田舎のライブハウスはネオナチの巣窟だった!
ありがとう、アントン・イェルチン…。
昨年不慮の死を遂げたアントン・イェルチンの遺作。イェルチンのことはよく知らないけど、『ブルー・リベンジ』が大好きなので観てきました。いやー、この監督さん好きですわー。面白かった!
残酷描写100点、脚本-30点、計70点。(点数は毎回テキトーに)
(以上公式サイトより)
全体に漂う乾いた空気感はかなり好みだったし、テンポも良くて見てて飽きなかったです。ジェレミー・ソルニエ監督は『わらの犬』が大好きということでこれにはめちゃくちゃ納得。突然の理不尽な暴力に耐えて耐えて最後の最後にやり返すという本作のプロットはけっこう似てるし意識してると思います。
殺しの素人同士が必死に殺り合う面白さは存分に楽しめました。敵の殺し方が陰惨でネチネチしていてすごく良い。とにかくバイオレンスが炸裂してるし、グロを見せるタイミングも好きでした。ストーリー自体はなんてことないんですが暴力表現に関しては斬新だったと思います。ド派手にやらずにどちらかというと地味で、そこが良かった!
『グリーンルーム(=楽屋)』というタイトルが示す通りライブハウスの楽屋に籠城する主人公たち。周りには命を狙うネオナチ軍団。彼らを倒して無事に脱出できるのか!?という話。
序盤から何か起こりそうな不穏な雰囲気でイイ感じなのですが、個人的に最初にテンションが上がったのはライブシーンでしたー。売れないパンクバンドが一曲目に演奏するのはデッド・ケネディーズの「ナチ・パンクス・ファック・オフ!」。これには爆笑。
ネオナチの巣窟なので当然のことながら客からはブーイングを喰らい、ビンを投げられる始末…。ピリピリと張りつめた一触即発ムードの緊張感が良かったし、バンドの音を消してスローモションにしてアンビエント流す演出もすごく面白かったです。これからナチにぶっ殺されるとも知らずに…!
で、なんとか無事にライブを終えるのですが、楽屋にスマホの充電器を忘れてしまうギタリスト。主人公が取りに戻ったところ、運悪く殺人現場を目撃してしまい(そんなヤバい状況なら一人くらいドアに注意してそうなもんですが)死体を見たために口封じとしてバンドメンバー全員の命が狙われるハメに!
ここからの急展開っぷりが楽しい。
ネオナチ「死体見たな~!殺すッ!」
パンクス「ムリっす、勘弁してください…」
…というわけで、楽屋に籠城してネオナチ軍団との殺戮合戦スタート!
パンクスなんですが、このバンドメンバーすげえヘナチョコです。「ネオナチなんかブッ殺してやるぜ!」とは全然ならず、敵の攻撃にドン引き。けっこうビビっちゃう。しかし一応パンク魂は持ち合わせているようで、リアリティはありました(人物描写は浅め)。行きつ戻りつのヘタレっぷりが面白い。
ヤバいライブハウスからの脱出劇なのですが、一度脱出しても修羅場にビビってまた楽屋に後戻り…とかの連続なのでけっこう笑いましたよ。楽屋を出たり入ったりする展開はサスペンスとしてはどうなの?とは思いながらも楽しかったです。登場人物がけっこうどうしようもない奴らだったりするんですけど、このどうしようもない感じも嫌いじゃなくて…。まあでも最終的には敵に立ち向かっていく主人公がカッコイイのです、うん…。
自分が同じ状況に立たされたらずっとドアは開けませんけどね。怖くて!
敵がネオナチってのは直球で気持ちよかったです。いちいちやり口が汚くって最高だし、効率の悪さより面白さを優先してくれる攻撃方法にはサービス精神すら感じました。過激にブチ殺すってよりはおもしろおかしい攻防で、滑稽に思えました。まあツッコミどころ満載なんですよね…。それにしても犬に噛み殺させるって…!普通に銃殺したほうが楽なのでは?後処理が楽とか?
