・・・それはね




お花だから・・

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フラワーアレンジメントの物語
第24話
『フラワーデザインの世界』
ー真実ー

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「なぜですか?」

「なぜ先生はフラワーデザインに自信が持てるのですか?」

「えっ・・・」



「あっ、あれっ!?何だか私・・・変な質問しちゃってますよね?」

「・・・お花の先生ですもんね・・・自信があって当たり前か・・・。」


「ああ・・・いや・・・いやっ分かります!」

「わかりますよ・・・あなたが言いたい意味は。聞きたい事は。」

「きっと・・・自信を持つに至ったその【経緯】を聞きたいのでは?」

「講師の私だけでなく、目に映る素敵なフラワーアレンジメントの作者達・・・その全ての人々に本当は聞きたいのでは?」
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なぜそんな風に出来るのかと。


「・・・・・・・。」

「そうかもしれません。」

「自分でもなんて聞いたらいいのか・・・」

「素敵なフラワーアレンジメントを見て・・・」

・・・果たして私に出来るのだろうか?って。」




質問ってなぜフラワーデザインに自信が持てるのか?・・・でしたよね。」

「あまり直接聞かれた事がなかったから、言葉でお伝えすることは少し難しいかもしれませんが・・・」

「・・・・・・。」

「わかりました。では・・・・お答えしますね。」






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生徒の私は、目の前の講師に問う。

第一線で活躍しているデザイナーに向かって

・・・「なぜあなたは自信があるのか?」と。



・・・ひどい質問。

・・・なんて質問をしてしまったんだろう私は・・・。



でも知りたかった。

とてもとても知りたかったから。

私の目に映る・・・素敵なフラワーアレンジメント。

心を動かすフラワーアレンジメント。

そんな素敵な作品を作る人たちの気持ちを知りたかった・・・。




・・・そうなりたくて

わたしもそうなりたかったから。




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・・・講師は語り始めた。

その言葉をいまでも覚えている。

それは私のこれからを照らす

明るくて・・・とても暖かい・・・




『光』となったんだ。







「・・・・・・。」

「わかりました。ではお答えしますね。」




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「私の場合ですが」


・・・確かこの言葉から話は始まった。


「まずはお花という分野。フラワーアレンジメントという分野。その分野に『出会えた』という事は大きいでしょう。」

「・・・私もそれは感じています。」

「ええ、お花をはじめてよかったなあっていつも思う。今でもそう思っています。」

「先生は何で?何故お花をはじめて良かったって思っているのですか?」

「暖かみのある世界・・・なぜならこのフラワーデザインの分野は誰しもがスタートラインでの『差』は無く、そのことにより何事にも挑戦しやすい。
活躍出来る幅が広い世界であるとも思っています。

「男女の差はもちろん、国籍、年齢、学歴を問う事はありませんし、体力は『技術』で余りある程に補う事が出来ます。

だからチャンスは誰にでもある。そんな世界が私は好きで、ああ・・・お花をはじめて良かったなあって思うのです。」

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「・・・チャンスは誰にでも?」


「子供の頃からとかではなく、ほとんどの方はすでに大人となり多くの時間を経過した後にお花を『思い出し』そしてフラワーデザインをはじめます。

・・・お花のスタートラインは様々ある業界のなかで、かなり『遅い』部類といえます。

だから様々な年代の方がいる。するとどうなるでしょうか?

そうです。

様々な年代の方々が『活躍出来る場』が必ずある。」


・・・?
・・・・・・!



「フラワーショップやブライダルフラワー、会場装飾やお花の先生、ブーケづくりや各種コンテスト、ボランティア・・・ほかにもたくさん。」

「私もそうですし、他の方々だってそう。」

お花を共に楽しみながら同じ時間を過ごす事が出来る。



そうだ

・・・・たしか

たしかこの辺りから・・・




それはフラワーデザインの最大の魅力の一つだと思うんです。



・・・ああ

・・・・重なる


過去と・・・


つながって





何の垣根も無く共有出来るお花のある空間って

・・・・すごく暖かくて・・・・






・・・始まりを思い出した。




・・・すごく暖かくて

お花を共有する全ての空間は

万人に開かれていた。

皆・・・笑顔に包まれていた。
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お花を共有する全ての空間は

・・・世代の垣根も超えていた。

・・・だから

だからわたしは・・・


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そして楽しいって思っています。

この空間が好きだから私は長く続ける事が出来ているといえます。


いつも・・・いつでもきっと
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そして・・・いつまでも・・・いつまでも







・・・・実はね。






もう一つ理由があって。











・・・何故だと思いますか?

