原因の場所
パラダイムシフトという言葉をご存知でしょうか。その時代や分野において常識と考えられていた認識、思想、価値観などが革命的もしくは劇的に変化することをいうようです。 例えば、中世以前の宇宙の構造、生命の起源、病気の原因などに対する認識は、驚くほど多様で空想的なものが多く科学が進展・普及し観測・分析技術が進歩して行くに従い劇的に変化しました。
今回のテーマは、諸問題の原因を探し解決するための認識と方法について観察・分析・考察していこうと思います。
●原因は何処
現代人は、諸問題の原因が常に対象の中に存在していると認識します。これは、ある意味で正しく、ある意味で間違いです。観察している自己が問題を認識しても対象が問題を認識できないまたはしないことがあるからです。この時問題は、何処に存在しその原因は、何処に存在しているのでしょうか。
◇驚異の原因対処法
2008年頃自分の周辺で起きる諸問題の原因が自己の潜在意識内に存在していると100%認め責任を引き受けそれをクリーニングすることで、精神障害者の犯罪者収容施設内の患者たちにカウンセリングや治療をせずほとんどの人たちの更生に成功したという記事を読み驚きました。そして大変興味深く詳細を知りたいと思い情報を収集する中でハワイに昔から伝わるホ・オポノポノというものだと知りました。
◇疑問
直感的にこの原因対処法に重要な鍵があるとは思うものの以下のような疑問を抱いたことも事実でした。
- 精神障害者の症状をカウンセリングや治療(薬物)などで抑制することは、西洋医学で可能だが更生(治癒)とは過剰な宣伝ではないか。
- 患者との直接的なコミュニケーション、カウンセリング、治療(薬物)などをせずに何を媒体に影響をおよぼしたのか。
- 自己の潜在意識内に存在しているという諸問題の原因を解消することが何故他人の症状の改善につながるのか。
●メカニズム
◇意識の分離
生物は、個々独立に他の物とその存在を区別し個体として認識されます。動物は、鰭、足、羽などの移動手段を得て自我境界とテリトリー意識を進化の過程で発達させました。個体認識(自我境界、テリトリー)の発達の目的は、種の共通項から一定の幅で分岐、分離、自立することで個体差(個性)を発生させ多様性・可能性を発揮し自然に適応するためだと考えられます。
◇意識の構造
個体認識(自我境界、テリトリー)の発達を意識と無意識(個人的無意識、集合的無意識)という構造から見ると個体認識が意識に、種の共通項が集合的無意識に相当していると考えられます。種の共通項を集合的無意識に移譲し個体認識を発達させ分岐、分離、自立することで個体差(個性)を発揮できるように進化したとも考えられます。集合的無意識という深層意識は、意識化できないため内在する諸原因に対する責任や義務も無いものとして放置されそれがある集団の周辺で諸問題として割れ窓理論のように顕在化するのだと考えられます。
◇繋がる意識
個体認識(自我境界、テリトリー)発達の過程から考えると意識化できなくても個体と集団は、意識⇔個人的無意識⇔集合的無意識という構造で直接的・間接的に繋がっていると考えられます。
●失われた技術
科学の進歩により近代化し計り知れない恩恵を受けている現代人ですが、その過程で科学的な根拠が乏しい超自然的な事柄(迷信、伝承、奇跡、呪術、民間療法、超能力など)は、胡散臭いものとして法律で罰則を設け排斥されて行きました。しかし科学は、意識の外側に在る対象間の関係性や法則を明らかにする一方で意識の内側に在るものを明らかにすることは、無く専ら表面的な観察に留まりました。
◇継承の途絶と生き残り
近代化の過程で排斥された超自然的な事柄の中には、迷信や詐欺的なものも多くありましたが稀に意識の内側に在るものを観察・分析・考察し技術体系化した古来からの伝承も存在していたと考えられます。そしてこの古来の内なる技術体系は、近代化の過程で大半が失われ奥義の重要性を知る極一部の人々が地下に潜り人知れず継承していたと考えられます。
