「 忘れない 」
いったい何を忘れてはいけないのでしょうか
 
「 東日本大震災を忘れない 」について
 
東日本大震災を忘れない
3・11を忘れない
何を忘れないというのでしょう
 
あんなに大きな災害で
 
町が無くなったことをですか
 
ふるさとが無くなったことをですか
 
生活が一瞬で消えたことをですか
 
家ごと水にのまれる様子をですか
 
町が破壊され瓦礫だらけになったことをですか
 
倒壊した家屋から救出される姿をですか
 
食べるものを求めて並ぶ姿をですか
 
大切な人を亡くし泣き叫ぶ姿をですか
 
我を忘れて遺体安置所に通う姿をですか
 
行方不明の家族を探し回る姿をですか
 
失った家の跡地で膝を抱える姿をですか
 
汚れた格好でさまよう姿をですか
 
避難所で体を横たえる姿をですか
 
疲れ果ててぼろきれのようになる姿をですか
 
忘れてはいけないのは
本当にそれらの起きてしまったことですか
 
上に記載した一行づつの文章それぞれに
「 私の 」 「 私が 」 と主語を付けて
その場に置かれたご自分の姿や様子を思い浮かべながら
もう一度読み直してみてください
 
読み直した後に 
東日本大震災当時に起きたことを覚えているだけで
ご自分の何が変わるのかを考えてみてください
 
本当に「 忘れない 」だけで
皆さんの命や心は守られますか
 
災害が降りかかったとき
テレビやラジオの向こう側で起きていたことは
遠い場所での話から
一気に目の前の現実としてわが身に降りかかります
 
私達も 知っているつもり
過去の災害の悲惨さを忘れていないつもりが
実際の災害というものに襲われたとき
本当は「 何も知らなかった 」のだということを
初めて自分のこととして痛感したのです
 
重要なことは
「 忘れない 」ことではなく
「 今後 自分はどうしたらよいのか 」です
 
必要なのは 私達に対する慰めではなく
皆さんが ご自分の命を守るために
わが身に置き換えて考えることです
 
わが身に置き換えて考えることが出来なければ
ご自分の住んでいる環境で何が必要か
どうやって家族を守ればよいのか
実際に必要なことが見えてこないのです
 
我がこととして考えることから始めなければ
いつまでたっても 他人事でしかありません
どうか かけがえのない命が喪われないように
今 ご自分がどうするべきなのかを考えてください
 
被災地にボランティアで来てくださる皆さん
いつも優しいお心を寄せてくださる皆さん
そして 記事をご覧くださった皆さん
私達は もう誰の命も災害で失いたくないのです
被災地の現状に触れる機会がありましたら
ご自分の命を守るためのヒントをかき集めてください
そして 東日本大震災で起きたことを踏み台にして
ご自分の命を守るために役立ててください
皆さんの命が助かるのならそれで 良いのです
 

被災した人間の気持ちの一端です
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