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『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 10

2017-05-21 06:22:33 | ヴィテルボの聖ローザ
『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 10

  魔女のことを悲しんで、ローザは、十字架をにぎりしめ、この村でも熱心に説教をはじめます。なんと不思議なこと、少女ローザの説教がこんなにも大勢の改心者をつくろうとは!人々は、ローザのなかで働いておられるいつくしみ深い神を見ていました。

 ある日のこと、生まれながらの盲目の女の子を連れてきて母親が涙とともにいいました、「どうぞ、この子の目をなおしてください」

 ローザは、天をあおいで祈り、手を女の子の目にふれていいました、「神さまのみ名によって目をあけなさい」

 女の子が不思議そうにあたりを見ています。生まれてはじめてみるおかあさんの顔!

「あっ、見えた」感激にわきたつ群衆!

「さあ、ひれ伏して足にせっぷんしなさい。この方がお前にしあわせをくださったのよ」。母の、言葉に女の子はひれ伏しました。でもローザはいいました、

「とんでもない、わたしではありません、あなたをなおした神さまに感謝してね。そして、いつも神さまを愛してね」この奇跡にかんかんに怒ったのは、魔女です。

 でも、ローザの心は愛でいっぱい、「あの人が改心すれば、町中が改心するにちがいない」と考えました。きびしい苦業と熱心な祈りで魔女の改心を願い求めるローザに、神は、みことばを聞かせました。

「ローザよ、あなたか願うことを何でもしてあけよう」。喜びいさんで魔女を訪ねたローザがいいました、「もしもわたしか3時間、燃えさかる炎のなかで無事でいられたら、あなたは神を信じられますか?」

 魔女は笑っていいました、「もちろん信じるわ・・・だけど、そんなこと、ありっこないよ、狂言のあまり、ここでもおかしくなったの」魔女はあたまをさしてみせました。

 やがて鐘が鳴り、町中の人が広場に集まり、薪が山とつまれます。油が注がれ、火かつけられると、ローザは神を信じて登っていきました。肝をひやした人々の目の前で3時間炎に包まれたローザ、かみの毛一本、服の糸一本こげません。魔女は、わっと泣き伏し、信じました。


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