「任せる」
10分後。
「IMAX『シーサイド・スクワット』にする」
とカミさんが言った。
映画「シーサイド・スクワット」・・・・・「海辺でスクワット」・・・え?・・・・・いや、カミさんに選択を任せたらね・・・・。
(ふ~ん・・・「シーサイド・スクワット」ねぇ・・・スポーツ根性物か?オリンピックもパラリンピックも終わったけど・・・海辺でハードトレーニングかよ・・・・種目はなんだ・・・・)
え~、ネタではなく劇場に着くまで、私は本気でそう思っていたんですよ。
劇場前でポスターを見ると、アホっぽいねーちゃんがバット構えて・・・女が野球に挑戦か?いや、それにしては―――、スポーツ根性物にしては、さわやかさを感じさせないポスターデザイン・・・血と汗と涙・・・じゃあないな・・・・。アッパラパーねぇちゃんが野球に目覚めるといった感じでもない・・・・。違うな・・・スポ根物じゃぁないな・・・・まいっか・・・・。
映画は、やっぱりこんな予備知識ゼロの見方が基本だろ・・・。
3D用のメガネ。
(お~、IMAXはいいよな、立体映画もいいけど、音が良いよ。貧乏人の贅沢で今日はIMAX奮発だよ。―――カミさんが払ったんだけどね)
―――今日は、シートを蹴る奴もいなそうだし。
(けど念のために、一応、さりげなく、後ろに座っている人には俺の顔を売っといて・・・・、心の中で「蹴るなよ・・・蹴ったらいかんぜよ・・・・蹴るんじゃねぇぞ・・・・蹴らないでね・・・・お願いします」と・・・そう、同級生りり子が、そうしろって言ってたからね「あんた、上映前に後ろの一人一人を睨みつけておくのよっ!」って・・・・、あ~女は怖いね・・・後ろから刺されたらりり子のせいだからな・・・・って、だから笑顔で横顔をさりげなく見せときましたよ・・・でも今日は、そんな人は居なそうでしたよ・・・前のシートを蹴るようなバカ・・・・)
上映開始。
タイトル”Suicidesquad”。
(あ、”スーサイドスクワッド”ね・・・なんだよ、全然違うじゃん。―――でもカミさんに「お前、タイトル「シーサイドスクワット」じゃなくて「スーサイドスクワッド」じゃねえかって言っても、「あたしは、”スーサイド・スクワッド”って言ったわよッ!」って反撃されるだけだから、ここは、男は黙って無かったことにして・・・・・ってこれ読んだら言ってくるだろうな・・・・・「シーサイドスクワッド」って言ったわよ!―――だからここはやっぱり消しとこう・・・・かと思ったけど・・・せっかくだから残しておきますかね・・・・って、これを読んでいるあなた、「下らねぇ事言ってねぇで先に進めよ!」って思っているかもしれませんが、私にとっては結構重要な問題でしてね・・・・小野家存続の危機が待ち構えているかもしれないし・・・・ってもうどうでもいいや・・・・海辺のスクワット!!)
はい、面白かったですよ「シーサイドスクワッド」。
たまにはこういう映画も観ないといけませんよ。
ま~ナンと言いましょうか・・・・、ファミレスで「何頼んでもいいよ」って言われて好きなだけ注文して食べてお腹一杯になったような・・・・。
寿司三昧の社長が馬鹿でかいマグロを競り落とした後、寿司三昧でそのマグロにぶち当たってたらふく食べたような・・・・。
はい、そんな大満足の「シーサイドスクワッド」でした。
え?
さっぱり言っている意味が分からない?
俺の事はホットケッ!!