他の様々な分野と比べてフラワーデザインの学び始めが『遅くても良い』理由って。




きっともうお気づきかも。

今日までにお話しした事からその理由は推測出来るでしょうね。






フラワーデザインの学び始めが「遅くてもいい」明確な理由・・・
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それはね

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お花の魅力を・・・

・・・・花が持つ
『魅力』を自分自身がちゃんと『認める』には時間を要する

そしてその魅力はまぎれも無く『日常の景色』に溢れていて・・・

・・・それに気が付くには幾多の年月が必要だからです。


日々の生活の景色や花の美しさを感じる事は『フラワーデザイン』のセンスアップには欠かせない要素で、

「この景色は好きだなぁ・・」や

「あっここに咲いているお花・・可愛い・・」と感じ取る事ができたその瞬間に・・・・


『フラワーデザインの世界』は輝きを放ち始めます。


その為には思い出す必要があって・・・

・・・『過去』に見てきた花のある風景を。
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木立の光、伸びる木の影
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風に揺れる花、雨に打たれる葉、自然に茂る緑、木につたう蔓



はじまりと終わりの美しさ
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・・・雪に






・・・雪に埋もれても・・・

やがて顔をだす小さな花・・・
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まるで花の様な雪の結晶
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・・・知っている。

私は講師が語る次のセリフを知っている。
見てきた事じゃないか。


だっていままで何度も何度も見てきた事じゃないか。






・・・嵐の夜・・・

縦横無尽に揺れ動く植物、折れそうになりながらもふんばり耐える若木の姿。


転んでしまう程に複雑に足下で入り組む曲線
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立体的に這い巡る複雑な造形



無造作に咲き・・・無造作に群生する

気づかずに踏んでしまう程に
足下にひっそりと咲く

小さな・・・小さな野花
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そびえる巨木を這い上がる、何本もの『つた』の姿。
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風に乗り・・・そして

・・・青空に舞う

いくつものいくつもの数えきれない程の

たんぽぽの綿毛



その姿・・・



その情景を知っている。


いつか見た事がある。



・・・嬉しかった

『フラワーデザインの世界』

過去そして現在・・・きっと未来も

全ては繋がって

ちゃんと・・・

ちゃんと意味があったんだって!







あとは・・・。

手を添えるだけ。

その両手を添えるだけでいい。

作品にそのイメージを取り入れていけばいい。

決して無理をせずに。


その植物が持つ、花が持つ美しさを認めて・・・


私達はリラックスして花を挿していく。

花を繋いでフラワーアレンジメントとして様々な「形」に

優しい手さばきで、花束やブーケににしたり

いつもいつも花が持つ『魅力』を信じて



・・・・って。



言葉にするのは簡単ですよね。




でもね
私の場合、

間違いなくお花という分野だからこそ・・・

運動や計算、他の分野では私は勝負にならない。

お花自体に魅力があるからこそ・・・・。


今こうして皆さんと楽しいレッスンの時を過ごせているのですよ。


うんうん・・・お花だからですよ・・・。




そう言って先生は少し笑顔を見せた。










ー帰り際ー





「私に出来るのだからきっとあなたもね。」






確かそれが最後の言葉だった・・・。

















次回予告
フラワーアレンジメントの物語
第25話
『フラワーデザインの世界

ー予感ー



晴れた日を知っている
雨の日を知っている
風の・・・嵐の日を知っている。



出会いの時を知っている。
・・・そして
別れの時を知っている。


でもいつもそこに花があったから。


だからできるはず。
私にも


・・・必ず。



次回に続く


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