コンクール,地区大会は終わったところもありますね。
暑い中,練習に励んでおられると思います。暑い中…,チューニング,合いますか?
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家,吹奏楽指導者の福見吉朗です。
えっ,チューニング管,そんなに抜くの!?
吹奏楽指導にうかがうと,ほんとうによく目にします。
『えっ,チューニング管,そんなに抜くの!?』という楽器。
4cmとか5cmとか抜いている楽器もあったりします。
「ちょっと貸してみて」と借りて,吹いてみると…
たいてい抜きすぎです。
吹き方で高くなってしまっているのを,抜くことによって下げている。
でも,それではいい響きにはなりません。
で,その抜いたところで吹くくせが楽器についてしまっているので,なかなかピッチも安定しなかったり…
夏だと暑くてピッチが上がるから,ますますたくさん抜いちゃう。必要以上に…。
ますます楽器の響きがおかしくなっちゃう…
チューニング管ってどれくらい抜くものなの?
楽器やメーカーによっても少しずつ違いますが,金管楽器はだいたい1~2cmくらいが普通です。
こんな感じ。
F管(向こう側の管)はたくさん抜いていますが,Bachのオープンラップはこんな感じなのです。
手前の主管はこんな感じ。
それから,ホルンで1番2番3番ロータリーの各抜き差し管を入れっぱなしで吹いているのを時々見ます。
ホルンの各抜き差し管を全然抜かずに吹くことは通常ないので,少しずつ抜いておきましょう。
できれば,ちゃんとチューニングして。
チューニング管の抜き方でも楽器の鳴り方が変わる!
そもそもチューニング管の抜き方でも楽器の鳴り方やバランスが変わってしまうのです。
だから,通常これくらい抜いて使われるということを計算に入れて,楽器ってつくられています。
なので,たとえ寒くても,全然抜かずには吹きません。
暑いところで吹くときでも,おおむね2cm以上は抜きません。
そんなふうに,抜き方の許容範囲みたいなものがあると思います。
楽器に合ったマウスピース使ってますか?
チューニングが合わない,極端に抜く,あるいは,全然抜けない,っていう人,
まず,楽器に合ったマウスピースを使っていますか?
テナートロンボーンのマウスピースでバストロンボーンを吹いていたり(よくあります),
逆に,バストロンボーンのマウスピースでテナートロンボーンを吹いていたり…
楽器と自分に合ったマウスピースを使うことが大切ですね。
管の抜き方が極端な時は吹き方をチェック
吹き方で高かったり低かったりしているのを,チューニング管で無理矢理修正する,
これでは,楽器が共鳴するポイントで吹いてないわけですから,いい音は出ません。
そんなときは,まず吹き方をチェックです。
といっても,なかなかわからないと思うので,
できればレッスンを受けてみるのがいいと思います。
また,楽器の中が極端に汚れていたりすると,ピッチが定まらなかったりもします。
ひどいのになると,鳴らない音が出てきたり…(*_*)
本番間近でなければ,中の掃除(水洗い)するのもいいと思います。
でも,本番直前はオススメしません。
合奏の会場でチューニングすること
合奏する音楽室は冷房が効いている。なのに,暑い廊下でチューニングして来る…
これ,意味あるでしょうか? ないですよね(^^;
温度が変わればチューニングも変わるのです。
さらに言うと,暑い廊下から冷房の効いた音楽室に入ってくると,ピッチは少しずつ下がっていきます。
いきなりそのピッチになるわけではないのです。
なので,部屋に入ってしばらくしてからチューニングする。これ大事。
練習する場所の環境,温度,これは大切なのですが…
じゃあ,冷房完備の学校ばかりが,いい演奏を創ってくるのか,
冷房のある学校ばかりが,コンクールでいい賞を獲っていくのか…
そうではないですよね。
もっと大切なことがありそうです。
そもそもチューニングって何を合わせているの?
楽器の長さを調節する?
そうなのですが,長さを調節しさえすれば音が合う,わけではないですよね!
音は,楽器がつくってくれる?
いやいや,音は,自分がつくっているのです。
まず,自分の中に音があって,それが楽器を通して出てくる。それを,確認している。
それが,チューニング。
まず自分の中に音がある,っていうところがポイント。
自分の中に音がないのにチューニングしても,意味ないですよ。
その音を自分の中でイメージして,それから吹く。それを『確認』する。
これが,チューニング。
主体は,自分。
では,これからコンクールというみなさん,いいステージを。
コンクールが終わったみなさん,おつかれさまでした。
毎日音楽,ですね。
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過去ブログ『チューニングってなんのためにするの?』
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