不朽の名作『プレイボール』の続編をコージィ城倉が描いている『プレイボール2』!
その第2巻が発売!甲子園常連校の浪国高校との練習試合に臨みます!!
〇ここまでの『プレイボール2』!
プレイボール2はちばあきお先生の不朽の名作『キャプテン』で初代キャプテンを務めていた谷口の高校入学後の活躍を描いた『プレイボール』の続編です。
ちば先生は『キャプテン』『プレイボール』ともに未完の状態でお亡くなりになってしまったため、続きを見ることはできなかったのですが、コージィ城倉氏がちば先生になりきって描くという手法をとって2017年に『プレイボール2』として復活しました。
絵のタッチもまさにちば先生で、連載開始とともに大きな反響を呼びました。
1巻では夏の大会を勝ち抜くために谷口、松川に次ぐ3枚目のピッチャーを探す話がメインとなりました。
谷口は剛腕サウスポー井口に可能性を見いだしますが、その井口は練習試合で使用禁止となっていた木製バットで打ってしまう…、というところで1巻は終わります。
さて、竹バットにこだわる谷口、そして3枚目のピッチャーはどうするのか、その辺りが気になる2巻のネタバレ感想をさっそく行ってみましょう!
以下、ネタバレ注意です!
〇2巻!「芯で捉えろ!の巻」
第9話「差し入れの巻」
いつものように墨谷高校に差し入れに来た田所。
田所はハードな練習試合をこなす一方で、強豪校との対戦経験が無いことを心配する。
谷口も当然、甲子園に行くためには強豪校に揉まれたいと考えるが、普通の都立が遠征を行ったり、強豪校を呼んだりすることは難しく、
「経験値を凌駕するほどの猛練習をするしかない」
と周囲が凍り付く発言をする。
田所はひたすら外野を走っている井口を見つけ、声をかける。
木製バットを試合で使ったことの罰走は谷口がピッチャーの走り込む練習を井口にさせたいからだからがんばるように励ます。
また、田所は谷口を呼び、「金属バット」を差し入れる。
田所が説得しても、谷口は金属バットの使用をかたくなに拒否する。
↑『プレイボール2』2巻P21より
そんなところに部長のところに師岡高校から電話がかかり、急遽、甲子園常連校の浪国高校との練習試合に参加できることになった。
第10話「芯で捉えろ!の巻」
浪国高校との練習試合に臨む墨谷高校。
やはり竹バットで試合に臨む墨谷高校に、浪国高校監督は金属バットを使用するように勧めるが、谷口はかたくなに拒む。
そこで浪国高校監督は仕方なく両チームが竹バットを使用するという案を提案し、墨谷高校から竹バットを借りて試合をすることにするが、竹バットの芯をわざと外し、バットを折って、金属バットでの対戦に持ち込もうと部員に命じる。
↑『プレイボール2』2巻P42より
墨谷高校のイガラシはいい当たりを打つもバットが折られ、谷口も芯を捉えるがセンターの好守で無得点。
後攻の浪国高校の攻撃前、改めて芯を外してバットを早く折るように指示が出る。
第11話「バットの木目の巻」
浪国高校は谷口のボールをいとも簡単に打ち返していく。
1番の打球はショート真正面をつくが、イガラシも驚く強さの打球。
2番の打球の強烈なサードライナーで松川がダイビングキャッチ。
3番の打球も強烈なライナーだがレフト真正面。
3者凡退で抑えるも、墨谷高校は浪国高校の強烈な打球に驚き、2回以降は変化球主体+継投で乗り切ることに。
浪国高校は得点できなかったことよりもバットを折れなかったことに残念がる。
2回表も無得点だが、またもや竹バットが1本折られ、2回裏先頭の4番バッターの打球でさらに1本竹バットが折られてしまう。
これで合計3本の竹バットが折られてしまった。
↑『プレイボール2』2巻P78より
第12話「許せない子供達の巻」
2回からマウンドに上がった松川は谷口より威力のあるボールを投げていた。
これでかえって浪国高校はバットを折りやすくなると分析。
2回、3回で松川は3失点を喫し、4回からはイガラシに継投。
イガラシも4、5回で3失点を喫し、5回終了で6対0と徐々に点差が開いていく。
そしてここでついに浪国高校に貸していた竹バット3本が全て折られてしまう。
9本中5本が折れてしまったことを受け、谷口はついに浪国高校監督の金属バットで試合をやることを受諾。
↑『プレイボール2』2巻P97より
6回、丸井の打席からお互い金属バットを使用しての試合となる。
その丸井は人生初の金属バット。
初球を振るとなんとセンターオーバーの長打コースに!
