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「第31課 女傑ジュディス(ユヂト)」『旧約のはなし』浦川和三郎司教

2018-03-28 01:03:30 | 新・旧約聖書まとめ
「第31課 女傑ジュディス(ユヂト)」『旧約のはなし』浦川和三郎司教

134 マナッセ王

 エゼキアの子マナッセは、父にも似ない愚かな君主でした。せっかく父が取り壊したバアルの堂を再建したり、日、月、星を祀ったり、果ては神殿内にまで偶像を据え付けるとか、罪なき人を殺すとか、さんざん悪事を働きました。とどのつまりは、天罰をこうむり、アッシリア軍と戦い敗れて捕虜となり、バビロンの獄につながれました。しかし、身の不幸が薬となって、ようやく迷いの夢を醒まし、神様の御前にへりくだって、心から悔いあらためました。そのために、おんあわれみをこうむり、赦されて国へ帰ることができ、それからは、死ぬまで忠実に御教えを守りました。


135 ベツリア城の包囲

 マナッセがバビロンに囚われの身となっている頃出来事だろうといわれています。アッシリア王は、将軍ホロフエルネに、歩兵12万、騎兵1万2千を授けて西アジア地方を討たせました。ホロフエルネは、いたるところで城を毀し、そこの人々を殺し、そこの神殿を焼き払いました。大司祭エリアキムは、何としてでもエルサレムとその神殿を荒らされたくないものだと思い、国民を励まして要所要所を固めさせました。そして、敵の大軍を食い止めようとしました。「なんと、こしゃくな。」と、ホロフエルネは鼻の先であしらい、まず、サマリアの北に位置するベツリア城を十重二十重に囲み、その水道を絶ちました。それには、城兵も、ほとほと弱りはて、5日以内に神さまのおん助けがないならば、城を明け渡すよりほかはない、と主将オジアまでが弱音を吹き出しました。


136 ジュディスの大勇断

 そのとき、ベツリア城内に、ジュディスという名で、まだうら若い一人の未亡人がいました。家は金持ちで、容姿にすぐれ、何の不自由もない身でありながら、再婚しようともせず、2階の一室にこもって、祈祷や断食に身をゆだね、ひたすら神様に仕えていたのでした。オジアが弱音を吐いたと、伝え聞くや、ジュディスは、人を遣わして長老たちを招き、「日をきめて御憐みを求めるのは、神様を試みるのじゃありませんか。むしろ、へりくだって神様に仕え、泣いて御憐みを祈りましょう。神様が、こんな目に遭わせなさいますのは、私たちを懲らしめるためで、滅ぼすためではありません。」と申しました。そして、自分は麻布をつけ、頭に灰をかぶって、ひれふして主の御助けを祈りましたが、やがて、その麻布も未亡人の服も一切脱ぎ捨て、晴れやかな服装をなし、一人の腰元を従えて城を出ました。敵に捕らえられ、将軍のテントに連れていかれるや、言葉巧みに彼の武勇をほめたたえました。ベツリア城民が神様にそむき、罪を重ねて天罰をこうむることになっているのが、眼前に見えすいてきたから、将軍に城内の困難な状況を知らせ、かたがた身の安全を保つために城を逃れ出てきたのだ、と述べたてました。ホロフエルネは、だまされるのだとは全くわからず、ジュディスを陣内に留め置き、神様に祈りたいというときは、いつでも勝手に出入りする許可さえ与えました。

 それから、4日目に、ホロフエルネは、部下の将校たちを集め、ジュディスも招いて酒宴を開き、しきりに大杯を傾けていましたが、ついに、前後不覚の状態になり、その場に酔いつぶれてしまいました。将校たちも、皆おおいに酔い、千鳥足でめいめいのテントに帰り、ホロフエルネのテントに居残ったのは、ただジュディス一人でありました。そこで、ジュディスは、腰元を外に立たせて見張りをさせ、自分はホロフエルネの床の前に立って熱心に神様のおん助けを祈り、やがてまくらもとの剣をひきぬいて、ホロフエルネの首を打ち落とし、腰元の用意した袋に納めて、ベツリア城へ持ち帰り、民を集めてその首を見せました。民は一斉に神様をふしおがみ、夜明けを待って、ホロフエルネの首を城壁につるし、ワッとばかりに、ときのこえをあげて敵陣へ打って出ました。敵は、将軍の眠りを覚まそうとテントの入口に騒がしい音をたててみたが、何の答もない。やむをえず、中に入ってみると、首のない死骸が血糊にまみれて倒れている。ジュディスはどうなったかと居間をのぞけば、がらんどうとしていて人の影すらない。「おのれ、にくきジュディスめ!」と、歯を食いしばったが、もう後のまつり。こうなっては、命あってのものだねだ、アッシリア軍は、にわかにおじけづいて、われがちにと逃げ失せました。逃がすものかとベツリア兵は激しく追い打ち、道筋のイスラエル人もいっせいに立ち上がって数知れず討ちとりました。大司祭エリアキムは、おもいがけない大勝利のしらせを得て大いに喜び、自らベツリア城に来てジュディスを祝し、「あなたは、エルサレムの栄光、イスラエルのよろこび、わが民の誉れよ」と、口を極めてほめたたえました。民は、3ケ月間もこの大勝利を祝賀しました。


137 教訓

 ジュディスが女の細腕一つで、目に余る大軍を破り、国家の急を救ったのは、聖母マリアが救い主の御母となって悪魔勢を打ち破り、人類を御救いくださったのに、多少あてはめられます。



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