Q.ステロイド薬の仕組みを教えてください。
あかぎれが酷いので皮膚科に行くとステロイド剤の塗り薬を処方されました。これを患部に塗って一晩立つと、あら不思議、その部分がちゃんと埋まっているのです。
他の市販の薬でこんなことなかったですが、一晩で傷が治るって逆に気になります、いったい、どういう仕組みなんだろうと?


ステロイドが皮膚の症状に効く仕組み:
ステロイドはもともと体内で生成され

分泌されるホルモンです。

(副腎皮質ホルモン)

 

腎臓の上にある副腎という臓器の副腎皮質

から分泌され、体内の機能のバランスを調整

する働きを持っています。

その働きは様々ですが皮膚への作用の

目的で軟膏が処方される場合には、
主にステロイドの炎症や痛みを鎮める

作用と免疫の働きを抑える作用が
目的となっています。

炎症の起こっている部位では、炎症を引き

起こすプロスタグランジンと呼ばれる

体内物質が生成されています。

 

このプロスタグランジンは
身体の組織の成分であるアラキドン酸

からシクロオキシゲナーゼという
酵素によって生成されます。

ステロイドはこのシクロオキシゲナーゼ

の働きを抑制する事で、炎症物質の

プロスタグランジンが作られる事を

抑制します。

 

またステロイドはマクロファージと

呼ばれる身体の免疫系の細胞の

働きを妨げる作用を持ちます。

 

この作用によって、アレルギー症状

など過剰に免疫系が働き過ぎる事で
起こる症状を改善します。