ボスはX-MENのプロフェッサーXことパトリック・スチュワート。いるだけで存在感があるし、田舎の大物ヤクザって感じ。部下への指示は的確で無表情な強面だし、なんとなく冷徹な殺し屋のような雰囲気もあり、業務的な仕事っぷりがすごく良い…。僻地に住むネオナチがライブハウスで生計を立てているってところに生活感を感じたりもしました。警察に少年二人を引き渡すシーンなんかはかなり手慣れていて「もう何度か同じような修羅場を経験してんだろうなあ…」と思うと恐ろしい。なんとなく謎めいた軍団でしたね…。
彼に忠誠を誓う弱小の小僧どもは、殺しの素人っぷりが楽しかったです。
人体破壊描写は、個人的には普通に怖かったし生々しくてかなり好みでした。とりあえず最初の流血シーンが超良い。腕をズタズタに切り刻まれちゃう主人公。手首なんかパックリ割れちゃって、ちょっとグロい。この時のアントン・イェルチンのリアクションも「ぎゃあああ」って感じだし表情もすごくイイ。手首スッパリ切断しちゃえばもっとショッキングな展開になると思うんですが、ここは切断しないほうがリアルだし残酷なのかも。
それからドアの向こう側を見せなかったのが効果的だったのかもしれません。「えっ…何が起こってんの?」から「すげえことやられてた~!」という衝撃はデカかった…。普通ならドアの隙間から向こうを覗くアントン視点のカットがひとつくらい入りそうですけど。そこは計算した上で見せないのでしょう。
楽屋にあるもので事態に対処しなければならない緊急事態なので腕の応急処置がダクトテープってのも面白かったです。全体的に描写のリアリティはあったと思うし、PG12のわりには痛々しい話でした。切り傷がとても良い。
刺殺4名、殴殺1名、銃殺5名、犬死に2名。計12名死亡。
終盤は敵も味方もバッタバタ死んでいきます。『ブルー・リベンジ』でも同じようなことやってましたがヘッドショットの突発性がやっぱり最高。何の前触れもなしに突然顔面が吹っ飛ぶのはビビるしテンション上がります。暴力描写は丁寧でショッキング。監督の好みがハッキリしてるのか、単純にクセで同じことやっちゃうのか知りませんがもう大好きですよー。
頼りになりそうな人間が突如としてブッ殺されちゃうのはインパクトがあったし、殺害される人間の人選もバッチリ。あっけない死にざまが印象的でした。
大好きな映画『ローラーガールズ・ダイアリー』の友人役ことアリア・ショウカット(ギタリスト)は、あっけなく犬に噛まれて亡くなりました。死にざまに関しては信頼できそうな監督だと思います。敵も味方も平等に命が安い!
登場人物がデッケネのTシャツ着てるだけでテンション上がるんですよ。
前作『ブルー・リベンジ』では青を基調とした画面の色使いが印象的でした。今回は『グリーンルーム』ということで、緑が多かったと思います。けっこう血まみれの映画なので赤色も強烈。全体的には暗めの画作りでした。
結局は最終的に復讐劇なんですよね、この話。
ライブハウスをなんとか脱出したアントンとイモージェンは命を狙われる恐怖と仲間を殺された復讐心から(?)ネオナチの大ボスを殺しに行くことに…。そして、子分もろともあっけなく銃殺。
頭から血をピューピュー噴き出させて死んでいくパトリック・スチュワート。最近こういう死に方あんまり見ないし、面白かったです…。なんとなく無常感も漂っていたりして。やるべきことをやり遂げた、しかし虚しい。復讐を果たした後のスッキリ感もあったのですが、虚無的な気持ちも強く残りました。
”無人島バンド”って誰でも一回くらいは考えますよね(たぶん)。
ということで、人はガンガン死ぬし、イモージェン・ブーツは可愛いし、そもそも相手がネオナチってところがやっぱり最高で…かなり楽しめました。極貧バンドがしょうがなくネオナチの巣窟で演奏することとなり闘いの中でやむにやまれぬ殺しを行う。このあたりの動機については説得力もありました。
しかし、引っかかった部分も何カ所か…。
控え室という限定されたシチュエーションやパンクスVSネオナチという設定を生かしきれていないし、頭脳戦ってほどの知的さもなく、ネオナチはマヌケな雑魚ばかりだし、うーん。後半は人物設定などは関係なくただただ殺し合っているように見えました。そのへんをもう少し練った脚本だったらもっと面白くなったのかなあ、という感じ。ちょっと惜しい作品です。前作に比べると描写が雑に思えました、どうしても…。「作戦を立ててネオナチを皆殺し」という部分をもうちょっと盛り上げてほしかった…。脚本が少し物足りなかった。
そんな感じで不満も多少はありますが、素敵な死にざまに依怙贔屓して70点!
