分けて語るほどのことはないなあと思ったので11話から13話までまとめて通します。似たようなテーマを共有してたりなど色々理由はあるのですが、13話の最後についてはまたまとめ記事として分けて書きたいなとは思いつつも、どうなるかは未定です。

最終話付近で扱っているのが基本的に戦争というテーマで、ヴァイオレットの全ての始まりであり、最終的に決着をつけなければならないものでもあります。少佐を失って、そして自分は多くの人を殺して……しかし多くの人を手紙で救ってきた今、何が変わったのかというのがメインですね。

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画像は公式サイトから。それぞれの話のあらすじにリンクしています。

人と戦争

人間全員が戦争を望んでいるわけではなく、むしろ平和を願っている人の方が多いはずなのですが、一部戦争をしたがる過激派がもしいたとしたら、その人たちのために結局戦争みたいなことは起こってしまう、というのが大体11話から13話の前半までで描かれることです。

しかし戦争を起こしたがる彼らの言い分も通っていて、結局自分たちは戦争をすることでしか存在意義を発揮できないって思いこんでしまってるんですよね。ただそういう境遇にしてしまったのは平和を願う人たちなのであって、誰が悪いというわけではありません。

人がいるところには大きい小さい問わず必ず争いがあって、それが人生にどう影響してくるのか、という問題なのかなと思います。ヴァイオレットはかつて戦争に加担したことがある人間で、かつ多くの人を殺せるだけの能力を持っていただけに、風当たりが強くなってしまったというだけ。

まあ物語に明らかに影響されているというのは否定できないのですが、改めて10話までの流れを思い返すと、ヴァイオレットがいたから救われた人たちが数多くいるのもこれまた必要だったことで、他の回の感想でも書いたような気がしますが、結局過去に縛られずに目の前のことに全力に生きるのが正しいのかなと自分は思います。

敵と認識するなり少佐の命令に従ってとりあえず殺すという動きをしていたヴァイオレットが、最終話の時点では敵すらも殺したくないと庇うような立ち回りを見せたのは、まさに今までの積み重ねがヴァイオレットを成長させたのだと思います。都合の良い解釈をするならば、あの状況で自分の命よりも他人の命を優先して咄嗟の判断で行動できるのは、本心からそう思っていたから反射的に動けたとしか言いようがありません。


結末の流れについて

軽くですが触れておくと、あそこでviolet snowを流したのは天才だとしか言いようがないですね……。人の想いの積み重ねがヴァイオレットエヴァーガーデンであり、この物語の趣旨でもあると思うので、それを手紙を雪のように見立てる(=ヴァイオレットが今までやってきた、ドールとして人と人とを結んできた活動)という演出が、まさにこの物語の終わりに相応しいです。

最後に少佐にちゃんと自分の想いを伝えられるようになったのは予定調和ですが、この流れなので素直に感動しました。愛してるが分かるって言い切らないで、ちょっとだけ分かるってあえてそういう表現をしているのも大好きですね。様々な人の感情を見てきたからこそ、人の感情は非常に繊細で難しいもので、すべてが分かるわけではないと理解した今だから書ける文章なのだと思います。



最後駆け足気味になりましたがひとまずは各話の感想は終了です。これからまとめを書くのか、それとも曲についての感想を書くのか、それとも何も書かないのか、モチベーション次第で色々変わってきそうですが、せっかくなのでもう少しくらいは何かしら形には残したいですね。


前回→第10話(アン編)