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米国のシリア計画におけるアラブ特殊部隊の役割について専門家が語る

2018-04-18 12:13:33 | 戦争・内戦・紛争・クーデター・軍事介入・衝突・暴動・デモ

シリアで「アラブ軍」結成、トランプ政権が計画

 【ワシントン】ドナルド・トランプ米政権は、アラブ諸国による合同部隊を結成し、米軍のシリア駐留部隊の任務を引き継がせる

計画だ。過激派組織「イスラム国(IS)」駆逐後のシリア北東部を情勢安定させる狙い。米当局者らが明らかにした。


 当局者らによると、ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は先日、エジプト総合情報庁(GIS)のアッバス・

カメル長官代行に電話を掛け、エジプト政府がこの計画に協力できるか打診した。


 米政府はこれと並行して、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)に対し、数十億ドルを拠出しシリア北部情勢の

安定化を後押しするよう要請。アラブ諸国による部隊派遣も求めていると当局者らは述べた。

 この計画の詳細は、米軍などがシリアの化学兵器関連施設を空爆した数日後に明らかになった。


しびれ切らすトランプ氏

 トランプ氏はシリア安定化に取り組むためのコストやその期間に関し、以前からしびれを切らしていた。13日夜にシリア空爆を

発表した際も、今回の計画を示唆していた。


 トランプ氏は4月上旬にも、シリアに駐留する米軍部隊2000人の撤退を早める必要に触れていた。だが性急な撤退によって

イランやロシア、両国の代理組織、その他の過激派組織に突き入る隙を与える恐れがあるとして、米政権内では異なる意見が多かった。

今回発表された計画は、安全保障上の空白がシリアに生じてISが勢いを取り戻したり、苦労して奪還した土地がイラン系の勢力に

わたったりしないようにすること狙いだ。


 米国家安全保障会議(NSC)の広報担当者は、ボルトン氏がカメル氏と会談したとされる件についてコメントを差し控えた。

カメル氏はエジプト政府最大の権力者の1人として知られている。


 一方、他の米当局者は両氏が電話で会談したことを認め、トランプ政権が湾岸諸国にも接触を試みていることに言及した。


 「サウジアラビア、カタール、そしてUAEのすべてと資金支援やより幅広い貢献に関して話し合いをした」とある米政権当局者は

明かす。


 エジプト軍関係者やエジプト大統領府の広報担当者にもコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。


残る多くの疑問点

 中東研究所のシニアフェロー、チャールズ・リスター氏は、新たな合同部隊を結成するのは容易ではないと指摘。

その理由として、サウジやUAEがイエメンですでに軍事作戦を展開していることや、シリアのバッシャール・アサド大統領によって

統治されていなかった地域を防衛することにエジプトが二の足を踏むであろうことを挙げた。


 また米軍の一部がシリアに残ることに同意しなければ、アラブ諸国はシリアへの派兵を望まないともリスター氏は述べる。

 

「今回の計画が戦略として成功すると思わせるような前例や確固たる根拠はない」と同氏は指摘する。


 また今回のような計画を実行するにあたって、米軍がある程度の関与を継続していくのかについても多くの疑問が残っている。

シリアに展開する米軍部隊はクルド人やアラブ人勢力と協力しているが、彼らは米軍の制空力によって守られてきた。

仮にアラブ諸国が合同部隊を結成した場合、米軍機がどのような役割を担うのかは不明だ。

また合同部隊が空爆支援を必要とした場合、その指示を誰が出すことになるかも分からない。


 エジプトがシリアでの新たな作戦にどの程度貢献する意向なのかもまったく明らかではない。エジプトは中東最大の軍事力を

誇る国のひとつだが、今はシナイ半島で活動するIS系組織や、複数の民兵組織によって支配されているリビア国境砂漠地帯への

対応に追われている。

 

米国のシリア計画におけるアラブ特殊部隊の役割について専門家が語る

2018年04月18日 02:20    SPUTNIK

米ホワイトハウスは、シリアにいる米軍人をアラブ諸国の軍人に代える計画。ウォール・ストリート・ジャーナルが、

米政府関係者の話を引用して報じた。専門家のボリス・ドルゴフ氏がこれについてラジオ「スプートニク」の番組でコメントした。


ドルゴフ氏は次のように指摘している-

米国は先にも地域に一種の親米アラブ連合を創設しようとした。プレスではあらかじめ『中東版NATO』と呼ばれた。

だがこれはなぜかあまり上手くいかなかった。我々は今、同じようなものを企画しようとする新たな試みを目にしている。

目的は、米国がシリアで自国の前に掲げている課題の遂行だ。それは米国にとって気にいらない(シリア大統領)

バッシャール・アサド政政権の排除であり、あり得るシリアの分裂だ。米国はそのためにまずサウジアラビア、ヨルダン、カタール、

そしてもしかしたらペルシャ湾岸のその他のアラブ諸国を引き入れようとしている。


さらにドルゴフ氏は次のように語った-

アラブ諸国の軍がシリアでの戦闘に直接参加することは恐らく不可能だ。なぜならアラブ世界の基準では、これは直接の侵攻に

なるからだ。だが、これらの国々の特殊部隊の参加となるとより可能性がある。なお同テーマに関する公式には未確認の情報は

すでにある。もし派遣されるならば、アラブの特殊部隊もシリアにおける米国の目的を達成し、シリアで自分たちの管理を

強化することにおいて一定の役割を果たす可能性がある。