あと、犬が可愛かったです。人間を噛み殺すために訓練された犬なんですが、ハウリング攻撃ですぐに退散しちゃうのも可愛いし、うろうろしてどっか行っちゃうのも可愛いし、最後は飼い主の死体に寄り添って…ほんと可愛い。噛み殺して血にまみれてふがふがやってるのも可愛かったし、良い犬映画。
最もグッときたセリフは「深刻になるのは耐えられない」でした。
アントン・イェルチン、さようなら…。
マイベストイェルチンは『君が生きた証』のクエンティンかなー。
こっちは文句なしに傑作。
ありがとう、アントン・イェルチン…。
個人的評価:★★★★★★★★☆☆☆ 70点
2017年02月11日公開/95分/アメリカ/映倫:PG12
原題:GREEN ROOM
監督:ジェレミー・ソルニエ
出演:アントン・イェルチン、イモージェン・プーツ、パトリック・スチュワート、アリア・ショウカット、ジョー・コール、カラム・ターナー、メイコン・ブレア、デヴィッド・トンプソン、マーク・ウェバー、エリック・エデルスタイン、カイ・レノックス
原題:GREEN ROOM
監督:ジェレミー・ソルニエ
出演:アントン・イェルチン、イモージェン・プーツ、パトリック・スチュワート、アリア・ショウカット、ジョー・コール、カラム・ターナー、メイコン・ブレア、デヴィッド・トンプソン、マーク・ウェバー、エリック・エデルスタイン、カイ・レノックス
昨年不慮の死を遂げたアントン・イェルチンの遺作。イェルチンのことはよく知らないけど、『ブルー・リベンジ』が大好きなので観てきました。いやー、この監督さん好きですわー。面白かった!
残酷描写100点、脚本-30点、計70点。(点数は毎回テキトーに)
あらすじ
売れないパンクバンド「エイント・ライツ」は、ようやく出演が決まったオレゴンの僻地にある名もなきライブハウスに出向く。しかし、そこは狂気のネオナチ集団の巣窟だった―。 殺伐とした雰囲気の中、なんとか無事に演奏を終えたバンドメンバー達だったが、バックステージで運悪く殺人現場を目撃してしまう。冷酷なネオナチのボスは全ての目撃者を消すことを部下たちに命じ、メンバー達は全員命を狙われるはめに。状況は圧倒的に不利、人数も武器の数も絶望的に負けている。恐怖におびえるバンドメンバーたちは、楽屋に閉じこもり時間を稼ぎながら脱出を企てるが、重装備のネオナチ軍団が次々に襲い掛かり、メンバー達を血祭りに上げていく……。(以上公式サイトより)
感想
気合いの入った暴力描写が超最高。正直、サスペンス・スリラーとしてはユルい部分もなくはないと思うので、「ここはもうちょっとさあ…」と文句言いたくなったりもするんですが、リアルに描こうとするとこうなるのかな…。良い暴力映画だと思いました。全体に漂う乾いた空気感はかなり好みだったし、テンポも良くて見てて飽きなかったです。ジェレミー・ソルニエ監督は『わらの犬』が大好きということでこれにはめちゃくちゃ納得。突然の理不尽な暴力に耐えて耐えて最後の最後にやり返すという本作のプロットはけっこう似てるし意識してると思います。
殺しの素人同士が必死に殺り合う面白さは存分に楽しめました。敵の殺し方が陰惨でネチネチしていてすごく良い。とにかくバイオレンスが炸裂してるし、グロを見せるタイミングも好きでした。ストーリー自体はなんてことないんですが暴力表現に関しては斬新だったと思います。ド派手にやらずにどちらかというと地味で、そこが良かった!
