早坂有生のYALE

2016年にYale(イェール、エール)大学に学部生として入学した日本人、早坂有生のブログです。大学での出来事やアメリカ大学出願のことなどについて書いていきます。ご質問、ご要望、ご連絡は記事へのコメント(非公開設定です)にお願いします。

世界で活躍する人々と出会うーWorld Fellows Programー

今学期している課外活動の一つに、World Fellows ProgramのLiaisonというのがあります。このプログラムは、世界で、様々な分野で活躍している人たち15人くらいを秋の一学期間Yaleに住まわせて、講演会やイベントを通じてYaleのコミュニティと交流してもらうというものです。昨年、このFellowの人たちのイベントによく行って、とても興味深い話ばかりだったので、そのfellowの人のリエゾン(お世話係)に応募し、今学期それをしています。それぞれのfellowに4人のリエゾンがついており、講演会の準備を手伝ったり、Yaleでの生活について質問に答えたりします。去年とは違い、一人のfellowと個人的に知り合い仲良くなれるので、また違った面でとても貴重な経験ができていると思います。今回は僕の担当しているfellowの人について紹介したいと思います。

僕の担当しているfellowは、Remaという、インドの女性警察官幹部です。
↓先頭で隊を先導している人。かっこいいですね。
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女性の比率がかなり低いインドの警察組織の中で、幹部を務めているというだけですごいのですが、Remaはさらにその生い立ちや警察官としてしている仕事がすごいです。インドでは、警察官になるのはとても大変で、世界で二番目に難しいと言われる試験をくぐり抜けなければならず、何年も準備しても成れない人も多い中、Remaはシングルマザーとして両親の助けも借りられず、言語も違う場所で働きながら、4年で試験に合格し、トレーニングを首席で卒業しました。その後、多くの女性警察官はデスクワークを選択する中彼女は現場で働くことを選び、彼女以外は全員男性という環境の中ゲリラの多い地方に赴任します。現在は一地方の警察組織トップを務めています。

初めて会った時はとても優しそうな人だと感じ、実際普段話している時は明るく、軽快な人です。
↓Yaleではこんな感じ。
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しかし、その口調のまま彼女の成し遂げてきたこと、くぐり抜けてきたことを語るので、驚いてしまいます。警察に入るために勉強していた話、大統領の行進直前に爆弾を発見した話、テロリストを暗殺した話、普段男性に24時間囲まれプライベートのない話など、きりがありません。

リエゾンとして彼女の講演会にもよく参加し、そこでも毎回新しい話を聞け、面白いですが、それ以上にプライベートで話す機会も多くあります。リエゾンたちと夕食を食べたり、fellowたちのイブニングパーティーに誘ってくれたりして、そこでは「インドの女性警察官」という肩書きを気にせず接してくれます。なので、何が彼女をここまですごい人に駆り立てているのかを少し理解できる気がします。

World Fellows Programには、今年は他にも、日本からの小林りんさんを初め、起業家、弁護士、ジャーナリストなど、本当に世界で活躍する人たちが集まっています。こういった人たちを選考して、呼び、一学期間在住させるというYale大学の凄さを改めて感じます。12月までしか皆いないので、貴重な機会を逃さず講演会などに参加したいと思います。では!