第13話「金属バットを持つの巻」
丸井はセンターオーバーの3塁打に。
続くイガラシの打球も差し込まれたもののライトへの大飛球。
ライトがバックし、捕球したかのように見えたが、弾き、イガラシは2塁打。
丸井が生還し、6対1とついに墨谷高校が得点を上げる。
金属バットの芯の広さを実感する墨谷高校の選手たち。
さらに続く谷口もセカンドゴロかと思ったが打球が速く、ライト前ヒットとなる。
そして4番倉橋の打球はなんとレフトオーバー、フェンス直撃!
↑『プレイボール2』2巻P120より
この打球がなんとグラウンドルールでホームランとなり、6対4。
驚く浪国高校。
墨谷高校、さらには打った倉橋も「あんなに伸びるなんて…」と金属バットの凄さを感じたのだった。
↑『プレイボール2』2巻P126より
第14話「強い打球の守り方の巻」
倉橋のホームランで2点差まで迫る墨谷高校。
丸井、イガラシ、倉橋はベンチで口々に金属バットの凄さを口にする。
6回裏、浪国高校の攻撃から浪国も金属バット解禁。
マウンドには再び谷口が上がる。
浪国高校の打球の鋭さを目の当たりにした谷口は内野手を極端に下げて守ることに。
松川、イガラシ、丸井が鋭い打球をファインプレー。
なんとか無失点に抑えたのだった。
↑『プレイボール2』2巻P146より
第15話「カッカするピッチャーの巻」
谷口の作戦が的中し、なんとか無失点に抑えた墨谷高校だが、倉橋は浪国高校が全員ボール球に手を出してくれたことを指摘。
谷口のフォークが有効と考えた倉橋の提案で谷口が7回もマウンドに上がる。
浪国高校の投手はベンチで4失点を悔しがるが、明らかに疲労が隠せない。
それでも監督の「最後まで投げてもらう」との指示に、「わかってます」と答えるが、カッカきている。
それがムキになったピッチングにつながり、なんと9回にワンナウト満塁のピンチを招いてしまう。
そこで迎えたバッターは9番の半田。
ここまでオール三振の半田に浪国高校はスクイズを予想。
本塁封殺を狙う。
そして、谷口のサインはツーランスクイズ。
半田の天才的なバント技術にかけることにしたのだった。
半田のスクイズは金属バットの真芯に当たり、ベースカバーでいないセカンドを抜け、なんとライト前まで飛んでいく。
↑『プレイボール2』2巻P21より
ランナーが一挙に帰り、7対6とついに逆転。
そこで9回の裏は全く準備もしていない井口に投げさせたいと突然言い出す谷口。
「殿のご乱心かよ??」
と嘆く倉橋だが、谷口は
「全国相手にどうなるか?井口のレベルを試してみたいんだ」
と言う。
「キャプテンは色々と勘違いしていますよ」
そこに口を挟んだのが、スクイズを決めてベンチに帰ってきた半田だった。
第16話「ウォーミングアップの巻」
半田は谷口に金属バットでは打球を殺せないと指摘。
谷口が甲子園出場を目指すあまり、前のめりになりすぎているのではないかと意見する。
そして井口の起用をやめるように提案するが、谷口はそれでも井口を試すことにする。
倉橋、イガラシも井口の起用には疑問を持つものの、結局井口がウォーミングアップ不足のままマウンドに上がることに。
浪国高校監督は「練習試合とはいえ、こんなクソ都立に負けるわけにはいかんからな」と選手にハッパをかけ、ついに9回裏が始まる。
井口が放った初球、先頭バッターの打球はなんとライトへの同点ホームラン。
そこで、井口はタイムをかけ、球審にウォーミングアップをもう少しやらせて欲しいとお願いする。
谷口も一緒になり頼むが、球審は当然拒否。
しかし、もう勝てるとタカをくくった浪国高校監督が15球ウォーミングアップしても良いと許可をしてくれたため、追加の15球が認められる。
半田や倉橋は恥ずかしいと感じ、さすがに谷口も「半ちゃんの言う通りだ…」と反省するが、ウォーミングアップを終えた井口は次のバッターを3球三振にしとめてみせたのだった。
↑『プレイボール2』2巻P196より
〇『プレイボール2』2巻感想!
