甲状腺機能が低下している人は、ビタミンAの吸収率が著しく低下します。
正確には、ビタミンAの前駆体であるベータカロチンのビタミンAへの変換率が低下します。
このよううな傾向は、幼児には普通に見られます。
また、成人でも甲状腺機能低下症の人、糖尿病にかかっている人は、この変換はほぼ行われていません。
従って、幼児や甲状腺機能低下症の人、糖尿病の人は、ビタミンA不足になりやすいです。
ビタミンAが不足するとタンパク質の合成が阻害されますので、身体を構成している軟部組織や生命活動にとって必要な神経伝達物質、酵素などの生成に問題が生じます。
それに伴い、免疫力が落ちたり、自己治癒能力が低下したりなどの症状が現れてきます。
また、牛を使った実験ですが、ビタミンA摂取を制限すると、甲状腺刺激ホルモン(TSH) の分泌低下が起こることがわかっています。
ビタミンA不足により、脳下垂体にある好塩基細胞の変性(委縮)が生じていました(TSHは脳下垂体の好塩基細胞で合成されています)。
また、別の豚を使った別の研究では、ビタミンAを完全にカットして2週間経過後に甲状腺ホルモン濃度を測定したところ、50%になっていたと報告されています。
さらに、ラットから甲状腺を除去したところ、眼球の突出が現れ始め(眼球乾燥症;ビタミンA不足による症状)、ビタミンAを投与するとその症状が消失しました。
この実験では同時にベータカロチンも投与していますが、ベータカロチンでは眼球乾燥症は改善されていませんでした。
この研究結果からわかることは、甲状腺はベータカロチンからビタミンAへの変換を行っている大変重要な臓器であるということです。
つまり、ビタミンAの不足により、甲状腺には主に以下の三つの問題が生じます。
- 甲状腺ホルモンの分泌量低下
- ヨウ素の吸収率低下
- ビタミンAの不足
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