすぐだから、しゅんちゃんもバタバタしてるだろうけど、おかしかったら病院へ行ってみた方がいいよ!」

しゅんちゃん「うん。そうだね。年明けに治ってないようなら行ってみるよ!」

私「そうんだね。心配だから、そうした方がいいよ!」

 

私達は、お酒を飲みながら、更に居酒屋にまるでいるかのように色々話をする。

 

私「2月に石垣島と西表島とか離島へ行くんだよね。しゅんちゃん、与那国島にもしばらくいたことがあるでしょ?」

しゅんちゃん「うん。その時に石垣島も西表も離島も行ったよー!」

私「うん。そうだろうと思ったんだよねー!だから、お勧めとか聞きたくて!」

 

しゅんちゃんは、それぞれのお勧めや注意事項などを色々と教えてくれた。

 

私「ありがとう!しゅんちゃん!また、沖縄から帰って来た時にその報告はするね!」

しゅんちゃん「うん。楽しみにしてる~!」

私「ねえ、しゅんちゃん、今年は広島の家へ遊びに来なよ!」

しゅんちゃん「そうだね!今年は、是非!遊びに行かせてもらうよ!それじゃあ、Noisyが沖縄から帰って来た後だね!」

私「それがいい!楽しみにしてるよ!」

しゅんちゃん「僕、お遍路へまた行ったんだけど、最後の残りをまだ回れてなくて、行こう行こうと思ってる内に寒くなってしまったよー。」

私「そうだねえ。でも、しゅんちゃんが行くなら、私も行きたいなー。」

しゅんちゃん「とりあえず、年末年始が来るし、その後かな~。でも、寒いよね。」

 

私達は、あれこれ話をして電話を切る。

 

―2015年12月28日―

 

私は、しゅんちゃんが心配だったので年末にLINEでメッセージを送る。

 

私:しゅんちゃん、治った?お腹

しゅん:あ、治ってません😒しんどいなー!

私:ええ〜〜⁉まだ〜〜⁉食中毒でもないのにおかしいね〜…  なんか、心配… やっぱ、病院行った方がいいよ〜☆ とりあえず、年末で、無理だろうけど、ゆっくりして〜!お大事にだよ〜!

しゅん:そうだよね、年末はおとなしくして、治らなかったら病院にいきます!でも、食欲はあるんだよねー😋

 

 

―2016年1月3日―

 

私は、元旦に新年の挨拶をしゅんちゃんにLINEで送ったのだが、二日程返事がないので、またLINEした。

 

私:しゅんちゃん、治った?お腹

 

―2016年1月4日 その1―

 

最初のメッセージを送ってから3日程返事がないので心配していると、しゅんちゃんから返事が来た。

 

私:おーい!しゅんちゃ〜ん!大丈夫〜?

しゅん:大丈夫だよー!おめでとう!正月は姪っこと遊んでました!

 

そして、しゅんちゃんは姪っ子とデレデレで写っている写真を送ってくれ、電話があった。

 

しゅんちゃん「Noisy、ごめん!お正月は弟家族が東京から帰ってきたりしてて、ずっと遊んでたから連絡できなかった!」

私「それならいいんだよ!楽しそうだったね!」

しゅんちゃん「うん!もお、姪っ子が目に入れても痛くないくらい可愛くて!」

 

そしていつものように私達は、それぞれにお酒を飲みながら、あれこれ話をする。

 

私「ねえ、戸田君から最近連絡ある?」

しゅんちゃん「ここ最近はないけど、まあ、何かあったら連絡くるでしょ。」

私「そうね。」

しゅんちゃん「Noisyは、着信拒否したままでしょ?」

私「ははは。そうだよ!でも、携帯電話を何回も買えたから、既に着信拒否設定にはなってないんじゃないかな。」

しゅんちゃん「ところで、僕、最近、背中の辺りから死の恐怖が沸き上がってくる感じで。」

私「え?しゅんちゃん、何歳だっけ?」

しゅんちゃん「僕、39歳。」

私「私、40歳になる辺りから、やっぱ人生の折り返しって感じで、死が近寄った感はあったよね。でも、もうそれも通り越してあの頃のようには感じなくなったなあ。」

しゅんちゃん「それじゃあ、僕も数年すれば、こんなことなくなるのかなあ?」

私「まあ、身体がおかしいとかじゃなければ、年齢的に誰でも通過するような事なのかとは思うけどね。」

しゅんちゃん「でもね、Noisy。僕は、今年死ぬって思ってるんだよ。」

私「え!?何で?」

しゅんちゃん「わからない。本当にそう感じるんだよ。」

私「まさかー!止めてよー!しゅんちゃん!」

しゅんちゃん「でもね、Noisy。僕は、これは確信してるんだよ。思ってるって言うより、確信してる。」

私「ちょっとー!しゅんちゃん、お腹治ってないでしょ!?病院へ行った方がいいよ!」

しゅんちゃん「そうだね。年も開けたし、悪化するようなら行ってみるよ!」

 

つづく・・・   

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