日本人よ、これが邦画だ!「激突-将軍家光の乱心-」 | 怪獣堂ブログ-HOBBY BLOG-

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あなたは、もしもデート中に恋人から「とても時代劇の映画が観たい、すごく観たい」と言われたら、どうします?

 

そんなシチュエーションがあるとはとても思えないけど、でももし、万が一起こってしまった、その時・・・・・・

「七人の侍」は鉄板だけど、ビギナーにはちょっと重過ぎる。
「柳生一族の陰謀」か「必殺4」を観せたいところだけど、あまりにも渋くて通好み。
ここは一つ「魔界転生」(旧作)としたいが、観終わった後のムードはどうする、これ?

でも大丈夫!

そんな時にこそオススメしたいのが・・・・・・


「激突-将軍家光の乱心-」

東映が平成元年当時、まさに「日本人よ、これが映画だ」とスーパーキャスト陣で制作した超時代劇ですよ。


当時「笑っていいとも」にご出演された、出演者の一人、故 長門裕之氏が、邦画不振の時勢に「日本でもこんな映画が撮れることを若者に知ってほしい」と本作の番宣でおっしゃっていたと記憶しており、割と嘘ではありません。

物語は、いわゆる黒澤明監督が「七人の侍」で形づくりし「七人モノ(様々なスキルをもった7人が一つの目的を達成すべく行動する)」。
訳あって傭兵となった故 緒形拳さん率いるプロフェッショナル達が、将軍の嫡子の命を守るため、たった7人で巨大な敵、、、幕府に戦いを挑むアクション巨編。

 

【予告編(これしかみつからなかったもので)】

 

この映画、とにかく冒頭から熱い!

そして、緒形拳さんらが強い!
 

ある筋にはゴジラ音楽で有名な佐藤勝さんの力強い曲にのって登場する、ケンさんの格好いいこと、格好いいこと。
ものすごい武装集団にたった7人が無双状態です。
 

ハート、つかまれます!


個人的には、これに並ぶつかみは「ゴジラ×メカゴジラ(機龍)」か「アベンジャーズ インフィニティーウォーズ」くらいしか思いつきません。

もちろん、アクションのみならず、この将軍嫡子と傭兵集団の交流はしっかり泣かせてくれます。


劇中で描かれる、このケンさんのキャラの背景を知れば知るほど、この交流に深みが増してこそ、そして、繊細な表情の演技で心情を表すケンさん、理不尽に戦いを挑む意地、これまたブラヴァー。

ごちそうさまです!

最近の映画なら「命をかけて守るほどのものか?」等と、登場人物が、途中で今更余計な葛藤を繰り広げ、ダレたりして、いい加減イライラさせられたりするものですが、、、

そんな葛藤など無用!とばかり、ケンさん軍団全員が”清清しく”命を掛けて戦うことに、説得力がでます。

邦画不振の時代に、”絶対面白い映画を撮ったるで、おらぁ!”といわんばかりの、東映撮影陣のプロ意識がそのまま乗り移ったかの様に、プライドをかけた”プロ”の、男達の戦いが、アルフィーの歌をバックに繰り広げます!

 

ぐっと燃えます。

ちなみに、このアルフィーの劇中歌、「You Get Run」、カラオケで歌いたい”男の歌”第一位だったのですが、最近、ようやく見つけました。

 

【名曲!You Get Run】

これ、もう一曲の劇中歌「Faith of love」も名曲です。

すげえよ、アルフィー!

 

その他の見所のひとつ(?)に、事件が起きている現場に行っていない頃の織田裕二さんも出演しています。
こんな時代もあったのねと、暖かくなります。

あと、おさえた演技ながら存在感を感じさせ、ケンさんを支える参謀役の長門裕之さんもすごい。
とても「スチュワーデス物語」で堀ちえみをいじめ、「相棒」で陰湿な閣下を演じた人と同一人物とは思えません。

サニー千葉は言うに及ばず!

「柳生一族の陰謀」では実現しなかった、サニー対タンバも見所です。

さて、決して勝目のない戦いに、意地とプライドを掛けたプロフェッショナル達の戦いの行く末・・・・・・


まさに、予算、技術で勝目のない洋画に戦いを挑んだ日本映画陣の姿に被さるのですが・・・・・・
故に、ラストはケンさんたち(日本映画)が将軍嫡子に託した、受け継がれていく言葉に、
・・・・・・男泣き必至です。

「スラムダンク」安西先生の名言並みに人生訓です。

もちろん、一本の映画である以上、欠点がない訳でもないですし(一部、中国から招聘した役者がしゃべらない違和感、特殊メイクがあらい、おいおい馬大丈夫?、、、など)好みの問題もありますが、そんなの微々たるもの。

 

何しろ、東映がDVDソフトを発売開始する際に、ユーザーリクエストで販売ラインナップを選んだのですが、東映の数ある作品をおさえての、堂々のラインナップ入り。

「割と映画好き」以外に意外と知られていない作品ながら快挙です。

間違いなく、日本時代劇史上、燦然と残る密かな名作の一本ともいえるでしょう。

最近、邦画はドラマの延長ばかりじゃねぇか!とお嘆きの皆様、ぜひ、一度はご覧くださいませ!


「日本人よ、これが邦画だ!」

 

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