『グリーンルーム(=楽屋)』というタイトルが示す通りライブハウスの楽屋に籠城する主人公たち。周りには命を狙うネオナチ軍団。彼らを倒して無事に脱出できるのか!?という話。
序盤から何か起こりそうな不穏な雰囲気でイイ感じなのですが、個人的に最初にテンションが上がったのはライブシーンでしたー。売れないパンクバンドが一曲目に演奏するのはデッド・ケネディーズの「ナチ・パンクス・ファック・オフ!」。これには爆笑。
ネオナチの巣窟なので当然のことながら客からはブーイングを喰らい、ビンを投げられる始末…。ピリピリと張りつめた一触即発ムードの緊張感が良かったし、バンドの音を消してスローモションにしてアンビエント流す演出もすごく面白かったです。これからナチにぶっ殺されるとも知らずに…!
サントラ買っときゃよかったなー。選曲がイイ!
で、なんとか無事にライブを終えるのですが、楽屋にスマホの充電器を忘れてしまうギタリスト。主人公が取りに戻ったところ、運悪く殺人現場を目撃してしまい(そんなヤバい状況なら一人くらいドアに注意してそうなもんですが)死体を見たために口封じとしてバンドメンバー全員の命が狙われるハメに!
ここからの急展開っぷりが楽しい。
楽屋では女が頭にナイフぶっ刺されて死んでる。(前作でもやってた殺害)
ネオナチ「死体見たな~!殺すッ!」
パンクス「ムリっす、勘弁してください…」
…というわけで、楽屋に籠城してネオナチ軍団との殺戮合戦スタート!
パンクスなんですが、このバンドメンバーすげえヘナチョコです。「ネオナチなんかブッ殺してやるぜ!」とは全然ならず、敵の攻撃にドン引き。けっこうビビっちゃう。しかし一応パンク魂は持ち合わせているようで、リアリティはありました(人物描写は浅め)。行きつ戻りつのヘタレっぷりが面白い。
ヤバいライブハウスからの脱出劇なのですが、一度脱出しても修羅場にビビってまた楽屋に後戻り…とかの連続なのでけっこう笑いましたよ。楽屋を出たり入ったりする展開はサスペンスとしてはどうなの?とは思いながらも楽しかったです。登場人物がけっこうどうしようもない奴らだったりするんですけど、このどうしようもない感じも嫌いじゃなくて…。まあでも最終的には敵に立ち向かっていく主人公がカッコイイのです、うん…。
自分が同じ状況に立たされたらずっとドアは開けませんけどね。怖くて!
敵がネオナチってのは直球で気持ちよかったです。いちいちやり口が汚くって最高だし、効率の悪さより面白さを優先してくれる攻撃方法にはサービス精神すら感じました。過激にブチ殺すってよりはおもしろおかしい攻防で、滑稽に思えました。まあツッコミどころ満載なんですよね…。それにしても犬に噛み殺させるって…!普通に銃殺したほうが楽なのでは?後処理が楽とか?
ボスはX-MENのプロフェッサーXことパトリック・スチュワート。いるだけで存在感があるし、田舎の大物ヤクザって感じ。部下への指示は的確で無表情な強面だし、なんとなく冷徹な殺し屋のような雰囲気もあり、業務的な仕事っぷりがすごく良い…。僻地に住むネオナチがライブハウスで生計を立てているってところに生活感を感じたりもしました。警察に少年二人を引き渡すシーンなんかはかなり手慣れていて「もう何度か同じような修羅場を経験してんだろうなあ…」と思うと恐ろしい。なんとなく謎めいた軍団でしたね…。
彼に忠誠を誓う弱小の小僧どもは、殺しの素人っぷりが楽しかったです。
人体破壊描写は、個人的には普通に怖かったし生々しくてかなり好みでした。とりあえず最初の流血シーンが超良い。腕をズタズタに切り刻まれちゃう主人公。手首なんかパックリ割れちゃって、ちょっとグロい。この時のアントン・イェルチンのリアクションも「ぎゃあああ」って感じだし表情もすごくイイ。手首スッパリ切断しちゃえばもっとショッキングな展開になると思うんですが、ここは切断しないほうがリアルだし残酷なのかも。
それからドアの向こう側を見せなかったのが効果的だったのかもしれません。「えっ…何が起こってんの?」から「すげえことやられてた~!」という衝撃はデカかった…。普通ならドアの隙間から向こうを覗くアントン視点のカットがひとつくらい入りそうですけど。そこは計算した上で見せないのでしょう。
楽屋にあるもので事態に対処しなければならない緊急事態なので腕の応急処置がダクトテープってのも面白かったです。全体的に描写のリアリティはあったと思うし、PG12のわりには痛々しい話でした。切り傷がとても良い。
デブの腹をナイフで裂いちゃうのも楽しい!キレイでしたねー!
