Two for the Road いつもふたりで

"Due per la strada" --- ミラノに住むふたり、橘凛夫婦が、徒然とイタリア生活やヨーロッパの綺麗な風景、旅行記を綴ります。

カタルーニャとスペインはどこへ行くのか

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カタルーニャ情勢はどうなるんでしょうか

お題「今日の出来事」

カタルーニャが独立宣言を行いましたね。
直近のニュースを観ていると「やはり」という気持ちがあるのですが、
ついこないだまでを思うと、どうしても驚きを隠せません。

最近は無いですが、以前は仕事でちょくちょくバルセロナに行っていたので、
彼の地にも民族性があるという認識は持っていました。

ただ、私もここまで急に民族性が民族意識に変態するとは思っておりませんでした。
確かに歴史を追うと、既に住民多数賛成の自治憲章が2010年に違憲扱いされた事が、
当時までは2割程度だった独立志向を急激に拡大させたとのことですが、
本当についこないだまで、スペインであったことを享受していた場所です。

寧ろ、バスクの人たちの方が、民族意識という単語が合うと思っていました。
彼らはそもそも全く別言語*1を話すからか、
スペイン人ではなくバスク人だという民族意識が高く、
会う人会う人、バスクの物を沢山勧めてくれました。
でも別に、カタルーニャと同じで、独立を切望しているように、見えなかったです。
ヨーロッパは多民族国家、多言語国家だらけですから。

 

この違和感はどこから生まれてるんでしょうね。
個人的に、根拠もない単なる個人的な意見ですが、
民衆の不満があらぬ方向に、安直な方向にリードされているのかな、と思います。
ここでも。

先日記事に書いた、イタリア・ロンバルディア州ヴェネト州もそうです。
裕福と言われる地方の中で、職にありつけない若者や貧しい人たちが増えていて、
その彼らにしてみたら税金が高すぎるんですよ。
そんな高すぎる税金を払えど払えど、何で生活が豊かにならないのか、
毎日の不満って言わないけれど、結構あります。

でもそれって、実は今当たり前のように享受しているものをないがしろに考えてるんですよ。
実は我々は、国家に身体的な安全だけでなく、人権、個人的主権、全て守られていて、
それって国家が税収で成り立っているから出来ることであるわけで。
無いものを数えるだけでなく、当たり前にあるものも数える必要があります。

地方自治というのは、国家が大きければ大きいほど重要度が増していきますが、
でも国家が担うべきものが無くなるわけではありません。
一地方が独立国家となった時、果たしてそれらを継続して担うことが出来るのか。

 

さてさて、カタルーニャはこれから一体どうなるんでしょうか。
既に欧州連合カタルーニャの独立を認めない姿勢を示しています。
認めない、というだけで、何かしら介入する余地はあるんでしょう。

個人的にはスペインのここまでの強硬姿勢が謎です。
武力をチラつかせるのは下の下の策だと思うんですが。

カタルーニャはご自慢の経済力がどんどん衰退していくだけです。
スペインは万が一武力衝突になった際、世界からの批判は免れません。
このまま誰も妥協しようとしなければ、お互い損な状況でしかないはずです。
どうかもう一度お互いの行動を考え直してもらえると有り難いのですが。

 

今日は、バルセロナのモンジュイックの丘にある、
モンジュイック城に展示されている大砲に乗る海鳥の写真を。
悲しい事件が起きる前に、是非とも平和的な解決を頼みます。

*1:ラテン語やゲルマン、スラブ語族のインド・ヨーロッパ言語ですら無い。