最終話・遠慮をやめる。非正規独身アラフォーの人生軌道修正

 

 

長岡昌子さん（40歳）の彼氏ができるまでを連載しております。

「公務員がいい」と親のいうことを鵜呑みにして公務員を目指すも不採用。
学習塾講師、非正規教員をやりながら休みの日は同じような独身非正規女性の美幸たちと女子会で傷の舐めあい。
35歳からやっと本気で教員採用試験に合格するために勉強しはじめ、

37歳で教員採用試験に合格し、正規採用されます。
その頃、「7日間でとびきり愛される方法」を読み持ち物などを変えだしました。

 

 

男性を紹介されるも露骨に相手の男性から嫌そうな顔をされる昌子さんはセミナーに参加し、
自分が年齢に釣り合わない恰好をした幼いおばさんだと知りました。

メイクセミナー、ファッションセミナーも参加し自分に似合うものが分かってきました。
一人暮らしもスタート。
ところが街コンにいって連絡先交換は一人としかできず。
その男性も後日、食事をしたときは割り勘でした。

焦りと孤独と苛立ち。
心は折れて出会い探しのやる気はなくなります。

ある時、BBQイベントを知りさほど期待せず「楽しそうだな」と思って参加しました。
よれよれの恰好でダサい三条から連絡先をきかれて、10歳年下なので期待せずに教えました。
三条と後日会うことになります。
オシャレをして向かったのに、三条は相変わらずよれよれの恰好でした。

第1話から読む場合はこちら
http://ameblo.jp/koakuma-mt/entry-12247095880.html

昨日のお話
http://ameblo.jp/koakuma-mt/entry-12250026965.html

今日は最終回。
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9月の連休で三条とご飯を食べに行くことにした。

BBQだったからあんな格好なのだろうと思ったけれど、

街で会うときも彼はだぼだぼのチェックシャツにだぼだぼのズボンで来た。

昌子は気合を入れてワンピースだったのに

 

しかし格好を除けば話はあうし楽しかった。

彼からまた会いたいといわれた。

 

3回目に会った時に、三条は前と同じ服だった。

「ね～、もしかしてあんまり服もってないの？」

「そうかも。あまり興味ないし」

「今度、もしよかったら、ユニクロで服選ばせて」

「いいよ」

かれはうなずく。

自分は20代向けのカワイイ服から大人っぽい服に路線変更にかなり抵抗が合ったけれど、三条は素直だった。

 

 

帰りぎわにメガネ屋が駅の中にあったので「これかけてみて」といったら三条はかけてくれた。
「そっちのほうがいいよ」
「そう、じゃ変えようかな」

三条はすんなり買い替えてくれた。

 

月曜日の昼に
――昨日はありがとう。メガネ変えたら職場で好評だった――
と三条からlineが来る。
――でしょう～。次もっと男前になるよ――
と昌子は返した。

 

4回目のデートはユニクロで。

三条は試着をほとんどしたことがないようだったが、

ジャストサイズを着せるとちゃんとした20代男性にみえるようになった。

「こっちのほうがいいじゃん」

「本当？なんかきつくない？」

「それが体に合っているサイズだよ」

「分かった」

素直に服を買い替えてくれる。

 

買い物の後、ご飯を食べに行って三条から
「僕たちって付き合っているんですか？」
ときかれた。

「そう聞かれても…私は10歳年上だよ」

「そんなこといいです。好きなんです」

「ありがとう。よろしくね」

 

こうして昌子に彼氏ができた

 

三条は会うたびにカッコよくなる。
「昌子さんのおかげで評判いいんですよ」
「カワイイ」
と毎回いってくれる。

 

話も合うし、一緒にいて楽。

 

今まで自分を棚に上げ、今まで完成した大人の男性を探していたのだ。

三条みたいな野暮ったい男性には視界に入っていなかったし、

露骨に態度に出ていたかもしれない。

「生理的に受け付けない」

「興味ない男から好かれても困る」

と今思えばどの口が言うのやらというようなことを平気で女子会でいいあっていた。

 

 

美幸にも報告したら彼女からはおめでとうより前に
――でもさぁ、そんな年下で大丈夫？――
と否定がさき。

昌子は報告したことを後悔した。

 

 

 

12月に入り最初のデートで、三条はおしゃれなコートを着ていた。
「これ、自分で選んだの？」

「店員さんに聞いて。昌子さんに釣り合うようになれたかな」

「う～ん、もうちょっとかな」

「手厳しいなぁ～」

三条と昌子は手をつないで歩きだした。

 

（完了）