◇古来の内なる技術体系
19世紀から20世紀にかけてジークムント・フロイト(1856~1939)が無意識(潜在意識)を初めて扱ったとされていますが、古来の内なる技術体系の一つであるフナ(ホ・オポノポノの源流)で意識構造(超意識:アウマクア、意識:ウハネ、潜在意識:ウニヒピリ、肉体:キノ)やその関係性だけではなくアクセス・行使する技術まで伝承されていたと「ホ・オポノポノ奇跡の原点」マックス・F・ロング(1890~1971)著で記述しています。
前記「◇繋がる意識」の項で意識が個人的無意識・集合的無意識と直接的・間接的に繋がっていると考察しましたが、この古来の内なる技術体系では、無意識領域へアクセス・行使し影響をおよぼす技術が在ることを示唆しています。
●意識化領域
古代人が無意識領域の構造や仕組みを理解し利用技術として体系化できたのは、現代人より意識化できる領域が広く自己が自然や超越的存在から分化した一部であることを本能的に感得できたからだと考えられます。そして自分の周辺で起きる諸問題の表層原因が副次的なものに過ぎず、深層原因が対象を媒体として顕在化させたことを見通せたのではないでしょうか。
◇意識化領域の縮小
現代人の意識化領域が縮小した主要因は、以下だと考えられます。
- 意識の外側にある無数の対象に目が向いている。
- 自己の言動の大半を潜在意識の自動反応プログラム(習慣、癖など)に移譲している。
上記は、人類が利益や利便性を追求する過程で意識化情報の選択(選別/排除)が行われた結果であり再選択し意識化領域の拡大も可能だと思われます。
◇意識化領域の拡大
意識化領域の縮小の主要因を改善するだけでは、意識化領域を拡大し物事の深層原因を見通すことは、できないと考えられます。意識構造、仕組み、意味、アクセス方法などを知らなければ何をどのようにすればいいか解らないからです。幸いなことに古来の内なる技術体系は、現在も複数生き残り公開/未公開などありますが存在しています。
◇普及版「ホ・オポノポノ」
普及しているイハレアカラ・ヒューレン氏の「ホ・オポノポノ」についてポイントを少しだけ触れます。
◎自らの記憶に対する問いかけ「私の中のどの記憶が問題を引き起こしているのだろうか」
人は、今自分が持っていないものを埋めようとする性質があり質問されるとその答えを探して埋めようとするプロセスが意識的および無意識的に動き出します。
◎4つのフレーズ「ありがとう」「ごめんなさい」「許して下さい」「愛しています」
- このフレーズには、感情を伴う言葉が選択されています。
- 「ごめんなさい」「許して下さい」については、ゆるしの感情を伴いますが同時に罪悪感を潜在意識にプログラムしてしまう可能性が指摘されています。
●まとめ
◇原因の場所
現代人が自分の周辺で起きる諸問題の表層原因しか意識化できず深層原因を認識できないないことで様々な社会問題が発生しています。しかし「割れ窓理論」や「ヒヤリ・ハット」のように小さな問題を見逃すこと無く対処することで大きな問題を未然に防ぐことは、現代版の内なる技術体系とも言えるかもしれません。
◇古来の内なる技術体系の鍵
意識構造、仕組み、意味、アクセス方法など体系化されているものは、それほど多くはありませんが鍵となるのは、集中技術、感情・欲求・呼吸・イメージの導引などになると思います。
◇古来の内なる技術体系を選ぶ前に必要なこと
- 真贋を見極める。
- ゴールは、何かを問う。
- 望み・得るもの・失うものは何かを問う。
- 技術や安全に対する指導を得られるかを問う。(生活、体、感情などのバランスを崩すこともある)
- 指導ではなく要求や強制が多いものは避ける。
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