カトリック情報　Catholics in Japan

浦川和三郎司教『新約のはなし』1949年、中央出版社

第４課　奇蹟（１）水がブドウ酒に

３８

○御主は、わが身が約束の救い主たることを証明するがために、何をなさいましたか。

△多くの奇蹟を行いなさいました。

　すなわち、悪魔を追い出し、らい病を清め、ろうあ者、視覚障害者を癒し、死人をもよみがえらせなさいました。しかも、これらの奇蹟は、ただ一言で、あるいは心にお望みになったばかりで易々といとも手軽に行い給うのでありました。

（１）水がブドウ酒に

３９

○その奇蹟の中で、まっ先に行いなさいましたのは、何でしたか。

△カナという町で、水をブドウ酒になし給うたのが、第一の奇蹟でありました。

　そのカナに結婚式がありました。聖母マリアをはじめ、イエズス様も弟子たちに招待されて、御臨席になりました。宴もたけなわになったころ、ブドウ酒が切れました。

　聖母マリアは新夫婦の身の上を気の毒に思われ、御子にただ一言
「もうブドウ酒がありませんよ」
と御注意になりました。

　その家の入口に、客の手洗い用として、２～３斗もないる水瓶を６つほど備え付けてありました。イエズス様は、給仕たちに命じて、その瓶に水を一杯汲み込ませ、たちまちその水を上等のブドウ酒となしてくださいました。



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