トランプ銘柄投信『米国インフラ・ビルダー株式ファンド』登場 テーマ型投資信託への期待と不安

2017年1月17日火曜日

トランプ銘柄投信 投資信託メモ 米国株式

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モニュメント・バレー写真
モニュメント・バレー(アメリカ)

記事の最後に2017年8月21日現在のデータを追記しました。

アメリカのトランプ次期大統領が掲げるインフラ投資政策関連の銘柄に投資する投資信託『米国インフラ・ビルダー株式ファンド』(PDF)が今月中にも販売される見込みだそうです(日経)。

時流に乗って資産を増やせればいいですが、流行のテーマのようにも思えて期待できそうな反面、果たして本当にうまくいくのかなと心配にもなりますよね。

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もしプラスアルファを狙うなら

インフラ関連の銘柄に限らず特定の業種に集中投資してしまうと、そのぶん上がるときも下がるときも変動幅が大きくならないか不安もありますよね。

アメリカでも建設業では多くの外国人労働者が働いているそうですが、もしトランプさんが移民排斥を声高に繰り返し主張したりインフラ関連の会社にもっとアメリカ人を雇えとTwitterで訴えたりしたら?

「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があるように、特定の業種や国に偏らず分散しいておいたほうが大きく毀損する可能性は低くなります。

インデックスファンド等で内外の株式や債券に手堅く分散投資した上で、プラスアルファを狙うべきでしょうね。

もう米国株式の宴は終わったあと?まだこれから?

アメリカのインフラ関連株については昨年の8月時点で、代表的な会社の株が2016年の年初来で20%以上も上昇していて、すでに過熱しているとの報道がありました(WSJ)。

テーマ型投資信託は有望な銘柄に投資するものなだけに、先回りして買いを入れていた人たちが売り抜ける手伝いをすることにならないか疑問もありますよね。

大統領選後、インフラ関連株に限らずアメリカ株全体がすでに割高になっていて反落するのではという懸念もあるようです。

新規設定される『米国インフラ・ビルダー株式ファンド』と同じ大和証券投資信託委託の投資信託『iFree NYダウ・インデックス』の基準価額の騰落率は下の表のようになっています。

iFree NYダウ・インデックス成績表

iFree NYダウ・インデックス』は、アメリカを代表する優良30銘柄を対象としたダウ・ジョーンズ工業株価平均に連動するインデックスファンドです。大統領選後、株価の上昇と円安で基準価額が急騰したあと、短期では調整中です。

NYダウなど主要株式指数が最高値を更新した後、さらに上昇するためにはインフラ投資の実現はもちろんのこと、大胆な規制緩和や減税など政策の一層の後押しがやはり必要でしょうね。

コスト

米国インフラ・ビルダー株式ファンド』はプレスリリースによると、購入時の手数料の上限が税抜3%、投資信託を所有している間継続的にかかる信託報酬(運用管理費用)は年率で税抜1.48%で、解約時の信託財産留保額はありません。信託期間は延長されなければ平成34年1月13日までとなっています。

前述の『iFree NYダウ・インデックス』だと購入時手数料はなく信託財産留保額もありません。信託報酬(年率)は税抜0.225%です。信託期間は無期限です。

iFree 外国株式インデックス』であれば日本以外の主要な先進国にまとめて投資可能で、購入時手数料はなく信託財産留保額もありません。信託報酬(年率)は税抜0.21%です。信託期間は無期限です。

指数に連動するインデックスファンドにくらべ、アクティブファンドである『米国インフラ・ビルダー株式ファンド』は投資先の銘柄を分析調査している手間のぶんコストは高めです。

まとめ

トランプ次期大統領の言動があれほど注目されているのも、アメリカが政治的にも経済的にも世界一の大国だからこそでしょうね。少子高齢化で先細りが心配されている日本から見ると、先進国で人口の増加しているアメリカは投資先としても魅力的に映りますよね。

テーマ型投資信託は投資先を厳選しているぶん短期間で基準価額が上にも下にも大きく動く可能性があります。プラスアルファを狙うなら、ろうばい売りを避けるためにも、その前に分散投資で足場をしっかり固めておくことが大事でしょうね。

こぼれ話
ファンドレター「投資環境と運用方針について」(PDF)によれば、アメリカの老朽化したインフラへの投資は喫緊の課題であり、安全面だけでなく経済成長の足かせにもなっているそうです。

巨大な需要があるのであれば息の長いテーマにもなり得るかもしれませんね。それだけに投資信託の信託期間が限られているのが惜しいです。

追記
運用開始から半年以上経過した現在の騰落率は下の表のようになっています。白人至上主義をめぐるトランプ大統領の発言で、政策の助言組織のメンバーが相次いで辞任するなど経済界の首脳から背を向けられている状況では低迷もやむを得ないでしょうか。

米国インフラ・ビルダー株式ファンド、iFree NYダウ・インデックス、iFree 外国株式インデックス成績比較表
2017年8月21日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません

組入銘柄上位10銘柄は下記の通りです。

米国インフラ・ビルダー株式ファンド組入銘柄上位10銘柄
米国インフラ・ビルダー株式ファンド2017年7月末の月報2ページより引用




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