そして二週間後・・・
俺の仕事復帰を2日後に控えて
今夜からいよいよリーダーの実家で
俺達は暮らす事になった。

今日は事務所と復帰の会見についての
打ち合わせが有るからって
朝からおばさんに裕也を預けて
久し振りに1人で女装せずに外出した。
俺は裕也の事が心配で心配で
正直、打ち合わせどころじゃない。

それでもなんとか3時間くらいの
打ち合わせを済ませて
裕也の元に急いで帰った。

和「すみません、お母さん。裕也大丈夫でした?」

母「あらぁ、ニノちゃん、もう帰ったの?
  ゆっくりしてきてイイのに。」

和「裕也が心配で・・・仕事どころじゃないです。」

母「さっきミルクは飲んだから、たった今寝ちゃったわよ。」

和「そ、そうですか・・・。」

母「裕ちゃん、哺乳瓶でも全然平気みたいだから
  これからはニノちゃん、安心して仕事出来るわね。」

和「はぁ・・・」

なんか、とてつもなく切なくなった。
おっぱいもまだ時間が経つと
パンパンに張ってくるから
本当は裕也に飲ませたいのに
それも出来なくなるんだって思うと
堪らなく辛くなった。
おっぱいを飲ませなくなると
そのうち、自然と出が悪くなるって
看護師から聞いていたから
これから仕事始めたら
いよいよ母乳を与えられなくなる。

仕事を目前に控えた俺は
何か、もの凄くナーバスになっていた。

裕也の寝顔を確かめて
そのまま2階の自分達の部屋に
連れて行こうと抱き上げたら

母「あら、裕ちゃんは寝る時まで
  私見てあげるから、ここに寝かせておいて
  いいのに・・・」

和「あ、大丈夫です・・・」

母「だってもう直ぐご飯だから、
  どうせ又降りてくるでしょ?」

和「あ、夕飯はリーダーが戻ってから
  一緒に頂きますから・・・」

母「そ、そう?」


ちょっと俺の言い方キツかったかな?
でも、他の事を譲れても
裕也の事だけはどうしても譲れないんだ。

こんなんでこの先、
上手くやっていけるのかな?

そんな時、リーダーからスマホに着信が入った。

和「もしもし・・・」

智「あ、ニノ?俺だけど・・・
  ゴメン、ちょっと先輩に誘われたから
  飯は要らないって、母ちゃんに言っといてくれる?」

和「はぁ?」

智「なるべく急いで帰るからさ・・・ごめん。」


何でだよ?
どうして同居始めたその日に
寄り道なんかするの?
やっぱり、リーダーには
俺の気持ちなんか分かんないんだ。

なるべく早く帰ると言ったリーダーが
帰宅したのは、午前0時を回ってからだった。




つづく












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