2巻は『プレイボール2』で初めて試合が詳細に描かれましたね。
1巻では井口をピッチャーとして育てられるか、竹バットで打力をどこまで鍛えられるかといったところに焦点が当てられていましたが、その結果がある程度出た2巻でした。
竹バットにこだわり続ける谷口は、ちば先生が描いた頑固で真っすぐな谷口そのままでした。
しかし、残念に感じたのは浪国高校との対戦序盤が竹バットをいかに折るかというところになってしまった部分です。
これはコージィ城倉にありがちな実力以外の部分に焦点を当ててしまう展開で、私みたいなファンは真っ当なぶつかり合いが見たいなと感じるのですが、コージィ城倉は一捻りしたくなるタイプのマンガ家なんですよね。
古くは『砂漠の野球部』でも主人公が軟投派の魔球使いに変わってしまい、最後の大事な甲子園予選もスピード展開で終わってしまいましたし、『ストライプブルー』も甲子園を決める決勝で先頭バッターに代打の切り札を持ってくるという奇抜な作戦で描写はほぼ終わり。
『おれはキャプテン』も最後の夏は微妙な展開で終了しました。
今回の浪国高校戦も単に竹バットが途中で折れ、浪国高校から借りる展開で良かった気がします。
まあともあれ竹バットでの特訓で墨谷高校は打力が格段に上がりました。
そして、最後に少しだけ登場した井口はウォーミングアップ不足でホームランは打たれたものの最後は3球三振。
これで完全に覚醒フラグが立ちましたね。
甲子園予選前にパワーアップイベントが無事に終わったと言えます。
ただ、個人的に心配なのは谷口。
『キャプテン』も『プレイボール』も基本的にキャプテンが監督として采配をふるうことになるのですが、2巻ではチームメイトとのモチベーションのギャップが目立ちます。
また、半田に指摘されたように焦りも目立ち、決してチームの運営がうまくいっているようには見えません。
加えて、谷口自身のパワーアップはこれと言って見られず、谷口ファンとしては少し心配が残りました。
あくまでも谷口がエースで、それを支える松川、イガラシ、井口というぐらいの活躍を今後期待したいですね。
先に述べたようにちば先生テイストでは無い部分もあって少し残念だったのですが、逆に2巻で感動した部分もあります。
それはちば先生が描いていたスライディングキャッチとゴロゴロキャッチが忠実に再現されていたことです。
↑『プレイボール2』2巻P110より
↑『プレイボール2』2巻P146より
他のマンガ家には無い描き方ですから、このキャッチを見ただけでちば先生ファンはニヤニヤしてしまうのではないでしょうか?
ますます盛り上がってきた『プレイボール2』。
次の3巻を楽しみに待ちましょう!
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