(前回「富山へ。」の続き。)
午前中は富山駅の南側を歩き回ったので、午後は富山駅の北側へ。
まずは、富山駅北口から「ポートラム」という路面電車に乗り込む。
終点まで26分、という短い路線に、七色のトラムが走っている。
(写真はhttp://shop.t-lr.co.jp/shopdetail/001000000001/より拝借のポートラムチョロQ)
「グッドデザイン賞金賞」や「バリアフリー優秀大賞」などを受賞したらしい。
(車内の様子)
ここで驚くのは、トラムが走っている敷地全てが、ある北前船長者の所有地だという事実!
地域のためにと、提供したそうだ。(当然、無償でというわけではないと思うが。)
富山版ノブリス・オブリージュ!
その家に嫁いだお嫁さんは、富山駅から他人の土地(公共の土地を含む)を踏むことなく、嫁ぎ先の家までお輿入れしたのだとか!!
北前船廻船問屋の豪商度がわかる逸話ですな。
東岩瀬でトラムを降りて、歴史的町並みが残る地区を散策開始。
旧北国街道沿いに並ぶ普通の民家も、
新聞屋も、
釣具屋も、
(店の前にある釣りの餌の自動販売機がミスマッチで面白い)
信用金庫や銀行も、
江戸末期から明治時代の頃の家や、当時の趣を取り入れた建物。
途中、造り酒屋「増田酒造店」を発見。
日本酒の試飲ができないものかと、路地に入って探してみるが、
鏡開き用の樽を積んだバンしか見当たらず。
諦めて表通りへ戻ろうとした時、ビールのタンクを持って歩く外国人に出会った。
思わず「すごい量のビールだね。」と声をかけると、「僕が作ったビールだんだよ。そこのお店で飲めるからよかったら行ってみて。」とのこと。
「いいとも!」と入ったのが「MUROYA」。
(写真はhttp://www.alpen-toyama.jp/新施設「muroya」グランドオープンと内覧会のおしら/より拝借。)
入って左がお土産売り場、右がカフェスペースになっている。
(写真はhttp://www.alpen-toyama.jp/新施設「muroya」グランドオープンと内覧会のおしら/より拝借。)
カウンターでビールを頼もうとメニューを見ると、チェコ人が作ったクラフトビールの飲み比べだけでなく、日本酒の飲み比べもあるではないか!(どちらも4種類で¥1250なり。勿論単品でも頼める。)
(種類は多くないがカフェメニューもある)
夕食を飲兵衛の弟と一緒に食べることになっていたので、ここで飲み過ぎるわけにもいかず、「ビールにすべきか、日本酒にすべきか、それが問題だ。」とハムレットばりに苦悩。(大げさ)
散々迷って、初志貫徹(?)で日本酒を選んだ。
(お隣の「増田酒造店」の「満寿泉」ブランドから4種類)
お店のお兄さんのお勧めに従って、左から順番にテイスティング開始。
まずは、「純米」。
普通に美味しい。
次は、「Pero」。日本酒とは思えない名前。開店記念として、期間限定で提供されているのだそうだ。
軽くて、日本酒に馴染みのない女性でも飲みやすそうな味。
続いて、「大吟醸」。
味も香りも、4種類の中で一番私好み。
最後は、「カメ1号」。素焼きのカメで仕込まれたところから来たネーミングらしい。
味も香りも癖が強く、焼酎みたい。
麹の歩合を大きくした無濾過生酒なのだそうだが、私は、ちょっと苦手かな。
ワインのテイスティングのように、水で口をすすぎながら一通り味見。
ここで、お店の方がサービスしてくれた(注文前に散々迷っていたからね・・・)ヴァイツェン(ビール)を挟む。
とても香りが良いビール。
ヴァイツェンって、あまり苦くないビールらしいけれど、日本酒の後に飲んだからか、心地良い苦味を感じる。
(ホップなのか?)ちょっと青臭い爽やかな香りと、程よい苦味のバランスが良くて、とても美味しい。
次に富山に来た時には、ビールの飲み比べもしてみたいと思わせるお味。
そのあとは、ちびちびと、残りの日本酒を楽しむ。
6月1日に開店したばかりというこちらのお店、ホームページ(http://www.alpen-toyama.jp/新施設「muroya」グランドオープンと内覧会のおしら/)によると、多機能型就労支援事業所なのだそうだ。
メインの通りから1本入ったところにあるから、観光客の目に止まりにくいかもしれないが、繁盛するといいな。
ほろ酔い気分で、散策に戻る。
町並みの中で唯一一般公開されている森家へ。(大人¥100。お安い!)
(他の家は、今でも住居として使われているので公開されていない。)
国の重要文化財にも指定されているようだ。
入ってすぐの部屋(オイの間)には北前船の模型も。
能登産の黒松で組まれた、立派な梁、
屋久杉の戸板、小豆島産の巨大な一枚岩の土間など、贅沢な作り。
見学は、個人で回ってもいいし、ガイドさんの説明を聞きながら回ることもできるのだが、
個人的には、ガイドさんの説明を聞きながら見学することをお勧めする。
私が行った時は、年配の女性のガイドさんで、語り口が面白く、自分で回っただけでは気がつかずに終わってしまうような建物の特徴や、地域の歴史、ゴシップ的な話など、とてもわかりやすく話してくださった。
どのタイミングでも聴き始めることができて、説明が1周して自分が聴き始めたところまできたら、適宜、グループから離れればいい。
実際私も、長者番付表の説明をしているところで、グループに加わって、座敷を一回りして、長者番付のところまできたので、そこからは、一人で2階や土間や蔵の部分を見学した。
森家を後にして、富山港展望台へ。
(階段で上まで登るのが結構きつい)
展望室には、現在の富山港からの貿易の様子がわかるバネルが展示され、
窓の外の景色をより楽しめるようになっていた。
(荷積を待つ自動車と鉄くず)
富山駅までの帰りは、運河を通って船(富岩水上ライン)で行くこともできるのだが、
天気も良くないし、弟との待ち合わせの時間もさ待っていたので(トラムで26分のところ、船だと1時間ちょっとかかるらしい。)、ポートラムで富山駅まで戻る。
家を出てからここまで、約10km。よく歩いたなあ。
夕食が美味しく食べられそうだ。
(夕食の様子はまた次回)
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