「うちの子、勉強の時、理解せずに丸暗記するのですが、大丈夫でしょうか」、という質問に対して、「大丈夫です、理解は後からついてきますから」という回答がありました。恐らく、賛否両論だと思いますので、自身の経験から少し議論してみたいと思います。

 

確かに、丸暗記しても、後からきちんと理解できる人は、知的好奇心も旺盛で、積極的に疑問を持ったり、調べたりできます。こういう人は、丸暗記と言っても、頭の中で試行錯誤できます。つまり、重要な部分のパターン認識ができているので、問題はありません。

 

問題になるのは、「丸暗記でもいい」というのを強調しすぎると、それだけに順応してしまう子供たちが出てくる場合があります。これで、点数だけを取れれば、学ぶことへの「ワクワク感」や「物事の真の理解」を軽視してしまうでしょう。

 

学ぶことに積極的でない場合は、教育環境や教師、親の言動が大きく影響します。この場合は、「丸暗記しても理解は後からついてくる」というのを真の意味で体現できないことが多いです。

 

以前にもお話しましたが、アメリカのミシシッピ州のある高校では、教師は何も教えず、生徒には共通テストの点数を上げることを強いていました。

 

生徒は、理解せずに丸暗記します。何をやっているかわからなくても、どうにかして点数を取れる回答の仕方をします。彼らによれば、すごくストレスがたまるようです。

 

特に理科系の科目は、問題とその回答を暗記しても、根本を理解していなければ、問題を少しでも変えられると、ついていけなくなります。

 

物理に関していえば、頭の良い学生でも、パターン認識だけでは解けない問題も多くあります。(この件に関しての教育方法は、後でお話します)

 

もちろん、一方で、「理解しなければ先に進めない」という学習の仕方も非効率的であることも考慮しなければいけないでしょう。これを、放っておくと、難しいことを避けてしまう傾向なります。

 

学習に積極的な子、そうでない子、いろいろいますが、教育環境がそれぞれうまく扱えるようにするのも重要かもしれません。