刺殺4名、殴殺1名、銃殺5名、犬死に2名。計12名死亡。
終盤は敵も味方もバッタバタ死んでいきます。『ブルー・リベンジ』でも同じようなことやってましたがヘッドショットの突発性がやっぱり最高。何の前触れもなしに突然顔面が吹っ飛ぶのはビビるしテンション上がります。暴力描写は丁寧でショッキング。監督の好みがハッキリしてるのか、単純にクセで同じことやっちゃうのか知りませんがもう大好きですよー。
頼りになりそうな人間が突如としてブッ殺されちゃうのはインパクトがあったし、殺害される人間の人選もバッチリ。あっけない死にざまが印象的でした。
大好きな映画『ローラーガールズ・ダイアリー』の友人役ことアリア・ショウカット(ギタリスト)は、あっけなく犬に噛まれて亡くなりました。死にざまに関しては信頼できそうな監督だと思います。敵も味方も平等に命が安い!
登場人物がデッケネのTシャツ着てるだけでテンション上がるんですよ。
前作『ブルー・リベンジ』では青を基調とした画面の色使いが印象的でした。今回は『グリーンルーム』ということで、緑が多かったと思います。けっこう血まみれの映画なので赤色も強烈。全体的には暗めの画作りでした。
『ブルー・リベンジ』で主役を演じていたオッサンも出てましたよ!
結局は最終的に復讐劇なんですよね、この話。
ライブハウスをなんとか脱出したアントンとイモージェンは命を狙われる恐怖と仲間を殺された復讐心から(?)ネオナチの大ボスを殺しに行くことに…。そして、子分もろともあっけなく銃殺。
頭から血をピューピュー噴き出させて死んでいくパトリック・スチュワート。最近こういう死に方あんまり見ないし、面白かったです…。なんとなく無常感も漂っていたりして。やるべきことをやり遂げた、しかし虚しい。復讐を果たした後のスッキリ感もあったのですが、虚無的な気持ちも強く残りました。
”無人島バンド”って誰でも一回くらいは考えますよね(たぶん)。
ということで、人はガンガン死ぬし、イモージェン・ブーツは可愛いし、そもそも相手がネオナチってところがやっぱり最高で…かなり楽しめました。極貧バンドがしょうがなくネオナチの巣窟で演奏することとなり闘いの中でやむにやまれぬ殺しを行う。このあたりの動機については説得力もありました。
しかし、引っかかった部分も何カ所か…。
控え室という限定されたシチュエーションやパンクスVSネオナチという設定を生かしきれていないし、頭脳戦ってほどの知的さもなく、ネオナチはマヌケな雑魚ばかりだし、うーん。後半は人物設定などは関係なくただただ殺し合っているように見えました。そのへんをもう少し練った脚本だったらもっと面白くなったのかなあ、という感じ。ちょっと惜しい作品です。前作に比べると描写が雑に思えました、どうしても…。「作戦を立ててネオナチを皆殺し」という部分をもうちょっと盛り上げてほしかった…。脚本が少し物足りなかった。
そんな感じで不満も多少はありますが、素敵な死にざまに依怙贔屓して70点!
あと、犬が可愛かったです。人間を噛み殺すために訓練された犬なんですが、ハウリング攻撃ですぐに退散しちゃうのも可愛いし、うろうろしてどっか行っちゃうのも可愛いし、最後は飼い主の死体に寄り添って…ほんと可愛い。噛み殺して血にまみれてふがふがやってるのも可愛かったし、良い犬映画。
最もグッときたセリフは「深刻になるのは耐えられない」でした。
アントン・イェルチン、さようなら…。
マイベストイェルチンは『君が生きた証』のクエンティンかなー。
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