モネ それからの100年 -名古屋市美術館/横浜美術館

GW中に、旅の途中でふらっと久々に名古屋市美術館へ行ってきました。



前回訪問してから、多分、20年ぶりくらいでしょうか。。。バリー・フラナガンの野うさぎ彫刻が出迎えてくれました。


箱根彫刻の森にも、フラナガンの野うさぎのシリーズがあります。躍動感ある楽しいウサギ彫刻ですが、目が悲しげなようにも見えます。好きなシリーズです。最近彼の新作の噂が日本には入ってこないように思うのですが、お元気に制作されているのでしょうか。。。

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「モネ それからの100年」

名古屋市美術館 開館30周年記念 
会期:2018年4月25日(水)~7月1日(日)
休館日月曜日
オフィシャルサイト

横浜美術館に巡回します!
会期:2018年7月14日(土) ~ 9月24日(月・休)
オフィシャルサイト

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実は、予備知識なく行きました。

なんとなくその時は、印象派を見る気分ではなかったのですが、この展覧会は、「印象派の展覧会」ではなく「現代美術」の展覧会でもありました。「モネ」の遺産を受け継いだ作家たちというテーマで集められた展覧会で、作家や主義で集められた展覧会ではなく、時代や国を超えたテーマのある展覧会こそ、最近見たいと思っている展示のあり方でしたので、予期せず、旅先で良い展覧会に遭遇できラッキーでした。

美術史専攻の友人曰く、『美術史は歴史なので、時代を超えて論証することは好まれない傾向にある』とのこと。展覧会は、美術史と関連が深いのは当たり前ですが、そろそろ、もっと自由な展示があってもいいのではないか。。と個人的には思います。

さて、本題ですが、まず、なぜ100年なのか?と思いました。

クロード・モネ(1840-1926)睡蓮の制作に着手してちょうど100年だから、ということだそうです。今年は、印象主義音楽とも言われる、クロード・ドビュッシー(1862-1918)没後100年にも当たります。(二人ともクロードですね!)

シュールレアリスムの作家、アンドレ・マッソンの1975年の言葉に以下のものがあるそうです。

「つまり、モネは印象派ではなく、
あらゆる現代美術の生みの親ではないのか?」

この展覧会はこの言葉にインスパイヤされているようです。「睡蓮」をテーマにした作家たち、

アルフレッド・スティーグリッツ
モーリス・ルイス
ゲルハルト・リヒター
岡﨑乾二郎
松本陽子
丸山直文

などなど、私も好きな作家がたくさん、しかも映像〜平面まで、幅広く選ばれていて、その点がとても良かった。欲を言えば、少し無名の作家を混ぜてもらえれば、新しい作家を知る喜びも増えて良かったのではないか?と思いました。

モネの睡蓮の絵は、存命中は評判がそこまで良くなく、死後20年ほど経って、アメリカの抽象表現主義(カラーフィールドペインティング)の作家たちに再評価されだしてから、風向きが変わったそうです。出品画家では、モーリス・ルイス、デ・クーニングらがそうですね。

元は、浮世絵版画の影響がモネを含む印象派作家にあり、印象派はアメリカの抽象表現主義に、フランスのシュポール/シュルファスルイ・カーヌらにも影響を与え、さらに現代日本作家にも影響を、という連綿とした流れが展示の中で理解することができました。

とてもよい展覧会でした。
ものすごくおすすめです!
横浜に7月に巡回しますので、関東でも見ることができます。

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