卓球初心者:「手打ち」が良くない理由

卓球技術

先日の記事で肩や肘が前に出てこれ以上伸びない程に固定されてしまうと、俗に言うところの「手打ち」になるとのご指摘を頂きました。

確かに手打ちだと思い妙に納得してしまったもので、手打ちについてちょっと考えてみたりしまして。

 

外から見て「手打ち」と普通のスイングの大きな違いは即ち、スイングの長さなのかなと思います。

素振りをしてみれば肩や肘を固定した場合と、体重移動まで含めたスイングの軌跡の長さを比べるとその長さは半分以下になるかと思います。

手打ち=短いスイングという訳ではありませんが、今回は単純にスイングの長さが半分になった場合を想定して、その違いについて考えてみました。

スイングの長さと打球点・精度の違い

※矢印:バックハンドのスイングを真上から見た軌跡
※黄色:十分にスイングの軌跡を長く取った場合
※赤線:コンパクト(窮屈)にスイングした場合の軌跡
※赤線は単純に黄線を半分の大きさに縮小したものです

打球範囲の設定は、ある程度まともに返す事が出来る打球点の範囲を示しており、この打球範囲を外れた箇所で打球すると想定外の所にボールが飛んでいってしまいます。

半分の大きさに縮小した図ですから、打球範囲も単純に半分になっています。

つまりは、スイングの軌跡の長さが半分になれば、単純に倍の精度でボールを捉えスイングしなくてはいけない事を示しています。

ほんの少しでも慌てたり、ラケットを振り遅れでもすれば明後日の方向に飛んで行ってしまう。

まともに打てない私の様な初心者には無理な話

 

■短いスイングの特徴
・準備動作から完了までの動作が小さく、速い卓球に対応できる
・高い技術精度が要求される
・長いスイングに比べ、打球に威力や回転を乗せづらい

■長いスイングの特徴
・準備動作から完了までの動作が大きく、速い卓球に対応できない
・技術精度は低くても打球点の範囲が広く比較的安定する
・思いっきりラケットを振る事が出来るので威力や回転を上積みし易い

 

手打ちと短いスイングを混同する様な書き方は賛否あるかと思いますが、そもそも短いスイングというものはもう完全に玄人、上級者向けの様相。

この様な理由から「手打ち」はもちろん、短いスイングも同様に初心者にとって避けるべきだというのが私の持論です。

初心者が技術を習得する上では、長いスイング軌跡で動作と特徴を覚え、経験を重ね、精度が増して来る過程でスイングを小さく整えて行くプロセスがベターなのかなと思います。

余談ですが台上のプレイでは短いスイングを強要されるので、これが台上の難しさでもあるのではと思います。

 

重ねて申し上げますが、玄人様の短いスイングは決して「手打ち」ではありません。

ぱっと見は手打ちの様に見えますが、しっかりとスイングスピードや回転量を上乗せする工夫が詰まったものです。

私はシニアの方の卓球を見る機会が多くあるのですが、チョコっと振った(様に見える)ラケットから剛速球が飛び出したり、物凄い回転が生まれて来るので唖然としてしまいます・・・

玄人卓球って恐ろしいですね・・・