おジャ魔女どれみと徒然

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沈黙について、そのLaudate Dominum

2018-07-08 19:56:00 | ヒューマン
時は17世紀のポルトガル。イエスズ会神父のロドリゴは行方を絶った己の師、フェレイラ神父を探すために宣教師として海を渡る。
途中マカオを経由。日本のキリシタン・キチジローを仲間にし道案内をさせる。1644年、禁教と鎖国が渦巻く日本へと船は進んでいく……

マーティンスコッセシ監督、28年越しの傑作。
まず驚くのは、すっげー……日本!!w そのまま時代劇として十分通用するね。原作が日本人だから? 完成度がめちゃくちゃ高い。

何気に「野火」の塚本晋也が出てるというw 聖歌歌いながら溺死する体当たりな演技。
窪塚洋介の「パードレ! パードレ!」がちょっとかわいいw 役者陣は絶妙な配役だった。

日本語と英語の使い分けもいい。日本人は日本語。自然でリアリティーがある。
テーマは「棄教」。江戸幕府が1614年に禁教令を出し、1637年に天草一揆、1639年に鎖国と。その流れに続く物語。 

主人公のロドリゴは実在の人物。ジュゼッペキアラって言うイタリア人がモデル。
フェレイラ神父は名前も同じ。

イエスキリストが死んで千年以上が経ち、生まれた地からも何百キロと離れ……いつの日にか、人間は神からずっと遠退いた。
キリスト教が根付かぬ地。そこで見た人の本性。人が苦しむ時、沈黙し続けた神とは……

ここだけ見ると日本が悪者に見えるけど、キリスト教徒とて南米で悪行を働いたわけで。因果は巡るということ。
仏教の末法思想に近いかもせん。ブッタの教えも時が経てば形骸化する。神の声は聞こえないのではなく、既に絶えていたのかもしれない。

では、また。


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