ハミルトン

木曜日、仕事帰りに週末の予定を確認しようとグーグルカレンダーを開くと、

金曜日は黄昏時のオーシャンビーチで友達の誕生日の集まり

土曜日は昼間にイーストベイでストレートカップルのベビーシャワー、夜はデンバーから遊びに来ている水球友達を囲っての飲み会

日曜日は市内のホールで知り合いのピアノリサイタルとディナー

とある。

毎週末こんなにスケジュールが埋まっているわけではもちろんないし、年々狭まる友達の輪の中で、こうやってお誘いを頂けることを本当に有難く思っているのだが、元々、どちらかというと、大人数の中にいるよりは、家に篭って静かに過ごしたいタイプの自分にとっては、

「今週末は、つらいわ・・・」

と思わずため息が出てしまう。

東京でサラリーマンをしていた若かった頃は、女上司達とおされをして仕事を抜け出してパークハイアットのワインパーティに参加したり、同年代の仲間達とゲイゲイしい格好をして新宿リキッドルームでダンスパーティで朝方まで踊ったりと、大勢の人が集まる場所をそれなりに楽しんでいたのだが。

歳をとる毎に、パーティやイベント、特に初対面の人が多く集まる場所に参加するのが、億劫になってきて、どちらかというと、楽しむというよりも、苦痛に近くなってきている。

外に出るのが大好きなアメリカ人のN君に言わせれば、

「そういったところに参加したら、新しい出会いや発見があって楽しいじゃない?」

とのことだが、自分にしてみてれば、

「家で過ごして、静かに自分と向き合うことだって大事だ!」

と思ってしまう。

カレンダーを眺めながら、家でひとり安い酒のグラスを傾けながら本を読んだり、日本のドラマ「カルテット」の続きを観たり、へたっぴピアノを弾いたり、あるいはシンフォニーやミュージカルをひとり観にいく、といった静かで穏やかな週末を夢見るのである。

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ミュージカルといえば、先月の話になるが、アメリカで人気のブロードウェイミュージカル「Hamilton (ハミルトン)」を観てきたど!

2015年にブロードウェイで公開されたばかりの、アメリカ建国の父の一人「アレキサンダー・ハミルトン」を主人公にした舞台で、ヒップホップ音楽をベースに、役者の殆どが非白人で占められているということで注目され大ヒットとなり、去年史上最多のノミネートで作品賞をはじめトニー賞を総なめにしたミュージカルなのだ! (Wikipediaより)

この「ハミルトン」、今じゃ普通のオーケストラ席でも8万円から10万円という、とんでもないことになっている舞台らしいのだが、この春にブロードウェイからサンフランシスコにやってきて、"Preview"期間はチケットが少々安くなるわよということで、それならあたしもっ!とヘソクリをはたいて行ってきた訳。

どんなに人気とは言え、そんなヒップホップやラップなんて、古い昭和オカマのあたしには好きになれないだろうね、と斜に構えていたのだが、舞台がはじまるとたんに引き込まれて、やっぱり興奮して席を乗り出して観劇したわよね。

ジャンバルジャンを中心に添えたフランス史劇が「レミゼラブル」ならば、こちらはアレキサンダーハミルトンを軸にしたアメリカ史劇で、こりゃアメリカ人大好きだよね、と納得した次第である。


人と交流するのも大事だが、こうやって好きな舞台を観て心を潤すことも大事よね、
と言い聞かせる、ますます引きこもりの中年オカマよ。







コメント

東京の受付嬢 さんのコメント…
ハミルトンすごいらしいですね。
日本に来たら観てみたいです!
匿名 さんのコメント…
サウンドトラック買いました!
素晴らしいですね。